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メニエール病

メニエール病・・・激しいめまいや耳鳴り

◆メニエール病…有酸素運動で症状改善

ぐるぐる回るような激しいめまいが特徴的なメニエール病。耳鳴りや難聴を伴い、原因がはっきりしない難病だ。横浜中央クリニック「めまいメニエール病センター」(横浜市神奈川区)の高橋正紘センター長は、ランニングやウオーキング、水泳などの有酸素運動で症状が改善した多くの症例を報告している。

厚生労働省などが運用している難病情報センターによると、メニエール病は30代後半から40代前半に発症のピークを迎え、女性の割合が高い。内耳が水ぶくれ状態になる内リンパ水腫が直接の原因だが、その状態になる根本原因は不明だ。治療には、余分な水分を取り除く浸透圧利尿剤などの薬物投与が主だが、聴力の悪化が止まらないと、内耳の手術に至るケースもある。

高橋センター長は患者の聞き取り調査から、メニエール病は睡眠不足や長時間労働、職場でのトラブルや家庭内不和などが発症の誘因となる「ストレス病」であると感じていた。24年間もめまい発作や難聴に苦しむ67歳の男性に対し、ストレス解消目的で有酸素運動を勧めたところ、1年後に完治したことをきっかけに、有酸素運動の有効性に着目。その後、完治した症例を積み重ねた。

メニエール病難聴進行の恐れ

目まいを起こす代表的な病気としてメニエル病があるが、原因や治療法などについては意外に知られていない。NTT東日本関東病院(東京都)耳鼻咽喉科の深谷卓部長は「放っておくと難聴が進行します」と注意を呼び掛ける。

メニエル病では、五分以上、長い場合は三、四時間も続く回転性の目まいが起きる。寝返りを打つなどの特定の誘因がないのに、目まいと同時に片方の耳に難聴や耳鳴り、耳が詰まるような耳閉感に襲われる。また、毎月数回、一年に数回などと、間隔を空けて繰り返す特徴がある。

working内耳には、平衡感覚にかかわる三半規管や耳石器などと、音を感じる器官である蝿牛が連なっている。各器官の内部は膜で二つに分かれており、それぞれ成分の違う内リンパ液と外リンパ液で満たされている。

内リンパ液は常に新しく作られ、古いものは体内に吸収されて処理されるが、何らかの原因で吸収が悪くなると、内リンパ液がたまって膨張し、内耳がむくんだ状態の内リンパ水腫になる。放っておくと仕切りの膜が破れ、内と外のリンパ液が混じり合って三半規管や耳石器、蛸牛の働きが乱れ、目まいと耳鳴り、難聴が同時に起きるという。

治療で有効なのが、塩分(ナトリウム)を控えることだ,食塩摂取量は一日七、八㌘以下にすると、水分の摂取が抑えられ、内リンパ液を減らすことができる。また、カリウムは体にとってナトワゥムと逆の働きをするので、含有量の多や果物、豆類などを積極的に取りたい。水分の摂取にも心掛ける。

ウオーキングや水泳などの有酸素運動も効果がある。さらに、利尿薬を使うこともある。このほか、精神的トレスが利尿を妨げるホルモンの分泌を促し、内耳のむくみをもたらしているとも考えられているので、精神安定剤を併用することも多い。

どうしても目まいが治まらない人には、内耳に穴を開け、内リンパ液を抜き取る手術や、鼓膜に穴を開けて薬物を注入し、悪くなった三半規管の機能を壊す手術を行つことがある。深谷部長は「減塩や有酸素運動の励行など生活習慣を改善するだけで、かなりの人の症状が緩和されるはず」と話している。

-「メニエール病難聴進行の恐れ」-は朝日新聞より

専門家、多くの改善例を報告 発症早期の運動開始が重要

004例えば、10年前に発症し、最近2年間は難聴の状態にある50歳の主婦。ジムでランニングなどを始めたところ、不眠やめまい、耳鳴りなどが消失、半年後には聴力がほぼ正常に戻った。

仕事が多忙を極め、5年前に発症した43歳の男性商社マンは、めまい発作の頻発で受診。水泳を始めて1カ月でめまいがなくなり、7カ月で難聴が改善して水泳を止めたが、深夜の帰宅が続き難聴が再発。再び水泳を始めて聴力が戻りつつあるという。

高橋センター長によると、有酸素運動はランニングやウオーキングのほか、エアロビクス、自転車型トレーニング機器による運動など種目は問わないが、心拍数が1分当たり100~⊥20回程度の少し息の上がる全身運動を1回1時間以上、週3回以上行うことが必要。運動を始めるに当たっては、浸透圧利尿剤などの投薬は中止する。

めまいについて、同センターで4カ月以上経過観察できた患者100人のうち、「消失した」と答えた人が46%、「ほとんどなくなった」が27%、「時々ある」が24%、「しばしばある」が3%。全く支障ないか、抗めまい薬で制御できるまでに改善したと評価できる人が計97%になった。

聴力については、半年以上観察した111耳(両耳は2耳と集計)のうち、「改善した」が39%、「変わらなかった」が51%、「悪化した」が10%で、難聴が進行しない発症早期での運動開始が重要だという。

高橋センター長は「血液循意が良くなって内耳の自然治癒力が刺激されたのだと思う。ストレス対策とともに、有酸素運動を続ける動機付けが必要だ」と話している。

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