花粉症 正しい知識で花粉症対策を立てよう
花粉症の原因となる花粉はさまざまです。下記に主な花粉症の原因植物を記載しています。花粉の飛散時期を確かめながら対策を立てましょう。 花粉症の原因植物を正確に知るには、アレルギーテストを受けてください。
花粉カレンダー
花粉カレンダー主な花粉症の原因植物
花粉の飛散時期は目安です。日本列島は南北に長い地形なので飛散時期にも地域差があります。
ハンノキ(カバノキ科)
開花時期 1月-3月
ハンノキはカバノキ科の植物で1-3月に花粉を飛散させます。 山野の低地や湿地を好む落葉樹で防災用に植林されています。
スギ(スギ科)
開花時期 2月-4月
スギはスギ科の植物で2-4月に花粉を飛散させます。
日本の代表的な有用樹です。九州から北海道まで植林されています。主な花粉症原因植物の中でも代表的なものです。
ヒノキ(ヒノキ科)
開花時期 3月-4月
ヒノキはヒノキ科の植物で3-4月に花粉を飛散させます。
日本固有の有用樹で植林面積は西日本に多く、スギについて広く植林されています。スギ花粉と共通抗原を持っています。
コナラ(ブナ科)
開花時期 4月ー5月
コナラはブナ科の植物で4-5月に尾状花序を形成し花粉を飛散させます。
九州から北海道、朝鮮半島、中国にも広く分布します。雑木林に多く見られ、果実はいわゆるどんぐりです。
シラカンバ(カバノキ科)
開花時期 4月-5月
シラカンバ、別名シラカバはカバノキ科の落葉樹で主に夏が涼しい高地や平地に自生します。
北海道では4-6月の代表的な花粉症の原因植物です。海外でもシラカバが多く自生する地域では患者数も多い。
カモガヤ(イネ科)
開花時期 5月ー7月
カモガヤはイネ科の多年草で5-7月に花粉を飛散させます。
北米原産のオーチャードグラスを明治初期に牧草として輸入され、雑草化し全国に広がった。
ブタクサ(キク科)
開花時期 8月ー10月
ブタクサはキク科の一年草で8-10月に花粉を飛散させます。
北米原産、明治初期に日本に来た帰化植物で道端や、荒地、川原、土手などに生育しています。
ヨモギ(キク科)
開花時期 9月ー10月
ヨモギはキク科の植物で9-10月に花粉を飛散させます。
別名モチグサといい、草餅などにして食べます。道端荒地など多くの場所に自生しています。
花粉症対策 早めの治療開始が大切です
まずは自分のアレルゲンを知るためアレルゲンテストを受けましょう。そして正しい治療を行うことが大切です。
また花粉症であることがはっきりしている場合は、花粉飛散前に治療を開始しましょう。花粉症は対策が遅れるほど治療が難しくなります。
市販薬の利用は2週間が目安
【「市販薬は効き目が弱い割りに眠気を引き起こしやすい」と千葉大学大学院医学研究院教授の岡本美孝氏。市販約を2週間使っても治らない場合は病院へ行くのがよい-日本経済新聞より】としています。
自分で出来る心身の鍛錬と生活習慣の心得
- 少しの刺激で体が過敏に反応しないように、日ごろから皮膚を鍛えましょう。
(薄着の習慣や乾布摩擦、冷水摩擦など) - 運動を積極的に行いましょう。鼻の粘膜の血行が良くなり鼻詰まりはよくなります。(ウォーキング、水泳など)
- 十分な睡眠を取りましょう。疲労は自律神経を過敏にして、アレルギー反応を起こしやすくします。
- ストレスをためない生活を心がけましょう。
- 刺激のある嗜好品、食物をとらないようにしましょう。飲酒は毛細血管を拡張させ鼻づまりをひどくします。(喫煙、飲酒、とうがらしの摂取など)
- 栄養バランスを悪い食生活は体に良くない影響を与えます。ファーストフード、インスタント食品を取り過ぎないよう気をつけましょう。
花粉を家の中に入れないように工夫しよう
- 換気は花粉飛散の少ない早朝、夜に。また空気清浄機などを上手に活用しましょう。花粉の6割は窓や換気口から、4割弱が外で干した洗濯物や布団から、衣類や髪からは2%強です。
- ふとんや洗濯物はできるだけ外に干さないようにしましょう。外に干した時はよく花粉を取り除いてから取り込みましょう。
- 室内の掃除はこまめにしましょう。
外出時の注意事項
- 室内に花粉を持込まないために外出時は帽子をかぶりましょう。髪は帽子の中に隠しましょう。外出時間は花粉の多い(午前11時~午後3時、午後5時~午後8時)時間を避けることも有効です。
- 花粉症用のマスクや、普通のマスクの場合には内側にガーゼを厚めに入れて使用するとよいでしょう。花粉症用のマスクは花粉量を1/6に減らすことが出来ます。
- めがねをかけましょう。密閉したゴーグル型が一番効果的です。通常のメガネでも6割に減らせますが、花粉症用は1/3に減ります。
- 花粉が付きにくい、表面がすべすべした織目の詰まった素材の衣服がよいでしょう。(ウールのセーターなどは、花粉が付着しやすい)
外出から帰ったら
1.自分だけ気をつけるのではなく、家族全員で協力して花粉を家に持込まないようにしましょう。
2.玄関に衣服などに付着した花粉を落とすためのブラシなどを用意しておくとよいでしょう。
3.手洗い・うがい・洗顔を行い皮膚や粘膜についた花粉を水で洗い流しましょう。
花粉症の症状がでてしまったら
- 鼻づまりを抑えるには鼻洗い
・生理食塩水を使う。1度沸騰させた500ミリリットルのぬるま湯に4.5グラムの塩を溶かす。
・前かがみで横を向き、上の鼻の穴に生理食塩水を「あー」と声を出しながら注ぎ込む - 目のかゆみを抑えるには
・まず冷たい水で顔と目、手を洗う。目を冷やすと、かゆみを抑える効果がある。
・続いて抗ヒスタミン系の点眼薬を両目にさす。回数は1日に4回程度。
・コンタクトレンズの人はめがねに替える。
参考資料:日本経済新聞 2011年2月5日発行のNikkeiプラス1、東邦大学理学部 訪問教授/NPO花粉情報協会 事務長 佐橋 紀男先生監修、小野薬品工業株式会社発行の冊子から抜粋しています。