―「味がしない」は嗅覚障害が原因かもしれません―(味覚障害だけでなく)
秋は、さんま、きのこ、栗、さつまいも、柿など、おいしい食べ物が豊富な季節です。そんな秋の味覚を楽しんでいるとき、
「最近、食べ物の味がよく分からない」
「以前より料理がおいしく感じられない」
「においが分かりにくくなった」
と感じることはありませんか?
実は、食べ物を「おいしい」と感じるためには、舌で感じる味覚だけでなく、鼻で感じる嗅覚 が重要な役割を果たしています。
「味がしない」のは、舌だけが原因ではありません
私たちが感じる「風味」には、甘味・塩味・酸味・苦味・うま味などの味覚に加えて、食べ物の香りが大きく関係しています。
鼻がつまっていると、食べ物から出る香りが鼻の奥に届きにくくなります。 そのため、実際には舌の味覚が保たれていても、
「味がしない」「風味が分からない」「何を食べても同じように感じる」
という状態になることがあります。 風邪をひいたときに、食事がおいしく感じられなくなるのも、その一例です。
嗅覚障害とは?
「においが分かりにくい」「においを感じない」といった状態を嗅覚障害といいます。 嗅覚障害にはいくつかのタイプがあります。
においを感じにくい・感じない
以前は分かっていたにおいが弱く感じられたり、まったく分からなくなったりする状態です。
においを違って感じる
本来とは違うにおいに感じたり、不快なにおいに感じたりすることがあります。
実際にはないにおいを感じる
周囲ににおいの原因がないにもかかわらず、においを感じることがあります。
このように、嗅覚障害は単純に「においがしない」だけではありません。
嗅覚障害の原因はさまざまです
- 嗅覚が低下する原因としては、
- アレルギー性鼻炎・花粉症
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 鼻ポリープなどによる鼻の通り道の障害
- かぜなどの感染症の後
- 頭部への外傷
- 加齢
- その他、嗅覚に関わる病気
などがあります。特に、鼻づまりが強い場合には、鼻の通りが悪くなることでにおいを感じにくくなることがあります。
一方で、鼻づまりがないのに嗅覚が低下している場合には、別の原因が隠れていることもあります。
こんな症状があれば耳鼻咽喉科へ
次のような症状がある場合は、一度耳鼻咽喉科でご相談ください。
- においが分かりにくくなった
- においをほとんど感じない
- 食べ物の風味が分からない
- 「味がしない」と感じる状態が続いている
- 鼻づまりが⾧く続いている
- 鼻水や後鼻漏(鼻水がのどに流れる)がある
- 風邪などが治った後も嗅覚が戻らない
- においの感じ方が以前と明らかに変わった
嗅覚障害では、原因を確認するために鼻の中の診察や嗅覚の検査などを行うことがあります。
嗅覚障害は、原因によって治療方法や経過が異なります。 「そのうち治るだろう」と⾧期間そのままにせず、気になる症状があれば早めにご相談くださ い。
当院では基準嗅覚検査といって実際に基準となる臭素のニオイをにおってもらい、評価をする検査を備えています。