音楽や動画、ゲーム、オンライン会議など、イヤホンやヘッドホンを使う機会が増えています。便利な一方で、長時間の使用や大きな音、耳の中への刺激は、外耳炎や外耳道真菌症、難聴の原因になることがあります。
イヤホンで外耳炎になることがあります
イヤホンを長時間使用すると、耳の中が蒸れたり、イヤホンの出し入れや耳掃除によって外耳道の皮膚が傷ついたりします。そこに細菌などが感染すると、外耳炎を起こすことがあります。
「耳がかゆい」「耳が痛い」「耳だれが出る」「耳が詰まった感じがする」といった症状が代表的です。
また、外耳道の傷や蒸れをきっかけに、カビ(真菌)が増殖する外耳道真菌症を起こすこともあります。強いかゆみや耳だれ、聞こえにくさなどがみられることがあります。耳がかゆいからといって、綿棒などで耳掃除を繰り返すのは逆効果になることがあります。
耳に症状があるときはイヤホンの使用を控え、症状が続く場合は耳鼻咽喉科を受診しましょう。
大きな音にも注意!「ヘッドホン難聴」
もう一つ注意したいのが、イヤホンやヘッドホンで大きな音を長時間聞くことによる**騒音性難聴(いわゆるヘッドホン難聴)**です。
「耳鳴りがする」「音がこもって聞こえる」「会話が聞き取りにくい」などの症状が出ることがあります。大きな音によって内耳が傷つくと、聴力が元に戻らなくなることもあります。そのため、聞こえにくくなってからではなく、日頃から予防することが大切です。
WHOが示す安全な聴取時間の目安
WHO(世界保健機関)は、音の大きさと聴取時間を組み合わせた「安全な聴取」の目安を示しています。
成人では、80 dBで週40時間まで が一つの基準です。(こどもは75dB)
音が大きくなるほど、安全に聞ける時間は短くなります。
- 80 dB:約40時間/週
- 85 dB:約12時間30分/週
- 90 dB:約4時間/週
- 100 dB:約20分/週
また、WHOは個人用オーディオ機器について、最大音量の60%以下を一つの目安として推奨しています。これは「この範囲なら絶対に安全」という意味ではありません。音量をできるだけ下げ、長時間連続して聞かないことが大切です。
耳を守るためにできること
イヤホンやヘッドホンを使用するときは、次のことを心がけましょう。
- 音量はできるだけ小さくする
- 最大音量の60%以下を目安にする
- 長時間連続して使用せず、耳を休ませる
- 騒がしい場所で音量を上げすぎない(ノイズキャンセリングは有効)
- イヤホンを清潔に保つ
- 耳掃除をしすぎない
- 耳がかゆい、痛い、耳だれがあるときは使用を控える
耳のかゆみ・痛み・耳だれ・耳鳴り・聞こえにくさなどが続く場合は、早めに耳鼻咽喉科へご相談ください。イヤホンを「やめる」のではなく、耳にやさしい使い方を心がけることが、将来の聴力を守ることにつながります。