最近の気になるニュース
- 嗅覚をデジタル技術を使って再現
「におい、デジタル化に商機」という記事が日経に掲載されました。においの検知技術の向上で嗅覚をデジタル技術により再現しビジネスにつなげるというニュースです。
日立製作所は油(グリス)の使用期限切れをセンサーで測定、旭化成は酒造りを熟練職人に変わるサービスを提供。五感の中でもデジタル化が難しそうなサービスとして登場しそうです。
日立のシステムはにおい分子に光を当てると振動する特性を活用して、振動で生じる微弱音波をAIを使い解析し、においの濃度や種類を測定。複数のにおいを1つのセンサーで検知でき、また検知したいにおいも変えられるため、工場のガス漏れ、食品工場の品質管理などの用途に活用。
旭化成は清酒の製造支援サービスを行う計画で、においからアルコール度数の変化を読み取り、これを基にタンクに加える水の量を調整。これにより杜氏に変わり発酵具合の確認をすることで熟練杜氏でなくても管理できるということです。
太陽誘電は自走式のセンサーとカメラの組み合わせで工場内の設備点検を行い、ねじの腐食、配線の焦げ付きなどのにおいを感知。いままで人が管理していた潤滑油の劣化、器具の劣化によるガス漏れ、食品工場では腐敗の元などを早い段階で見つけ出すことが可能になりそうです。
その外、コクヨは会議の発話が一定量を下回ると甘い香りを流し、ポジティブな会話を促す、疲れに関する言葉にはコーヒーの香りを流すなどアロマセラピーをAIの使用により、自動化することも考案されているようです。
- 「香害の苦しみ」
「香りの害」についての記事を目にしました。2022年9月3日付読売新聞で「香害の苦しみ対策急いで」という記事です。私たちの周りには、柔軟剤、香りの付合成洗剤、消臭剤、香水、除菌剤など生活用品にさまざまな人工香料が使用されています。この香りで頭痛、めまい、吐き気の症状を訴える人が増えているようです。化学物質過敏症と診断されるケースもあるようですが、まだ発症のメカニズムは不明です。
合成洗剤や柔軟剤に含まれる香料の影響で健康被害を訴える人が増えいるようです。実際に「香害」の影響で、周りの人に理解されず職を失ったり、引っ越しが必要になったりと生活に大きな影響がでている被害者らもおり、人工香料の苦手な人には深刻な問題です。
2021年に柔軟剤などの化学物質による被害と症状を持つ人たちの出会いから誕生した「カナリア・ネットワーク全国」は、2022年10月17日現在会員数579人(https://canary-network.org/)は香りで空気が汚染されて健康被害が広がっていることを知ってもらう活動をしています。
こうした被害の声に厚生労働省や文部科学省などは」公共の場でにおいが過度にならないよう、香害に関する啓発ポスターを作成、注意喚起をしています。ただし、症状を引き起こすメカニズムに未解明な部分が多いとして、被害者の求める販売の規制などには慎重な姿勢を示しています。