※家庭の備蓄品リスト(下記)もご覧下さい。
新型インフルエンザの発生に備えた改正法案が成立した。医師ら約6千人へのプレハンデミック(大流行前)ワクチンの事前接種も決まった。発生に季節を問わない新型インフルエンザに、家庭では今、どんな予防や対策を講じることができるか。備蓄リストとともに点検する。
もし大流行の時は‥・
外出できぬ恐れも食料や医薬品の確保を
「家庭での取り組みとワクチンが新型インフル対策の出発点。万全の準備を」。こう呼びかけるのは、国立感染症研究所の研究員の岡田晴恵さんだ。事前準備が生死を分けることもあるとし、家庭用備蓄チェックリストを作成した=下表。
もし流行したら・空気・飛沫染するため外出が難しい。流行の波がおさまるまで家にこもるための食料や飲料品など約2カ月分の備蓄の必要性を説く。主食の米やめん類、レトルト食品、果物魚、コンビーフなどの缶詰、飲料水、そして糖分の高いジャムや栄養補給食品などだ。「地震や台風は数日間をしのげば、なんとか支援が来る。人々に免疫のない新型インフルの場合は、外出も困難になるから」と岡田さん。感染が広がり、人的・物的支援が期待できない事態が懸念されるという。
家庭看護に詳しい滋賀県立大人間看護学部の山田明教授(臨床ウイルス学)は、「感染の危険性から病院に行けなくなり、家庭看護をすることになる」と話す。医療行為はできないから、主に熱冷ましや水を飲ませることだ。常備薬や解熱剤、水枕、保冷剤を準備したほうがいい。さらに、看護する人が感染しないよう、使い捨てのマスクやゴム手袋、ゴーグル、消毒用アルコール、汚染物廃棄につかうポリ袋も欠かせない=下表。
発生後に製造するハンデミック(大流行)ワクチンが行き渡るまで、こうした備えに基づく家庭看護が重要になる。 備えるべき、殺菌・滅菌の商品や機能性の高いマスクはドラッグストアで入手できる。厚生労働省もホームページで「新型インフルエンザはいつ出現するのか、誰にも予測することはできません」として、・「個人でできる対策」を紹介。その中で、「海外で大流行すれば輸入に制限がかかり、種々の生活必需品が不足する」として、備蓄物品を例示している。
家庭の備蓄品リスト
料品リスト(2か月分がめど)
- 主食の米、切り餅、めん類、シリアル
- 塩、砂糖、しょうゆ
- インスタントラーメン、レトルト食品
- フリーズドライ食品(カレー、おかゆ、みそ汁など)
- 缶詰
- チョコレート、缶ドロップ
- ジャム、栄養補給食品
- ミネラルウオーター、ペットボトル飲料
- スポーツドリンクなど粉末飲料
日用品・医薬品
- 常備薬(胃腸薬、持病の処方薬など)
- 解熱剤(アセトアミノフエン系)
- ゴム手袋
- マスク
- 包帯、ガーゼ
- うがい薬
- 水枕、保冷剤、解熱シートなど冷却用品
- 消毒用アルコール
- 洗剤、漂白剤
- カセットコンロ、ボンベ
- 懐中電灯、乾電池
- トイレットペーパー、ウエットティッシュ
- ビニール袋
その他
- 現金
- 粉ミルク
- ペットフード
- コンタクトレンズ
朝日新聞より