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低音障害型難聴

「飛行機に乗っている時や、車でトンネルに入った時に起こる耳にふたがされたような感じでした。」岩手県の団体職員男性(41)は、最初の異変をそう振り返る。

2001年11月、朝起きると、左耳の閉塞感に気付いた。自分の声も、大きく聞こえる。5日間、様子をみたが改善せず、岩手医大病院(盛岡市)を受信した。

低音障害型難聴

検査の結果、「急性低音障害型感音難聴」と診断された。低い音域のみの聴力が急に低下する原因不明の難聴だ。聞きづらさより、耳の閉塞感や耳鳴りを強く自覚する人が多い。男性も軟調には気付かなかった。確かに、診断直後、趣味の楽器をひくと、低い音が聞きづらかった。

急に起こる原因不明の難聴といえば、突発性難聴が広く知られている。海外では、低音のみの聴力低下も、突発性難聴として扱う国も多いが、日本では長年、区別して診療してきた。
今年まとまった診断基準策定に携わった同大耳鼻咽喉科教授の佐藤宏昭さんは、「低音障害型の難聴と突発性難聴では、改善する割合や再発率が違う」と説明する。

低音障害型難聴の改善率60-80%

いずれの難聴も明らかに効果のある薬はなく、ステロイドなど様々な薬が使われている。改善率は、低音障害型は60%~80%、、突発性は約30%だ。ただ、低音障害型は治りやすい一方で、再発率は30~40%と高い。男性も、いったんは聴力が回復したが、13年秋、再び耳の閉塞感に襲われた。

低音型難聴を引き起こす主な要因

国内の大規模調査では、発症前の状態を調べると、精神的ストレス(52%)、睡眠不足(43%)、疲労(40%)があり、発症の引き金になっていることがうかがえた。

男性にも、思い当たる節があった。最初に起きたときは、職場の人間関係で悩みを抱えていた。眠りも浅く、朝から疲労感に襲われる毎日だった。再発したときは、新規事業を複数担当し、同僚が病気で長期に休んでいた。再発時はすぐに同大病院を受診、今は改善している。

低音障害型難聴は、めまいを繰り返す「メニエール病」と耳の中の状態が似ていることが分かった。どちらも、リンパ液がたまって水ぶくれのような状態になっていた。ストレスや睡眠不足がかかわっているのも共通している。

低音型難聴にならないためには

佐藤さんは「まだ解明されていない点が多い難聴ですが、塩分を控える、睡眠を十分にとる、ストレスをため込まないといったメニエール病患者が注意すべきポイントと同じことを心掛けてほしい」と話している。

杉本クリニックは低音障害型難聴、突発性難聴、めまい、難聴、メニエールなど耳のトラブルの治療を行っています。

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