ご挨拶
院長 医学博士 杉本 一郎
杉本 喜朗
日ごとに、秋らしい風が吹き抜けるのを感じるようになりました。日中はぽかぽかしていても夕方からは急に冷え込み、1日の寒暖差が大きくなる時期ですから、体調管理に留意してください。
例年、この頃になると鼻水や鼻づまりなどに悩まされる患者さんが増えてきます。その原因として、かぜや、イネ科やキク科による秋の花粉症、夏に発生したダニの死骸によるアレルギーなども考えられますが、温度差が大きい時に起きるいわゆる「寒暖差アレルギー」かもしれません。医学的には「血管運動性鼻炎」といい、アレルギーとは関係ない病気です。
症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまりのほか、咳や不眠、食欲不振、倦怠感などが出ることもありますが、発熱はなく、鼻水は透明でさらさらしており、目の炎症や痺みもありません。主な原因は、自律神経の働きが乱れて鼻粘膜の血管が拡張し、鼻腔内が腫れるためと考えられています。自律神経が適正に対応できるのは7℃くらいなので、それ以上の気温差で症状が出やすくなります。
寒暖差アレルギーの対策には、体が感じる温度差をなるべく小さくすることです。外出時は首回り、手首、足首などをしっかりガードし、上着や膝掛けなどを活用してこまめに寒暖差を減らしましょう。ストレスや生活リズムの乱れ、偏食などは自律神経の乱れにつながりますので、生活を見直すことも大切です。風呂にゆっくり浸かる、温かい食べ物を取るなど、ちょっとしたことで症状が緩和することもあります。
症状がひどい場合には、鼻の症状を抑えるための内服薬や、血管収縮作用のある点鼻薬などの治療を行いますので、医師にご相談ください。
今号(2020年秋号)の内容
詳細は「杉本クリニック だより」をご覧下さい。
- 味方にしたい 腸内細菌 その秘められたパワー
- そうだったんだ 体にしくみ
生殖器と遺伝編 - 初めての介護サービス
- お薬百科 医療機関で処方される薬を知ろう
喘息治療薬編 - 月と暦 月の満ち欠けと月の名前
- 一口病気解説
「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」
味方にしたい 腸内細菌
その秘められたパワー
ビフィズス菌や乳酸菌など、腸内細菌の種類は、一説には2万~3万種と考えられており、ウンチ1gあたりに約1兆個の腸内細菌が含まれているともいわれます。今回は、腸と腸内細菌の関係について解説します。
私たちの体には免疫などの防御機能が備わっており、体内に異物が侵入するとそれを認識して排除しようとします。しかし「免疫寛容」と呼ばれる機能があり、異物であっても自分たちにとって有益なものは取り入れるのです。この仕組みによって、私たちは食べ物や腸内細菌を受け入れています。
ヒトと腸内細菌は互いにギブ・アンド・ニアイクの共生関係にあり、ヒトは腸内細菌に住む場所を提供する一方、腸内細菌は、ヒトが胃や腸で分解できないものを分解し、消化吸収を助けています。
腸内細菌の多様な働き?
ひと昔前までは、腸内細菌には健康によい働きをする善玉菌と、有害な物質を作りだす悪玉菌、そして気まぐれによいことをしたり悪さをしたりする日和見菌がいるとされていました。しかしその後の研究で、腸内細菌は善玉と悪玉にはっきりと区別できるわけではないことが分かってきました。生活習慣、食べ物、腸内の環境、腸内細菌の種類の分布状況 (腸内細菌叢)などでその働きが変わることもあるため、今は多様性のある菌と考えられるようになっています。
例えば、「フロストリジウム属」と呼ばれる腸内細菌の一種は、炎症を抑える(抗炎症)物質の誘導に関与していますが、一方で、中には発がん促進物質の産生にも関わる菌があることも明らかにされつつあります。
また最近は、肥満の改善に炭水化物ダイエットがよいという話をよく聞きますが、炭水化物を摂取しないと、腸内ではちょっとした変化が起こります。
炭水化物は腸内細菌の主要なエネルギー源ですが、それが不足すると、腸内細菌は炭水化物の代わりに、腸内の分泌液である尿素や大腸壁から脱落した細胞、あるいは隣にいる腸内細菌などを食べます。それらのたんばく質が分解されると多量のアンモニアのほか、硫化水素、インドール、スカトールなどの毒素が産生され、ウンチも臭くなりますし、消化管機能そのものにも悪影響を与えます。
こんなこともあります。消化管で吸収されにくい炭水化物は「難消化性糖類」と呼ばれ、でんぷんの一部やオリゴ糖、キシリトールなどが知られていますが、腸内細菌はこの難消化性糖類を主要なエネルギーとして生きており、最終的に「短鎖脂肪酸」に変えます。
短鎖脂肪酸は、さまざまな臓器のエネルギー源になるとともに、腸内を弱酸性にして有害な菌の増殖を抑えます。また大腸の蠕動運動を促進し、免疫機能をコントロールします。短鎖脂肪酸を腸内細菌にしっかり産生してもらうためには、難消化性糖類をゆっくり食べることが大切です。
ビフィズス菌や乳酸菌は、数ある腸内細菌の中で、整腸作用や免疫力強化など基本的に有益な菌であることが多くの研究で確認されているため、サプリメントなどに形を変えて普及しています。
腸内細菌をよい状態に保つための方法は?
腸内細菌の種類は数千とも数万ともいわれ、ヒトの腸にはそれらが100兆個以上存在すると考えられています。そしてある菌が産生する物質を別の菌が生育に利用したり、また別の菌の増殖を抑えたりしながら、おびただしい数の菌により1つの集落が形成されています。そうした集まりを「腸内細菌叢(腸内フローラ)」 といいます。
腸内細菌叢における菌の種類の分布が、例えば、快食快便の元気な人と便秘や肥満の人、虚弱な人などでは異なることが分かっています。また、肉食中心の人と菜食主義の人でも、腸内細菌叢は明らかに違います。健康な人の便を適切に処理して移植すると肥満や便秘などが解消されたという報告もあります。つまり、健康な人が持っているような腸内細菌叢にすることで、自分も健康になれるということです。
そのためにはよい働きをしてくれる腸内細菌を増やすための食習慣や生活習慣を心がける必要があります。例えば、ビフィズス菌や乳酸菌を単に摂取するというより、それらが腸内でバランスよく増えるように、工サとなる食物繊維を積極的に食べていただきたいと思います。その際は、生の野菜をたくさん食べるのは結構大変ですから、加熱して全体のボリュームを減らしたり、具だくさんの汁物やスープにしたりすれば十分量を楽に摂取できます。
食材としては、穀類や芋類のほか、きのこ類、豆類、海藻類も食物繊維が豊富です。特にきのこ類や海藻類は低カロリーなので、肥満が心配な人にはお勧めです。これらは「不溶性食物繊維」と呼ばれ、消化管内で水分や老廃物を吸収して膨らみ、便のかさを増やすとともに、腸壁を刺激して腸の動きを活発にしてくれます。なお、市販の野菜ジュースには不溶性食物繊維が少ないことは覚えておいてください。
もう1つは腸の健康を保つことです。腸は栄養を吸収し、それを血流を通して全身に行きわたらせる臓器です。また腸は「第2の脳」ともいわれ、脳と腸が常にシグナルを交わし合って密接に関連しており、腸の不調が心身のさまざまな病気につながることも報告されています。ですから腸を元気に保つことはとても重要ですし、それが腸内細菌に気持ちよく働いてもらう環境を与えることにもなります。
例えば、便を押し出す役割を担う「腸腰筋」を日頃から鍛えておくことも大切です(腸腰筋エクササイズ‥上図)。健康で元気な毎日を送るために、腸トレと食物繊維の積極的な摂取で腸内細菌を味方にしてください。
プロバオティクス・プレバイオティクス・シンバイオティクス
プロバイオティクスは、ヒトの体によい影響を与える微生物やそれを含む食品のことです。ビフィズス菌や種々の乳酸菌、酪酸産生菌、納豆菌、麹菌、あるいはそれらのサプリメントなどです。
一方、プレバイオティクスは、ヒトの健康維持のためによい働きをする腸内細菌の栄養源(工サ)となり、摂取することでそれらの細菌が増えることが確認されている食物成分のことです。代表的なのは、オリゴ糖類や食物繊維です。
そしてシンパイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取すること、あるいはそれら両方を含む飲料やサプリメントのことです。プロバイオティクスとプレバイオティクスを合わせることで、2つの機能がより効果的にとトの健康に有利に働くと考えられており、両者を組み合わせた健康食品が注目されつつあります。
そうだったんだ 体のしくみ
生殖器と遺伝
一つの細胞から分裂して37兆個の細胞に
人間の体は37兆個の細胞からできていますが、もともとは親の卵子と精子が合体した1つの細胞(受精卵)が分裂・成長したものです。
精子は、頭と尾からなるオタマジャクシのような形をしており、頭の部分に核があります。精子の長さは約0・06m(60巴。精巣で作られた精子は、精管を通って、陰茎まで運ばれます。精子を含む精液は1回の射精で3融程度が放出され、その中に2億~3億の精子が含まれています。しかし女性の膣や子宮を通り、卵管までたどり着くことができる精子はほんの一部です。最終的に卵子と受精するのは1個の精子です。
卵子のもとになる原始卵胞は、生まれる時には卵巣内に200万個くらいあります。思春期になると女性ホルモンにより周期的に15~20個が成熟して、卵子として排出されます(排卵)。子宮からは卵管が伸びて、その先端にある卵管采で、卵巣から排出された卵子を受け取ります。原始卵胞は50歳前後で消失し閉経を迎えます。 卵子は卵管膨大部で受精すると、卵管を移動して、子宮に運ばれます(図1)。受精卵は1つの細胞ですが、卵管から子宮に移動する間に細胞分裂をします。受精卵が子宮に着床すると妊娠が成立します。着床しない場合は月経時に体外に排出されます。
親から子への遺伝DNAで伝わる
遺伝とは、親から子へ、体つきや顔、体質などの形質が伝わることです。この時に形質の設計図である「遺伝子」として働くのが「DNA(デオキシリボ核酸)」という物質です。DNAは細胞の中の「染色体」にあります。
細胞の中の核にある染色体は46本で、2本が対になっています。22対(44本)は男女で同じですが、1対は男女で異なり、性染色体と呼ばれています。性染色体は、X染色体とY染色体があり、女性の細胞はX染色体とX染色体、男性はX染色体とY染色体の組み合わせです。卵子とY染色体を持った精子が受精すると、受精卵の性染色体はXYになるので男の子が、卵子とX染色体を持った精子が受精すると、受精卵の性染色体はXXになるので女の子が生まれます。
染色体は、細い糸状の染色体が折りたたまれており、その中にあるDNAは二垂らせん構造をとっています(図2)。2本のらせんの間には2つの塩基が対になって結合しており、ヒトでは約30億個の塩基対があります。この塩基の配列を遺伝情報として、たんばく質が合成され、形質を決定します。
遺伝子からたんばく質が合成する過程で異常が起きたり、遺伝子が変化して正しい情報が伝わらないと、病気を引き起こす原因になることがあります。
遺伝に関する問題が心配な時は
「親が遺伝病といわれた」「高齢出産で赤ちゃんの染色体に異常がないか不安」----。遺伝専門医や遺伝カウンセラーによる遺伝カウンセリングでは、こうした不安に対して正確な情報の提供と心理的、社会的なサポートをしています。遺伝カウンセリングを希望する時は、まずかかりつけの医療機関に相談してください。
初めての介護サービ
監修:早稲田大学人間科学学術院
健康福祉科学科 教授 植村尚史氏
京都大学法学部卒業後、厚生省(当時)入省。内
閣法制局参事官、厚生省保健社会統計課長、社
会保険庁企画・年金管理課長、国立社会保障・人
口問題研究所副所長を経て、2003年4月か
ら現職。著書に『〔図説〕これからはじめる社会保
障』『若者が求める年金改革』など。
家での介護が難しくなる前に
介護には、介護をする人の限界があります。家での介護が始まったら、今後の先行きを考えて、先手先手の対応を考えておく必要があるでしょう。
在宅介護の限界を感じる時
一般的には、立ち上がりや歩行などに介助が必要となる「要介護3」あたりから、介護の負担が大きくなるといわれています。
全てを1人で担うのは大変ですから、介護保険の訪問介護サービスを利用し、ヘルパーに来てもらうなど人の手を借りることで、負担を減らすことができるでしょう。
全面的な介助が必要で、意思の疎通も困難な「要介護5」になると、介護者の2人に1人が1日中介護に携わっています。
実際に、約7割の人がストレスを感じているというデータがあります(図)。
ストレスをゼロにすることは難しいかもしれませんが、対策を講じることで解決できることもあります。
要介護になった時の3つの対策
1人で抱え込まない
「私がなんとかしなくては!」と抱え込まず、介護サービスを活用しましょう。困り事は、その都度ケアマネジャーに相談してください。
息抜きも大切です。介護に全力投球するのではなく、自分の時間を作りましょう。介護者の集いなどに参加するのもお勧めです。悩みを共有することで心の負担が軽くなることもあります。
ケアプランを見直す
状態の変化にケアプランが合わなくなってしまうことがあるかもしれません。体の状態や生活環境が変わった時は、ケアマネジャーに相談し、見直してもらいましょう。
地域密着型サービスが地元にあれば、取り入れるのも1つの方法です。「通い」「泊まり」「訪問」を1つの事業所で展開する小規模多機能型居宅介護施設は、状態が変わっても柔軟にサービスを組み合わせてくれるので、早めに利用しておけば、要介護度が上がった時に慌てることが少なくなります。
事業所によって受け入れ体制が異なるので、よく話を聞いてみてください。
施設入所を視野に入れる
順番を待っている待機者が100人以上の施設も少なくありません。家での介護が難しくなってから検討するのでは間に合わなくなりますので、常に先のことを見据え、ケアマネジャーと相談しておきましょう。紹介された施設があれば、あらかじめ見学をしておくとよいでしょう。
最後に、忘れてはいけないのは、何よりも本人の気持ちが一番大切ということです。日頃から、今後について、どうしたいのかを話し合っておく必要があるでしょう。
医療機関で処方される薬を知ろう!
喘息治療薬編
喘息(気管支喘息)は、気管支など呼吸する空気の通り道(気道)に炎症が発生して狭くなり、息を吐く時に「ヒューヒュー」などと特有の音「喘鳴」がする病気です。
喘息は子どもがかかる病気という誤解があります。たしかに患者数は10歳未満が圧倒的に多いのですが、青年期から高齢まで、どの年齢でも発症する可能性があります。
喘息による死亡は高齢になるほど多く、特に70歳以上で急に死亡率が高くなることが分かっています。
主な喘息治療薬 (注射薬などを除く)とその効果を見ていきましょう。
長期管理薬
●吸入ステロイド(ICS)
喘息という病気のスタート地点である慢性の炎症を抑えるのがステロイドです。軽症から重症まで、全ての喘息治療で最も重要な薬です。飲み薬ではなく、専用の器具で吸い込んで使います。
ステロイドとほかの喘息薬を同時に吸入できる「配合剤」が処方されることも多いので、薬を始める時、薬が変わった時には、医師や薬剤師の説明をよく聞いてください。なお、薬自体や吸入器具の使いやすさには相性がありますので、合わないと感じたら、医師や薬剤師に相談してください。
主な吸入ステロイド単利には、ブデソ二ド(商品名‥パルミコート)、フルチカゾン (フルタイド)、シクレソ二ド (オルベスコ) などがあります。
●β2刺激薬
気管支を広げる薬です。交感神経を刺激して気管支の筋肉の緊張を緩め、気管支を広げて呼吸を楽にします。日常的な発作予防には、長時間効き目が持続するタイプの薬(長時間作用型)が用いられます。吸入薬、飲み薬、貼り薬の3タイプがあります。
主な長時間作用型β2刺激薬には、経口薬として、クレンブテロール (スピロベント)、ツロブテロール (ホクナリン、ベラチン) など、吸入薬としては、インダカテロール (オンブレス)、サルメテロール(セレベント)、ホルモテロール(オーキシス)などが、貼付剤には、ツロブテロール(ホクナリン)などがあります。
●抗コリン薬
神経から分泌されるアセチルコリンという物質の作用を抑えることで、気道を拡張し、痰の分泌を抑えます。発作予防には、長時間作動型の吸入薬が用いられます。主な薬剤には、チオトロピウム (スピリーバ)、グリコピロ二ウム(シーブリ)、ウメクリジ二ウム (エンクラツセ)などがあります。
●テオフイリン薬
気管支の筋肉を弛緩させて気道を拡張する作用のほか、炎症を抑える働きがあります。主な薬剤にはアミノフイリン(ネオフイリン)、テオフイリン徐放剤(テオドール、ユニフィルLA、ユニコン)などがあります。
●ロイコトリエン受容体措抗薬
体内でアレルギー反応を引き起こすロイコトリ工ンの働きを阻害し、気道の収縮を防ぎます。主な経口薬には、プランルカスト (オノン)、モンテルカスト(シングレア、キプレス)などがあります。
●配合薬
使用が簡単な配合薬も多く使われます。喘息には、吸入ステロイドとβ2刺激薬の配合薬や、抗コリン薬とβ2刺激薬の配合薬がよく処方されています。
発作治療薬
喘息の発作が起きた場合、軽症であれば、短時間作動型β2刺激薬の吸入薬を用い、中等症または重症であれば、救急搬送を含め、医療機関を受診します。短時間作動型β2刺激薬の主な薬剤には、サルブタモール (ベネトリン、サルタノール)、プロカテロール (メプチン)、フエノテロール(ベロテック) などがあります。
喘息にかかって気道に炎症が発生した状態が長く続くと、気道の組織が変化して治療しても治りにくくなります。それを防ぐためには、症状が軽くなった時でも処方された薬を使い続け、炎症を抑えることが大切です。
一口病気解説 睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、「睡眠7時間中に10秒以上の無呼吸が30回以上認められるもの、あるいは1時間に無呼吸が5回以上起こり、さまざまな臨床症状が認められるもの」と定義されています。肥満した中年以降の男性で、いびきの常習者に多いといわれていますが、若年層や乳幼児を含めた子どもにも見られます。
睡眠時無呼吸症候群は原因により大きく2つのタイプに分かれます。1つは「閉塞型」 で、気道(咽頭など空気の通り道)が閉塞しているため、呼吸ができなくなるもので、大きないびきをかくのが特徴です。原因は、肥満、扁桃肥大、下顎の発育不全などです。
もう1つは「中枢型」 で、胸の呼吸運動と空気の流れがともに停止するもので、ほとんどの人がそれほど大きないびきでないのが特徴です。原因は、呼吸中枢の障害などです。
いびき以外にも、日中の眠気がひどく会議や運転中などでも眠くなる、熟睡感がない、起床時に頭痛がする、などの自覚症状が出てきます。
診断は、睡眠ポリグラフ検査 (脳波、筋電図、呼吸曲線、眼球運動など) と耳鼻科的診察で確定します。
治療は、肥満の人は減量し、アルコールを摂取していたり睡眠薬の服用がある人は、それらを控えてもらいます。また、気道が閉塞しないよう横向きで寝るようにしましょう。症状によっては、薬物療法や喉の形成手術、マウスピースの装着などを行います。また、重症の人には、経鼻的持続気道陽圧法(CPAP‥睡眠中に鼻マスクをつけ、気道の閉塞を防ぐために陽圧をかける機械) が行われます。
睡眠時無呼吸症候群は、本人だけでなく社会的にも大きな事故につながる危険もある病気です。心当たりのある人は、いびきぐらいで、とためらわず、専門医の診察を受けましょう。いびきは本人では気づきにくいので、周囲の人も気づいたら指摘してあげましょう。
治療を行っています。
杉本クリニックは無呼吸症候群の治療を行っています。お気軽にご相談ください。