若い世代で悩み多く・精神面への悪影響も懸念、薬物治療が普及
主に男性で思春期以降に髪が薄くなる「男性型脱毛症」(AGA)。成人男性の3割が当てはまるとの推計があり、20代、30代を中心に悩んでいる人は多い。精神面への悪影響も懸念され、薬物治療が普及しつつある。
男性型脱毛症
髪の総本数は約10万本。l日に0・3~0.5㍉ずつ伸びる「成長期」が4~6年続いた後、成長が鈍る2~3週間の「退行期」を経て、毛根の奥で新しい髪の毛が成長を始める約3カ月間の「休止期」に入り、古い毛は新しい毛に押し出され、抜け落ちる。
一本一本がそれぞれ、このサイクルを繰り返し、1日当たり100本前後が抜け落ちている。
成長期が短縮
AGAは、成長期が短くなって太く長い毛が減り、細く短い毛が増えることによって進行する。発症の原因とされるのは、男性ホルモンのテストステロンに「5αリダクターゼ」という酵素が働いてできる「ジヒドロテストステロン」(DHT)だ。DHTは毛根を萎縮させるため、成長期が早く終わってしまうと考えられている。
高確率で遺伝
AGAの治療経験が豊富なメンズヘルスクリニック東京(東京・丸の内)の小林一広院長によると、DHTに対する毛根の感受性には個人差があり、感受性が高いとAGAが進みやすいという。
「感受性の差を生む原因の一つは遺伝。親がそうだと、かなり高い確率で遺伝するという報告がある。しかし、それが全てではなく、食生活や運動といった生活習慣、ストレスなど環境要因も関わっているとみられる」と小林院長は言う。
実際、同クリニックを受診した16~72歳の男性的1900人を調べた結果、AGAの発症は父方の家系に薄毛の人がいることや年齢と関連があったほか、肥満とも関連していることが分かった。
酵素の活性抑制
日本皮膚科学会の診療ガイドラインによると、軽症のAGAでは医薬部外品の育毛剤を使ってもよく、それで効果がないときやより症状が重い場合は、外用薬のミノキシジルや飲み薬のフィナステリドによる治療が推奨されている。
ミノキシジルは、毛根で髪の毛を成長させる「毛母細胞」を活性化させる。フィナステリドには、DHTを作り出す5αリダクターゼの活性を抑える働きがある。
もっとも、治療には限界がある。これらの薬にはAGAの進行を百パーセント止めるだけの効果はなく、どれだけ生えるかはやってみないと分からないというのが現状だ。
「患者さんには、最低半年は頑張ってみて、費用対効果で満足できないならやめましょうと勧めています」 (小林院長)
AGAの人の中には「抜け毛のことを考えると居ても立ってもいられない」という人や、髪の毛があるのに「ない」という思いに強くとらわれてしまう人が少なくない。
小林院長は「そのために日常生活に支障を来す場合もある。つらい思いをしているなら、可能性はゼロではないので、試してみてはどうでしょうか」と話している。
- 生活に取り入れたい毛髪をいたわる習慣 頭皮のコンディションを改善する
- 指の暦を使うて丁寧に洗う
- シャンプーを洗い流し、しっかり乾かす
- バランスの良い食事を心がける
- 魚介類、肉類などでタンパク質を取る
- ビタミン、ミネラルなどもバランス良く取る
- ストレスをため込まない
- 適度な運動習慣、趣味などでストレスを発散する
(小林一広院長による)
男性型脱毛症(AGA)の自己チェック
□抜け毛が増えてきた
□家族、親族に薄毛の人がいる
口頭皮が硬い
□同世代より頭髪の量が少ない
□日ごろからストレスを感じている
□睡眠がきちんと取れていない
□食生活が乱れてバランスの良い食事がとれていない
□他の男の人と比べて体毛が濃い
□喫煙の習慣がある
ロ飲酒の習慣がある
※5項目以上当てはまるとAGAの可能性が高い (小林一広院長による)
杉本クリニックはAGAの治療を行っています。お気軽にご相談下さい。
男性型脱毛症は フィナステリドが有効と判定されています。男性型脱毛症の原因物質であるDHT生産を抑制し、抜け毛の進行を抑えます。これを続けることで約90%の患者で抜け毛進行抑制、改善効果が認められています。
まずは来院してご相談ください。内服薬での治療は米国をはじめ60か国以上で承認されています。1日1回の服用です。副作用も軽微で、ほとんどの方は何も感じません。