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杉本クリニックだより Vlo.100

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ご挨拶

杉本クリニック 杉本一郎
        杉本喜朗

 元号が変わって新しい時代に入りました。東京オリンピックまでも1年余り、気持ちも新たに夏を乗り切りましょう。
 さて、生活習慣病の前段階であるメタポリック症候群(メタボ)の要因は、運動不足や「食べ過ぎ」によるエネルギーの過剰摂取だと考えている人が多いと思います。しかし最近では、お菓子やジュースなどに含まれる「砂糖」の取り過ぎがメタボの主な原因となることがわかってきました。
 砂糖の過剰摂取に対しては以前から問題になっており、世界保健機関(WHO)が2015年に、1日に取る砂糖の量は摂取エネルギーの5%未満にするようにとの指針を出しています。これは、小さじ6杯(約24g)に相当する量です。
 日本人は人種的に痩せていてもメタボ状態になるので、砂糖の摂取量を抑えることは重要ですが、「デザートは別腹」というように、甘いものには一種の習慣性があって、控えようと思ってもなかなか難しいものです。
 しかし先ごろ、名古屋大学の研究チームから、甘党には喜ばしい研究成果が、発表されました。「砂糖を取る時間帯を日中の活動時間だけに制限すれば、摂取カロリーが同じでもメタボにつながる脂肪肝や脂質異常症になりにくくなる」ことを、動物実験で確認したのです。ヒトも、体内には糖をエネルギーに変えたり溜めたりする代謝リズムがあることから、同じような作用があると考えられるといいます。つまり、甘いものは日中だけにして夜は取らないようにすることで、食べる量は同じでも、砂糖が健康へ及ぼす悪影響が減らせる可能性があるのです。
 夜食べるのを我慢するだけなら、できそうな気がしませんか。今日からぜひ実践してみましょう。


今号の内容

詳細は「杉本クリニック だより」をご覧下さい

  ・ 水中ウォークで健康づくり
   暑い夏を元気に過ごす!

  • そうだったんだ しくみ
     泌尿器(腎臓、膀胱)の働き
  • めての介護サービス
     家族が急に入院! どうする!?  お金、手続き、情報の集め方
  • お薬百科 医療機関で処方されるろう
     痛風・高尿酸血症の治療薬編
  • なるほど納得! すぐに役立つくらしの科学
     うどんの”コシ”は、どうすれば生まれるの
     ”だし”を入れると、どうして美味しくなるの? 他
  • 一口病気解説
    「外耳道炎」

杉本クリニックだよりは窓口で無料でお配りしています。

水中ウォーキングで健康づくり

 プールなど水の中で体を動かしながら歩く 「水中ウオーキング」。浮力のある中では、腰や膝に負担をかけることなく、運動が苦手な人でも安全に有酸素運動を楽しめます。また、筋力の強化や生活習慣病の予防にも効果が期待できます。水中ウオーキングで夏の暑さを吹き飛ばし、運動不足を解消しましょう。

水に入る前に心と体の準備を入念に

 夏の暑い時期は、クーラーのきいた部屋で過ごす時間が長くなり、運動不足になりがちです。清涼感が味わえる水中での運動は、暑さで滅入った気分をリフレッシュさせてくれるだけでなく、運動不足を解消してくれます。しかも、水の中では浮力が働き、腰や膝に負担をかけずに陸上より楽に歩くことができるのも魅力です。一方で、水の抵抗を利用することで運動量が増えたり、筋力を高めたりするので、エネルギー消費が増え体脂肪を減らすなど、健康づくりに役立ちます。
 まずは、水に入る前に心と体のウオーミングアップを入念にすることが大切です。プールサイドは滑りやすいので、ゆっくり歩きます。初心者は本能的に水に対する恐怖感に襲われやすいので、水に入る気持ちの準備をしましょう。
 次に、ストレッチをして水中ウオーキングの際によく使うふくらはぎや太もも、腕などの筋肉をよく伸ばしておきましょう。水中で突然、筋肉が痙攣するような不意のトラブルを防ぐためにも欠かせません。

短い時間から自分のペースで焦らずゆっくり歩く

 水中ウオーキングの際の水深は、胸の高さあたりが適当です。この時注意したいのは、いきなり水中に飛び込まないことです。ゆっくりと水の中に体を沈めましょう。初めは、水にまかせて体を軽く動かしてください。もし体を動かしにくいと感じる場合は、膝や腰くらいの深さから始めてください。
 慣れてきたら、いよいよ歩行開始です。お腹に力を入れて歩くだけでも運動になりますが、ここではより効果を上げる3つのウオーキングプログラムをご紹介しましよう。
 最初の1往復は、もも上げ歩行です。膝をできるだけ高く上げて、歩幅はあまり広くとらず、足の指をしっかり開いて足裏全体でプールの底を踏みつけるように歩きます。腕は肘を曲げて前後に大きく動かします。
 次の1往復は、横歩き (サイド歩行)へ移りましょう。横向きになり、肩の線が水面にくるくらいに両腕を左右に広げ、横に大きく踏み出します。次に踏み出したほうと逆の足を引き寄せるように両手を下げて立ち上がります。踏み出す時に股関節を開くように腰を落とし、立つ時はなるべく速く立ち上がります。股関節の柔軟性を養うと同時にももの内側を引き締める効果もあります。この動作を繰り返しながら進みます。
 最後の1往復は、逆向き(バック歩行)です。お腹に力を入れて背中で水を押すように歩きます。使うことが少ない体の裏側の筋肉が鍛えられます。
 この3つのウオーキングのほかに、さらに次の2つの運動も組み合わせてみましょう。水中足上げ運動は、プールの壁に片足の膝を曲げて背中を壁につけます。肩まで体を沈めて、もう片方の膝を胸まで引き寄せましょう。これを左右交互に繰り返します。膝の曲げ伸ばし(スクワット)は、プールの浅い所で足を肩幅に広げ、頭の後ろで両手を組みます。ゆっくりと膝を曲げて、膝を伸ばします。これを繰り返しましょう。
 これらのプログラムを組み合わせて、最初は10~15分で休憩を取るようにしてください。慣れてきたら1日に30~40分間を目安に、週4日間ほど水中ウオーキングを続けてみましょう。最初はバランスをとるのが難しいかもしれませんが、次第に楽にできるようになります。焦らずゆっくりと、自分のペースに合わせて週に1~2日から始めてみましょう。

大また速足と、前傾で運動量アップ

 普段、陸上で激しい運動をすると、その運動の強さに応じて心拍数が上昇します。ところが、水中での運動は水の圧力によって低い心拍数でも高いエネルギー代謝を得ることができるのが特徴です。ゆったりした歩行を続けて体調に問題がなければ、少し速く歩いて負荷を上げてもよいでしょう。消費エネルギーが増えます。自分の指先で手首や首のところの血管を押さえ脈拍を測り、1分間に100~120になるようなペースで歩きます。
 ポイントは、大またで少し速めに前傾姿勢を取って腕を大きく振りながら、プールの底をしっかりと踏みつけるように着地します。前傾姿勢を取るとお腹に力が入り、運動量がさらにアップします。前傾姿勢を意識しないと、水の力で上半身が反る形になり、腰痛の原因となりますので、注意しましょう。

 

安全に楽しむために
 〇 心臓や血圧などの循環器系に不安のある人は、前もって医師に相談する。
 〇 かぜや発熱、腹痛など体調がすくれない時は、水に入らない。
 〇 ひどい腹痛や膝痛のある人は無理をしない。
※水中では浮力によって腰や膝など関節への負担が少ないとはいえ、無理をするのは禁物。ひどい痛みがある場合は無理をしない。

水中ウォーキングのメリット
 〇 筋力アップ、バランス感覚も向上。
 〇 運動量を増やして心肺能力アップ、生活習慣病予防にも期待。
 〇 ストレスを解消し、心の健康にも。
 〇 水流で体全体がマッサージされる。
 〇 水の流れや音でリラクゼーション。

 

 そうだったんだ 体のしくみ

 泌尿器(腎臓・膀胱)の働き

泌尿器(腎臓・膀胱)の働き血液を濾過して体液を保つ腎臓

 腎臓は、血液中の不要な水分や成分を濾過して、体外に排出する働きをしています。そら豆のような形をした握りこぶし大の臓器で、脇腹と背骨の真ん中あたりに左右1つずつあります。
 心臓から送られてきた血液は、腎動脈から腎臓に入ります(図)。腎臓の中の毛細血管を通り、フィルターの働きをする「糸球体」 で濾過されます。糸球体は、毛細血管が毛糸の球のように丸まっていることから名付けられました。糸球体で濾過された血液は、尿のもとになる「原尿」と呼ばれます。原尿は尿細管で腎臓・膀胱の位置体に必要なものは吸収され、不要なものは尿として尿管を通って膀胱に入っていきます。原尿は1日に150リットルにもなりますが、実際に尿として排出されるのは1%の約1・5リットルです。
 腎臓の働きが悪くなると、老廃物や余分な水分が排出されないため、体重が増えてむくみ、たんばく尿や倦怠感が起こり、肺や心臓にも悪影響を及ぼします。このような腎臓機能の低下や腎障害が続いた状態が「慢性腎臓病(CKD)」です。CKDが進行して腎不全になると、腎臓の働きを代替する透析や腎臓移植が必要になります。

膜胱は尿を溜め脳の指令で排泄

 膜胱には500ミリリットルくらいの尿を溜めることができますが、尿が200~300ミリリットルくらいになると、尿意を感じてトイレに行きたいというサインが脳に伝えられます。この時膀胱は収縮して排尿の準備をしますが、尿道の周りにある2つの括約筋(内尿道括約筋と外尿道括約筋)が排尿をコントロールします。
 1日の排尿回数は人それぞれですが、一般的に8回以上の場合は「頻尿」といいます。
 男性では尿道を取り囲む前立腺が肥大する(前立腺肥大症)と、尿が出にくくなったり、残尿感や頻尿などの症状が出ることがあります。女性の場合は男性に比べて尿道が短いため、尿道口から膀胱に細菌が入って、膀胱炎になりやすいといわれています。

【健康ばなし】尿漏れの予防に骨盤底筋トレーニング

 自分の意思とは関係なく、尿が漏れてしまうのが尿失禁です。40歳以上の女性の4割以上が経験し、妊娠中や出産直後に経験する女性もいます。
 尿失禁は主に4つのタイプがあります。咳やくしゃみなど、お腹に力が入った時に尿が漏れる「腹圧性尿失禁」、我慢できずに漏れる「切迫性尿失禁」、尿が出にくく溢れ漏れる「溢流性尿失禁」。また排尿機能は正常ですが、認知症や体の機能障害で尿が漏れる「機能性尿失禁」があります。
 このうち「腹圧性尿失禁」と「切迫性尿失禁」の予防には、尿道括約筋や骨盤底筋を強くする骨盤底筋トレーニングは効果があるといわれています(イラスト)。仰向け姿勢や椅子に座った姿勢で、足を肩幅に開きます。全身をリラックスさせた後、肛門や膣だけを強く締めるイメージで5秒間、力を入れます。息を吐きながら力を緩め、リラックスします。これを10回繰り返します。慣れてきたら、力を入れる時間を12~14秒に延ばしてみましょう。

めての介護サービス

家族が急に入院したらどうする!? お金、手続き、情報の集め方

 高齢の家族が突然倒れたら、どうしますか?
 ある日、突然やってくる「介護」 の不安に備えて
 おきましょう。

どんな介護サービスがあるの

介護保険で利用できる代表的な6つのサービス
 介護保険を申請して、要介護・要支援に認定された時に受けられるサービスは、大まかに6種類(図)。特に1~3は利用している人が多く「介護の3大サービス」と呼ばれます。

1.訪問型サービス

 在宅介護を支える最も重要なサービスが「訪問介護」(ホームヘルプサービス)です。ホームヘルパー(訪問介護員)が自宅に来て、食事や入浴、排せつなどの介護(身体介護)、掃除や洗濯、調理などの生活の支援(生活援助)を行います。
 「訪問看護」 では、看護師などが主治医の指示のもとに療養上のケアをします。「訪問入浴」 は、自宅に浴槽を持ち込んで入浴できるサービスです。
「訪問リハビリテーション」 は、リハビリの専門スタッフが心身機能の維持回復や日常生活の自立に向けたリハビリを行います。

2.通所型サービス

 施設に通い、食事や入浴などの介護をはじめ、リハビリが受けられます。通所リハビリテーション(デイケア)は、リハビリのための設備が整った施設で専門スタッフから機能訓練が受けられます。これらのサービスには、送迎も含まれます。

3.短期入所型サービス

 ショートステイと呼ばれる、施設に一時的に入所し、介護を受けるサービスです。利用者の引きこもり防止や家族の介護負担の軽減などが主な目的です。

4.組み合わせ型サービス

 1つの事業所と契約を結び、1~3の訪問、通所、短期間の宿泊を組み合わせたサービスが受けられる地域密着型のサービスで小規模多機能型居宅介護と呼ばれます。スタッフが同じ顔ぶれでなじみやすく、手続きも一括で済むので手間が省けるというメリットも。看護小規模多機能型居宅介護は、医療的なケアが必要な人のために訪問看護がプラスされたサービスです。

5.施設入所

 施設に入所して必要な介護などを受けながら生活できます。代表的な施設が介護老人福祉施設で、通称、特別養護老人ホーム (特養)です。また、医療機関を退院した人が、自宅への復帰を目的としてリハビリを行えるのが介護老人保健施設(老健)です。

6.環境改善型サービス

 車椅子や介護ベッドなど13種類の用具がレンタルできる「福祉用具貸与」、腰掛便座(ポータブルトイレ)など直接肌に触れる5種類の福祉用具を購入できる「特定福祉用具販売」、手すりの設置などの費用を補助する「住宅改修」があります。
 これらの中には、予防を目的とする「要支援」では受けられないものがあります。また、実際にサービスを利用するには、ケアマネジャー(介護支援専門員)にケアプランを作成してもらう必要があります。詳しくは、最寄りの地域包括ケアセンターやケアマネジャーにお問い合わせください。
 ケアプランをはじめ、気になる費用については、今後の回で説明していく予定です。

早稲田大学人間科学学術院
健康福祉科学科 教授 植村尚史氏
京都大学法学部卒業後、厚生省(当時)入省。内閣法制局参事官、厚生省保健社会統計課長、社会保険庁企画・年金管理課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長を経て、2003年4月から現職。著書に『〔図説〕これからはじめる社会保障』『若者が求める年金改革』など。


お薬百科 医療機関で処方されるを知ろう! 

痛風・高尿酸血症の治療薬編
 痛風は、体内で尿酸が多くなり、関節の中で結晶になることで起きます。足の親指の付け根など、手足の関節が腫れて痛む「痛風発作」の痛みは激烈で、「風が吹いても痛い」ことから名前が付いたとされます。発作による痛みは最初の24時間がピークで、1週間から10日程度で治まりますが、再発も少なくありません。
 痛風発作は、尿酸結晶に対処するために白血球が集まり炎症を起こすことで生じます。圧倒的に男性に多く、日本で行われた調査では外来患者の98・5%が男性でした。血液中の尿酸濃度(血清尿酸値、以下尿酸値)が100ミリリットル中7.0mg(7.0mg/デシリットル)を超えると高尿酸血症と呼ばれ、成人男性の2割強が該当します。特に30歳代では3割にも達しているとされています。
 高尿酸血症は、痛風発作の直接の原因だけでなく、腎臓障害や尿路結石の原因になります。また、肥満や高血圧の併発が多く、動脈硬化性疾患の危険度が高まります。
 痛風の発作が起きている時には痛風発作治療薬を用います。また、高尿酸血症については、尿酸値が7.0mg/デシリットルを超えていて痛風発作(痛風関節炎)や痛風結節(耳たぶにできる癌)があるか、発作はないが尿酸値が9.0mg/デシリットルまたは8.0mg/デシリットル以上で腎障害などの合併症がある場合、尿酸値を下げる薬による治療の対象になるとされています。

痛風発作治療薬

痛風発作時の治療には、「コルヒチン」「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)」または「経口ステロイド薬」が用いられます。
 コルヒチンは関節内の尿酸結晶に対する白血球の働きを抑え、炎症やそれに伴う激しい痛みを抑える働きがあるとされます。発作がひどくなってからでは効きにくく、発作時は、早く飲むほど有効とされています。
 非ステロイド性抗炎症薬は鎮痛や炎症を抑える作用により、痛風発作の緩和に有効で、発作が激しくなってからでも効き目を発揮します。ただし、わが国の保険診療上、痛風発作を適応症としている非ステロイド性抗炎症薬は4製剤しかありません。
 消化管出血がある場合など、非ステロイド性抗炎症薬を飲むことができない場合などには、炎症を強力に抑える作用がある経口ステロイド薬が処方されます。

高尿酸血症治療薬

 高尿酸血症の状態が続くと、尿酸結晶の沈着が進み、痛風発作の原因になるだけでなく、腎障害やさまざまな心血管疾患のリスクが高まります。そのため、痛風発作や痛風結節が見られる場合や、尿酸値が著しく高い場合は、尿酸値を6.0mg/デシリットル以下に下げるため、「高尿酸血症治療薬」が処方されます。高尿酸血症治療薬には、「尿酸排泄促進薬」と「尿酸生成抑制薬」があります。
 尿酸排泄促進薬は、腎臓で血液がろ過された後、尿酸が再吸収されるのを抑え、尿酸の排出を促します。尿酸排泄量が低下している場合や、副作用などのため、尿酸生成抑制薬が使えない場合などに用います。尿酸排泄促進薬を使う場合には、尿路結石が生じる可能性が高くならないように、尿をアルカリ性に保つ薬を一緒に処方されることがあります。
 尿酸生成抑制薬は、体内のプリン体を代謝して尿酸に変える酵素の働きを抑えます。尿酸が過剰に作られるタイプの高尿酸血症や、尿路結石がある、高度の腎障害がある、副作用で尿酸排泄促進薬が使えない場合などに処方されます。
 なお、痛風発作が起きている場合には、尿酸値が変動すると発作が悪化することがあるので、原則として高尿酸血症治療薬を使い始めないようにすべきとされています。
 高尿酸血症の改善には、生活習慣の改善も重要です。プリン体を多く含む食品(魚卵、内臓など)や、果糖を多く含む食品(ソフトドリンクなど)の摂取量が多かったり、飲酒量が多い場合は痛風になるリスクが高く、逆にコヒー摂取や適度な運動はリスクを下げるとされています。痛風発作を発症したり、健康診断で高尿酸血症の疑いを指摘された場合は、医師などから生活習慣の改善指導が行われますので、薬による治療とともに生活に取り入れましょう。

ひとくち病気解説 外耳道炎

 外耳道(耳の穴)の皮膚に炎症を起こした状態を外耳道炎といいます。高温多湿の夏ごろに発生しやすい病気です。
 外耳道の入り口近くにできる限局性外耳道炎、外耳道全体に広がるびまん性外耳道炎、カビの一種による外耳道真菌症などがあります。
 極限性外耳道炎は耳垢線が細菌に感染して起こるものです。爪や耳かきで外耳道を傷つけたり、プールや風呂水などの汚れた水が耳に入ったりしたことがきっかけとなって発症します。激しい耳の痛みが特徴で、食べ物をかんだり、耳たぶをひっぱったり押したりしたときに強い痛みを感じることもあります。
外耳道炎 治療としては抗菌薬入り軟膏を塗ったタンポンを外耳道に入れたり、内服の抗菌薬を使ったりします。また、外耳道の入り口が赤く腫れて化膿している場合は、メスで切開して膿を出さなければなりません。膿を出すと痛みは治まります。
 細菌感染のほか、白髪染めなどの薬物による刺激によって、外耳道全体に皮膚の炎症が広がったものが、びまん性外耳道炎です。アトピーや金属アレルギーなど体質的な原因で皮膚に湿疹が起こる場合も、この病気に含めて考えられています。
 耳の痒みや耳の痛みが特徴で、耳垂れ(耳漏)を伴うこともあります。抗菌薬の入った点耳薬や抗菌薬の内服、場合によっては副腎皮質ステロイドの入った点耳薬で治療します。
 外耳道真菌症は強い痒み、耳詰まり感などがあり、耳に軽い痛みがみられることもあります。抗真菌薬の軟膏で治療します。
 外耳道炎は多くの場合、耳掃除の時に皮膚を傷つけることで起こります。耳掃除は医学的な見地からすれば、頻繁にする必要はありません。また耳掃除をする場合は、耳かきで強くこすり過ぎないようにしてください。

 

 

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