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「高齢者担当医」に懸念

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「高齢者担当医」に懸念

高齢者担当医(医療と生活全般についての相談

  • 3ヶ月に1度、診療計画を作成
  • ほかの病院・診療所で処方されたものを含めて服薬内容の点検
  • 年2回以上、患者の日常能力や認知機能を評価
  • 年1回以上、身長・体重の測定や血液・尿検査
  • 診療計画に基づき、服薬や運動、栄養など必要な指導

新医療制度 診療の連帯阻害・検査抑制

75歳以上を対象に4月から始まった後期高齢者医療制度。名称や年金から天引きされる保険料などが不評だが、受けられる医療の中身に変化はないのか。通院治療を受ける慢性疾患のお年寄りを対象に導入された「高齢者担当医」の役割と問題点を探った

「主病一つと限らぬ」

東京都中野区が今月下旬、住民向けに開いた後期高齢者医療制度などの説明会。区内の女性(80)は、新制度について知りたいと参加した。女性は持病の糖尿病で月1度、小平市の内科医院に通う。そこで3月、不整脈の疑いを指摘された。4月に新宿区の循環器専門クリニックを受診。いま確定診断待ちだ。

「高齢者担当医」は、一人の医師が患者の心身を総合的に診ながら、他院の受診状況も把捜して薬の重複がないかなどをチェックしてくれる。だが女性は今のところ、担当医を選ぶつもりはない。「糖尿病と循環器、それぞれの専門医に相談したい」という。後期高齢者医療制度の開始にともなって始まった担当医の仕組みだが、女性のように選ばないのも自由。一方、担当医がいても他の病院や医院を受診するのは自由だ。

担当医が持てる人は限られる。13の慢性疾患の人たち。再診料などと別に月6千円(自己負担600円)の「後期高齢者診療科」が要る。これまで診療費明細に「特定疾患療養管理料」があった人らが主な対象だ。担当医を選ばない患者はこれまでと同様、この管理料が適用される。この管理料なしに別の診療費の組み合わせの場合もある。

患者が担当医を選んだ場合、他の病院や医院では後期高齢者診療科や特定疾患療養管理料が算定されない。厚生労働省が、担当医を「主な病気を診る医師1人(1医療機関)」と定めているためだ。このため、地域の医師会や保険医協会の中には、担当医制に反対の声が上がる。複数の病気を持つ患者を、複数の医師が連携して診ることもあるのに、担当医以外はこの診療料などが請求できないというのが理由の一つだ。

厚労省は「特定疾患療養管理科も主病は一つという考えで、1医療機関しか請求できなかった」と反論する。とはいえ、医療機関の医療費請求がまだ完全電子化(11年度予定)されていないため、複数の医師が重複して管理料を算定していないかチェックは難しい。このため、管理料は複数機関で請求できると誤解している医師も多いという。

兵庫県医師会常任理事の松本卓医師は「そもそも、主病は一つという厚労省の考え方に全く医学的根拠がない」と批判する。「糖尿病と認知症があれば、どちらが主病と決められない。医療機関の連携を破壊するような規則は患者さんのためにならない」

医師が持ち出しも

担当医を持つと、診療に変化はないのか。

症状が安定していれば、生活全体をみてくれる医師は頼りになる。だが急変時は、診療報酬の仕組みのため、この限りでないとの指摘がある。

厚労省通知では、担当医が後期高齢者診療科を算定した場合、同じ月の検査や画像診断、簡単な処置などの費用は原則、定額月6千円の診療科に含まれる。

例えば、ある月の上旬に担当医を定期受診した患者が、同月内に熱とたんが出たと訴え、担当医が肺炎を疑って胸部レントゲンや血液検査を行った場合。定期受診時にこの診療科を算定していれば、肺炎診断のための検査費は定額に含まれ、担当医は別に検査費を請求できない。これらの検査では、通常 、計7千円以上が請求できるという。

例外として公定価格で単価5500円以上の検査は別に請求できる。だがこの単価に達するのはCTやMRIなどに限られる。医院で一般的なレントゲン単純撮影や胸腹部の超音波は当てはまらない。つまり検査が多いと担当医側の持ち出しになる。担当医がいる患者も他院で自由に検査や画像診断ができるため、担当医が持ち出しを嫌って他院に送る例が出るかもしれない、といわれている。

横浜市磯子区で開業し、主に糖尿病患者を診る平尾紘一医師は「糖尿病は軽症でも定期的な検査が必要。月6千円ではそれが十分賄えない。開業医に役割を期待するなら、技術料の部分をもっと評価すべきだ」と話す。

一方、医療費を支払う保険運営団体は、患者のはしご受診や重複検査を防ぎたいと考えている。国民健康保険中央会が06年末に「かかりつけ医」の役割強化を提言したのもこうした思いからだ。提言は、後期高齢者はまず、かかりつけ医を受診し、その医師の判断で必要に応じて医院や病院を受診するーというもの。患者が 直接、大病院に行くのを減らす狙いがある。

田中一哉理事は「いつでも、誰でも、どこでも受診できる現状では、大病院に患者が集中し、医療が必要な他の人にかかわる。受診の自由をある程度制限するのもやむをえない」。高齢者担当医を「かかりつけ医制導入への第一歩」と位置つけている。

75歳以上で慢性病の人の診療費明細の例
今年3月まで 今年4月から高齢医者担当医を選任
○山○男 様

負担割合10%      ○×※医院

再診料 710円 710円
外来管理加算 570円 520円
特定疾患療養管理料 2250円 後期高齢者診療料 6000円
処方せん料 700円 680円
特定疾患処方管理
長期投薬加算
650円
4880円 8560円
自己負担 488円 856円
対象疾患の患者が月1度だけ受診、処方薬は調剤薬局で受け取った場合

 

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