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アニサキスによる食中毒

 サバやサケなどの魚介類を生で食べ、寄生虫→アニサキス」による食中毒にかかるケースが増えている。芸能人らもソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で被害に遭ったことを報告している。腹部に激しい痛みをもたらして開腹手術が必要になるケースもあり、注意が必要だ。

タレントの渡辺直美さんは3月30日、生放送のテレビ番組を欠席した。その後、自身のツイッターで、アニサキスによる食中毒だったと明らかにし、「激痛すぎて(中略)病院で泣きました」と書いている。アニサキスによる食中毒
厚生労働省によると、アニサキスによる食中毒は2016年に124件報告された。06年(5件)の20倍以上だ。実際にはもっと多いとみられ、国立感染症研究所は年間約7000件が発生していると推計する。
アニサキスは本来、クジラやイルカなどを宿主とする。ふんと一緒に海中に出た卵が幼虫になり、オキアミを通してサバやアジなどの体内に入る。それを人間が食べると幼虫が胃壁や腸壁に侵入、アレルギー反応で腹痛や嘔吐をもたらす。胃だと内視鏡で取り除けるが、腸に入ると開腹手術が必要になることもある。
幼虫は体長2~3㌢、幅0.5~1㍉で、太めの白い糸のように見える。学生に天然サバを解剖させている宇賀昭二・神戸女子大教授(感染症)は「4~5割の確率でアニサキスが出てくる」。1匹に100匹以上いることもあり、教室に悲鳴が上がるという。

 冷凍、加熱でOK

近年、食中毒が増えた理由として、大阪市中央卸売市場の奥原潤食品衛生検査所長は「漁港から飲食店などに直送され、消費者が生で食べる機会が増えたため」とみる。
アニサキスは熱に弱い。70度以上で死滅するので、十分に焼いたり煮たりすれば安全に食べられる。酢では死なず、しめサバなどで食中毒になった例もある。
マイナス20度で24時間以上冷凍すれば、食べても問題ない。この性質を踏まえ、欧州連合(EU)は生食用の魚について冷凍を義務づけ、米国は勧告している。
厚労省によると、日本では鮮度低下を防ぐための冷蔵流通システムが整備されており、調理の際に十分注意すれば食中毒を防げるとして冷凍の義務化は検討していない。
具体的には、生食の際に「目視で確認し、除去する」などだ。また、アニサキスは主に内臓に寄生し、鮮度が落ちると筋肉にも広がりやすいことから、「新鮮な魚を選び、速やかに内臓を取り除く」などの対策が有効だとしている。
また、農林水産省によると、養殖物は配合飼料を用いたものが多く、食中毒の恐れは低いという。

  養殖や検査装置

アニサキス対策を進める動きもある。
鳥取県栽培漁業センターは、12年度からサバの陸上養殖を実施。地中を通った海水を使うことで、オキアミや寄生虫の混入を防げるという。担当者は「脂が乗った味わいとともに、安全性もPRしていきたい」と話す。
計量器メーカー「イシダ」(京都市)はアニサキスを青く光らせる検査装置を15年から販売する。大手スーパーから、生食用サンマの販売を始める際に相談を受けて開発。1台約20万円で、スーパーや飲食店などに約1000台が売れた。居酒畠「磯丸水産」などを経営する「SFPダイニング」(東京)も約160店舗の調理場で利用し、「経験の少ないスタッフでも簡単に発見できる」と評価は高い。
食の安全に詳しい有路昌彦・近畿大教授は「量販店や外食チェーンなどは対策を行っており、消費者はあまり神経質になる必要はない。魚の生食は日本の食文化に欠かせず、魅力を感じる外国人観光客も多い。行政は、丁寧に啓発活動を行い、安全の徹底に努めてほしい」と話す。

 2016年3番目に多い食中毒

厚生労働省によると、2016年に1139件の食中毒が発生した。原因物質別ではアニサキス(124件)がノロウイルス(354件)1カンピロバクター(339件)に続き、3番目に多かった。
東京都内で同年に起きたアニサキスによる食中毒21件の調査では、原因の食べ物はしめサバやサバずしに加え、アジやヒラメの刺し身などもあった。
東京都市場衛生検査所が12′〉14年に市場の90魚種750匹を対象に検査したところ、キンメダイやタチウオ、ホッケなど35魚種119匹で見つかった。

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