広島市中区の耳、鼻、喉の専門医、耳鼻咽喉科、アレルギー科、呼吸器内科

杉本クリニック便り Vol.98

  • HOME »
  • 杉本クリニック便り Vol.98

ご挨拶

院長 医学博士 杉本 嘉朗

 謹んで新春のお慶びを申し上げます。皆さまが今年1年をつつがなく過ごされますよう、お祈りいたします。
さて、寒い冬に風呂でゆっくり温まるのはとても気持ちがよいものですが、一方で、この時期には入浴中の事故が増えるので、注意
が必要です。入浴事故の約8割は、健康な高齢者が1人で入浴している時に起きています。公衆浴場などでは発見が遅れてしまうのです。
事故は、脱衣所や浴室内、浴槽内に入った時の温度差による大きな血圧変動や、浴槽から出る時の低血圧などにより、意識障害が起
きて浴槽でおぼれることが多いとみられています。溺水事故以外にも、風呂場で滑って転倒し骨折をした、滑ってぶつかったガラス戸
が割れて傷を負った、シャワーで誤って熱湯をかけてやけどをした、鏡やライトなどの落下物に当たって傷を受けたなどのケースもあります。
入浴事故を防ぐために、次のような工夫をしましょう。
●浴室暖房器具を設置する、入浴の前に浴槽のふたを開けておくなど、脱衣所や浴室を事前に暖める。
●湯温は38℃~41℃くらいで、熱い湯に肩まで長く浸からない。
●湯から出る時は急に立ち上がらない。浴槽の緑や手すりを使いゆっくりと。
●入浴する際は、同居する人がいれば声をかけあう。
●単身者は、浴槽から上がる時に栓を抜く習慣をつけると溺水の予防になる。
●食直後や飲酒後、深夜・早朝の入浴は避ける。1日の中でも血圧の安定しやすい16時~19時頃の入浴がお勧め。
●入浴後に水分を補給する。
また、滑り止めマットはつまずかないようにスペースいっぱいに敷く、浴槽に手すりを付ける、ガラス戸に飛散防止フイルムを貼る、なども簡単にできる安全対策です。


詳細は「杉本クリニック だより」をご覧下さい

今号の内容

  • 健康にお酒を楽しむ秘訣とは 皆で楽しむ・いくつになってもたのしむ
  • そうだったんだ 体のしくみ 脳と神経編
  • 家族が急に入院!どうする?! 初めての介護サービス
  • お薬百科 医療機関で処方される薬を知ろう 抗アレルギー薬
  • 直ぐに役立つくらしの化学 南蛮漬けの魚は、なぜ骨まで食べられるの? 揚げ物調理する際、なぜ油ハネが起こるの?
  • 一口病気解説 「起立性調節障害」

杉本クリニックだよりは窓口で無料でお配りしています。

健康にお酒を楽しむ秘訣とは

お酒は本当に百薬の長?! みんなで楽しむ・いくつになっても楽しむ

 適度な飲酒は、ストレスを和らげ、食事を美味しく、会話を楽しくしてくれます。一方で、過度の飲酒はがんや肝機能障害など病気の原因になり、いわゆるアルコール中毒と呼ばれる依存症も引き起こします。今回は、お酒と健康の関係を知り、上手にお酒を楽しむ方法をご紹介します。
健康にお酒を楽しむ秘訣とは

80歳、90歳になっても晩酌にワインを欠かさないといった元気な高齢者がテレビで紹介されると、うらやましくなります。人に迷惑をかけず、いつまでもお酒を楽しむ方法があれば、ぜひ知りたいと思いませんか。
お酒は飲み過ぎると体に悪いことは明らかです。泥酔は一時的な意識障害を伴いますし、二日酔いではアルコールの影響が翌日まで残っています。連日の大量飲酒で内臓を傷めたり、アルコール依存症(慢性アルコール中毒) になってしまう人も珍しくありません。
では飲酒に適量はあるのでしょうか。厚生労働省は、健康増進キャンペーン「健康日本21」の中で、「節度ある適度な飲酒量」として純粋アルコール量に換算して1日当たり20g程度という数字を示しています。
アルコール換算で20gと言われてもぴんときませんが、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯、日本酒なら居酒屋の1合徳利
1本分、ウイスキーならシングル2杯がこの量に相当します。

飲むと顔が赤くなる人はリスク大

もし自分が、お酒を飲むと顔が赤くなるタイプだという人や、飲み始めた頃は顔が赤くなったが、しばらく鍛えたら強くなったという人は、少し注意したほうがいいかもしれません。
アルコールが体に入ると、酵素の働きでアルコールが代謝されてアセトアルデヒドという物質に変わり、さらに別の酵素の働きでアセトアルデヒドが代謝されて酢酸に変わります。日本人では、このうちアセトアルデヒドを分解する酵素の働きが弱い遺伝子を持つ人が5割近くいて、この人たちは飲むと顔が赤くなる特徴を持っています。特に両親から1つずつ、計2つの遺伝子を持つ人は、アセトアルデヒドの分解能力が非常に低いため、顔が赤くなるだけでなく、飲むとすぐに頭痛や吐き気など二日酔いのような症状が出るため、ほとんど飲めません。

お酒の種類に善玉と悪玉がある?

ところでお酒の種類によって、「健康にいいお酒」や「不健康なお酒」はあるのでしょうか。基本的には、飲んだお酒の種類はあまり関係なく、アルコールの害はアルコールの総量で決まるとされています。
それでも、経験的に複数の種類のお酒を飲む 「チャンボン」だと酔いやすいと感じる人が多いのはなぜでしょうか。この点については、「お酒の種類を切り替えると、先に飲んだ分が感覚的にリセットされてしまうから」だという説もあります。酒飲みにありがちな「都合のよい記憶」のなせるわざかもしれません。
なお、強いお酒は粘膜への刺激が強いため、注意が必要です。空きっ腹にウイスキーのストレートやショートカクテルのような強いお酒を飲むのは、胃のためには控えたほうがよさそうです。

太りやすいお酒ってある?

よく、「ビールは太りやすい」という通説がありますが、本当でしょうか。同じアルコール量あたりのカロリーを比較すると、確かにビールの糖質16.8gで、ワインの約5倍と多いことがわかります。
なお、アルコール1gは約7.1kcalなので、20gのアルコールを含むお酒は、アルコールだけで142kcalあります。アルコールは「エンプティーカロリー」などと呼ばれ、分解されてもエネルギーになるだけで、糖質のように血糖値を上げたり、脂肪のように蓄積されることはありません。しかも、基本的に人体にとっては有害なので、最優先で分解され、エネルギーとして使われてしまいます。 しかし、その分、エネルギー発生のために使われるはずだった炭水化物や脂肪は、使われないことになります。アルコールと糖質の分を合わせたアルコール20g分のピールのエネルギーは約216kcal。これれは軽く一膳のご飯に匹敵します。

お酒と薬、一緒に飲むのはなぜダメ?

「薬を飲む時にはお酒と一緒に飲まない」というルールは広く知られています。でも、なぜそんなルールがあるのでしょうか。正解は、「薬を作る時、お酒と一緒に飲むと体にどのような影響があるかテストされていないから」です。多くの薬はなるべく吸収されやすいように設計されていますが、こうした物質の多くはアルコールがあると、より吸収されやすくなります。その場合、想定されていたよりも血液中の濃度が高くなって、効き目や副作用が強く出る可能性があります。「お酒と一緒に薬を飲むとどうなるかわからないので避ける」のが賢明です。

お酒とつまみ…こんな食べ方は黄信号

お酒の楽しみには食事が付きもの。でも、食事との組み合わせを少し工夫するだけで、健康的な酒飲みになることができます(図)。いくつかポイントを挙げてみましょう。

◎飲み始めに脂っこいものやたんばく質を少し食べる。
「酒飲み」は、少し酔うと飲むピッチが早くなる傾向があります。そこで、飲み始めに脂っこいものを食べると、アルコールが主に吸収される腸への移行がゆっくりになり、酔うペースが下がります。あまり多いとカロリー過多になりますので、少しだけ食べるのがコツです。たんばく質も消化をペースダウンしますので、お酒の種類によっては、チーズ、枝豆などもお薦めです。
◎途中で少し炭水化物を食べる
焼酎のお湯割りやハイボールと刺し身など、炭水化物が少ない飲み物やつまみを食べていると、肝臓はアルコールの分解にかかりきりになるため、血糖値がしだいに下がって空腹感におそわれます。
シメの 「どか食い」を防ぐためには、途中で少し炭水化物をとって、血糖値を少し上げておくとよいでしよう。
◎時々水分を取る
お酒を飲んでいる間、水やウーロン茶などカフェインや糖分を含まない飲み物を飲んでおくと健康的です。お酒には利尿作用があり、水分が失われがちだからです。血管系や肝臓にも負担がかかりますので、水分を取りながらお酒を楽しむのが体の負担を減らすのに効果的です。

まとめ

アルコール量やカロリー、塩分をいちいち気にしていては、お酒を楽しむことはできません。でも一度は飲み方、食べ方を確認して、健康を害さない自分流の飲み方を探るとよいでしょう。また、健康診断を定期的に受け、ダメージがないかどうかを確認することも大切です。


そうだったんだ 体のしくみ 脳と神経編

体のしくみ 脳と神経編

脳は体全体をコントロールする

脳と神経編

神経は、膨大な数の神経細胞が連絡し合う情報ネットワークです。脳と脊髄は「中枢神経」と呼ばれ、全身からの情報を統合し、指令を送っています。司令塔ともいえる非常に重要な場所ですから、脳は頭蓋骨に、脊髄は椎骨に守られています。
脳の重さは体重の2%ほどですが、大脳の表面(大脳皮質) のシワを伸ばすと、新聞紙1枚ほどの大きざになります。たくさんの栄養と酸素を必要とし、心臓から出る血液の約15%が脳に送られ、体全体で使われる酸素の20%を消費しています。
脳は大脳、小脳、脳幹などに分かれています(図1)。大脳は知覚と運動と記憶・思考などの機能、小脳は歩く、走るといった運動協調機能、脳幹は呼吸や心臓の働き、消化など生命を維持するための機能をつかさどっています。
脊髄は脳幹の一部である延髄から、首、背中に続く神経線椎の束で、その長さは40~50cmです。脊髄は脳と体の各部位をつなぐ役割を担っています。
通常、皮膚などの末梢からの情報は「末梢神経」を伝って、脊髄を通り、脳に伝えられます。脳が指令を送ると、それに反応して筋肉などが動きます。ところが、熱いものを触ると手を引っ込めるなどの 〝反射″は、脳ではなく脊髄から直接、手を動かすよう指令が出て、筋肉が収縮し、危険を回避するのです。

脳の解剖

神経は情報をすみずみに伝達

中枢神経からの情報を全身に伝えるのが「末梢神経」の仕事です。末梢神経には、感覚と運動を担当する「体性神経」と、自分の意思とは関係なく働く「自律神経」があります(図2)。
体性神経は、目や耳、鼻、皮膚などの感覚器宮からの情報を中枢神経に伝える「知覚神経(感覚神経)」と、中枢神経から出た命令を筋肉などに伝える「運動神経」に分かれます。
自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、交感神経と副交感神経は相反する役割を持っています。交感神経は、心拍数を増やす、血圧を上げるなど、活発に活動する時や緊張した時に働きます。反対に、副交感神経は体を休める時に働きます。夜になっても交感神経が活性化していると、なかなか寝付けないことになるわけです。

健康話
頭を使いながらの運動で認知症を予防

 誰でも年を取れば、物忘れはするものです。しかし、体験した出来事そのものを忘れてしまう場合、それは認知症によるものかもしれません。中でも多いのは「アルツハイマー型認知症」です。異常なたんばく賃(アミロイドβ) の蓄積で脳の神経細胞が壊れることが原因と考えられています。また脳梗塞や脳出血が原因の脳血管性認知症の場合もあります。
 認知症を治す薬はありませんが、認知症に伴う症状を改善することはできるので、気になる症状がある時は専門医に相談してください。
 認知症の予防には、健康的な食生活や運動習慣、頭を使う活動が大切です。例えばウオーキングをしながら、暗算やしりとりをするなど、2つのことを同時に行うことも脳の活性化に良いといわれています。

 家族が急に入院!?どうする!? お金・手続き・情報

初めての介護サービス

ある日突然やってくる介護

身近な人が突然倒れたら、「これだけは、知っておきたい!」情報をしり、突然やってくる「介護」の不安に備えましょう。

監修:早稲田大学人間科学学術院健康福祉化学科 教授 植村 尚史氏

初めての介護サービス

介護はだれにでも訪れる

「元気に暮らしているから、まだ大丈夫!」などと他人事と思ってはいませんか?
介護につながりやすい代表的な病気はいくつかありますが、すぐに思い浮かぶ「脳卒中」は、介護が必要になった原因の第2位を占めています。また、今や国民の2人に1人が躍るといわれるがんなどで、症状が進んで介護が必要になるケースも。転んだり、階段から落ちたりして骨折してしまうこともあります。そして、実は、介護が必要になる原因の第1位が「認知症」 です(図)。
認知症は、病名ではなく認知機能の障害によって社会生活が難しくなる病気の総称です。代表的なものがアルツハイマー型認知症。
記憶力の低下から始まり、日付や曜日がわからなくなり(見当識障害と呼びます)、程度の差こそありますが、料理の手順やきちんと薬を飲むなどといった、これまでできていたことができなくなります。
認知症になっても、自宅で暮らしていくことができないわけではありません。周りの人の理解があれば、介護サービスを上手に利用して、それまでの暮らしを続けることができます。

利用できる介護サービス

介護サービスは、2000年に誕生した、介護保険制度を利用して受ける公的なサービスです。手続きをして市区町村から認定され
ると、要介護度に応じてサービスを利用できます。
自宅にヘルパーが来てくれる「訪問介護」(ホームヘルプサービス)、施設に通って食事や入浴、リハビリなどのサービスを受ける「適所介護」、デイサービス。「介護老人福祉施設」などに一時的に入所する「ショートステイ」があり、上手に組み合わせれば、介調の負担を減らすことができます。少しでも体の調子がおかしいと感じたら、かかりつけの医師に相談しましょう。
介護が必要になった時の手続きなどの相談は、各市区町村に設置わからない・不詳3.1%された「地域包括支援センター」へ。運動教室などの紹介など、予防から相談に乗ってもらえます。どこに相談したらいいのかわからない時は、役所の介護保険や高齢者福祉を担当する部署へ(市区町村によって名称が異なります)。

ぜひ、話し合っておこう!

介護が必要になった原因

サービスを利用する上で、一番大切なのは、介護を受ける本人の意思です。親などが元気なうちに、どんなことができるのか、一度話し合っておくとよいでしょう。体のことや、飲んでいる薬、食事の好みなども確認しておきましょう。
年をとれば、体の機能が低下するのは、避けられないもの。85歳以上の約6割の人に介護が必要というデータもあります。元気なうちに備えておけば、安心ですね。

お薬百科

医療機関で処方される薬を知ろう 
         抗アレルギー薬編

医師が処方する薬の役割を知っておくと、治療の狙いがよく理解できます。

アレルギーには、体を外敵から守る免疫機能が関わっています。日常生活で浴びる量では有害ではない花粉やホコリに対して免疫機能が働いてしまい、くしゃみや鼻水、涙が出たり、喘息が起きたりします。
アレルギーを起こす物質が体に入ってくると、警報器の役割を果たす「マスト細胞」 のスイッチがオンになり、「メデイエーター」や「サイトカイン」などと呼ばれる伝達物質が放出されます。これらの伝達物質を鼻の粘膜や気管支などが受け取ると、鼻汁やくしゃみが出たり、喘息の発作が起きます。病原菌など本当の外敵が入ってきた時には必要な機能ですが、アレルギーでは、無害
なはずの花粉などに反応してしまいます。アレルギーの治療には、こうした一連の反応を抑える薬物が使われます。

メディエーター遊離抑制薬

マスト細胞からメデイエーターとして放出される物質には、ヒスタミン、ロイコトリ工ン、プロスタグランジンD2、血小板活性化因子、卜ロンボキサンA2などがあります。メデイエーター遊離抑制薬は、マスト細胞安定薬とも呼ばれ、メデイエーターが放出されるのを抑える働きを持っています。
副作用が少なく、特に眠気がないので、花粉症の初期療法に向いているとされます。

抗ヒスタミン薬

抗ヒスタミン薬は、マスト細胞から放出されるメデイエーターであるヒスタミンを鼻粘膜や血管の細胞が受け取る仕組みをブロックします。抗ヒスタミン薬には第一世代薬と第二世代薬があり、第二世代薬は第一世代薬に比べて、服用した時に眠くなる、ぼーっとするなどの「鎮静・催眠作用」と呼ばれる副作用が少なくなっています。
鎮静・催眠作用が強いと、「眠い」という自覚を感じなくても、作業効率が低下する「インペアードパフォーマンス」を引き起こす場合があることがわかっています。第二世代抗ヒスタミン薬の一部は、こうした作業効率の低下も少なくなっています。

トロンボキサン阻害薬

卜ロンボキサンA2はマスト細胞から放出されるメデイエーターの一種で、鼻の粘膜に作用してくしゃみや鼻水などの症状を起こしたり、気管支の収縮を引き起こします。
卜ロンボキサンA2阻害薬には、卜ロンボキサンA2の産生を抑える薬 (合成阻害薬)と、影響を受ける細胞が卜ロンボキサンA2を受け取るのを防ぐ薬(受容体括抗薬)があります。

Th2サイトカイン阻害薬

アレルギーに関わるリンパ球の一種であるTh2細胞は、炎症を起こす働きを持つサイトカインをつくり出します。Th2サイトカイン阻害薬はこのサイトカイン産生を抑える働きを持っています。

ロイコトリエン受容体拮抗薬

メデイエーターの一種であるロイコトリ工ンは、マスト細胞のほか、白血球からも放出され、気管支喘息を悪化させたり、鼻粘膜の血管に働いて、鼻詰まり (鼻閉)を引き起こします。ロイコトリ工ン受容体桔抗薬は、こうしたロイコトリ工ンの働きを抑えるため、アレルギー性鼻炎を合併した気管支喘息や、鼻詰まりがあるアレルギー性鼻炎に対して処方されます。
アレルギーが起こるメカニズムは複雑で、同じような症状でも、同じ薬が効くとは限りません。また、花粉症などアレルギー性鼻炎によく処方される第二世代抗ヒスタミン薬でも、効き目や副作用、ヒスタミンの働きを抑える作用以外の効果などが異なり、また、個人によっても効き方や副作用の出方が異なるため、医師や薬剤師によく相談して、自分に合った薬を見つけることが大切です。

ひとくち病気解説 「起立性調節障害」

小学校高学年から中・高校生に多くみられる病気です。特に何かの病気ではないのに、主に午前中に立ちくらみやめまい、軽い頭痛、腹痛といった不定愁訴を訴えるのが、起立性調節障害です。
多くの場合、朝の寝起きが悪く、目が覚めていても布団からなかなか起き上がれません。起きても緩慢な動作で、午前中は体調不良で疲れやすく、少し動いただけで心臓がドキドキしたりします。学校の朝礼で倒れたり、授業中に気分が悪くなり、保健室で休むこともしばしばあります。しかし、午後になると見違えるように元気になるのが、この病気の最も特徴的な症状です。
症状だけをみると、一見学校を休みたいなどの仮病や登校拒否などと間違われることもありますが、原因は自律神経の切り替えがうまくいかないことにあります。
自律神経には、交感神経と副交感神経の2つの神経があります。普通は2つの神経がスムーズに切り替わり、夜寝ている時は副交感神経が優位になり、朝、起床すると交感神経の働きで下半身の静脈が収縮し、血液が下半身に溜まるのを防ぐという仕組みになっています。それがうまく働かず、血液が下半身に溜まり、脳への血流量が減るためにいろいろな症状が現れるのです。
治療では、主に血圧を上げる薬や自律神経の働きを整える薬が処方されます。同時に日頃から、自律神経の反射を鍛錬することも大事なことです。自律神経を鍛錬するには、入浴時にシャワーでお湯と水を1分ずつ交互に浴びるとよいとされています。皮膚からの刺激が脳の血管に伝わり、2つの神経が交互に働き鍛えられます。
適度な運動も同じ効果をもたらします。運動中は交感神経、休息すれば副交感神経に切り替わるので鍛錬になります。また、早めの就寝で、規則正しい生活リズムで生活するように心がけることも大切です。

耳鼻咽喉科、アレルギー科、呼吸器内科 TEL 082-241-4187 月曜日午前中のみ 9:00~11:30
休診日 日曜日・祝日

PAGETOP
Copyright © 杉本クリニック All Rights Reserved.