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杉本クリニック便り Vol.97

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ご挨拶

日ごとに秋の気配を感じるようになってきましたが、皆様、つつがなくお過ごしでしょうか。秋の味覚の1つにきのこがありますが、近年、消費量は減ってきているようです。しかし低カロリーで栄養豊富な食材ですから、健康や美容のため、日常的に取り入れたい食材です。きのこには主に次のような栄養素が含まれています。

●ビタミンD…カルシウムの吸収を促して骨を丈夫にしたり、免疫の働きを助けたりします。また、循環器疾患のリスクを減らしたり膵臓に働きかけたり、がんに雁患するリスクの低下についての研究結果もあります。きのこでは舞茸や天日干し椎茸に多く含まれますが、最近の干し椎茸の多くは機械によって乾燥させているので、調理前に天日干ししてビタミンDを増やすとよいでしょう。
●食物繊維…血糖値の上昇を緩やかにする、脂肪の吸収を抑える、排便をスムーズにするなどの作用などがあります。
●ビタミンB…エネルギーの生成をサポートします。
●抗酸化成分(エルゴチオネイン)…アミノ酸の一種で、皮膚の老化を抑制する作用が期待されます。
●βグルカン…食物繊維の一種で、免疫機能を高める働きをし、アレルギーの予防・改善効果もあるとされます。
●トレハロース…糖の一種で、閉経後の骨租髭症予防効果などが動物実験で確認されています。
きのこにより成分の含有量は異なりますし、例えば椎茸のレンチオニンやグアニル酸、舞茸のマイタケαグルカンなど、きのこによって特有の成分も確認されていますので、いろいろな種類を食べるのがお勧めです。たくさん入手した場合は、食べやすい大きさに分けて密閉袋に入れ、冷凍するとよいでしょう。
旬の味覚を満喫して、元気に秋をお過ごしください。

今号の内容

詳細は「杉本クリニック だより」をご覧下さい。

  • 自然も安心ではない
    自然・野生に潜む、自然毒にご用心

      杉本クリニック便りVol.97 
  • そうだったんだ 体の仕組み 消化器(口から肛門まで)編
  • ドクターらく朝の健康寄席
    「ミイラから宇宙人まで(胆石)」
  • お薬百科 医療機関で処方される薬を知ろう
    下痢止め/便秘薬編
  • なるほど納得! 暮らしに役立つ科学
    秋になると、葉が黄色や赤色に変化するのはなぜ
    「乗り物酔い」は、どうしておきるのでしょう? 他
  • 一口病気解説
    「耳鳴」

自然も安心ではない

 自然・野生に潜む、自然毒にご用心

自然毒

動物や植物の中には、体内に毒を持ったものがあり、うっかり食べると中毒を起こすことがあります。こうした毒を「自然毒」と呼びますが、ウイルスや細菌、寄生虫による感染性の食中毒に比べると、あまり知られていないのが実情です。しかし、種類や量によっては命を落とす危険もあり、楽しいはずのハイキングや園芸が一転して悲劇の場になることもあります。今回は植物や動物の自然毒について取り上げます。
植物や動物が体内に持つ有毒物質を「自然毒」と呼びます。動植物が自分で作り出す場合と、食物連鎖を通して体内に蓄積する場合があります。ウイルスや細菌、寄生虫を媒介する場合は含みません。
自然毒による食中毒については、まだ知識が十分に広まっておらず、避けられるはずの食中毒が毎年のように発生しています。

自然毒をうっかり食べる事故は毎年起きている

厚生労働省の食中毒統計によると、2007年から2016年までの10年間にキノコによる食中毒は491件発生、1441人が被害を受け、うち3人が亡くなっています。2006年から2015年までの10年間にキノコ以外の有毒植物によって207件、977人が食中毒となり、8人が死亡しています。一方、動物毒では、発生件数のおよそ8割がフグ毒による食中毒で、2016年には17件発生していました。

迷信・都市伝説を信じるな

自然毒に対するさまざまな迷信や都市伝説を信じて口に入れてしまうケースが少なくありません。「木に生えるキノコは食べられる」「ジャガイモは芽だけ取れば大丈夫」などの誤った「常識」は危険です。
自然毒を持つ動植物は、成長の特定の段階だけ毒を持つ場合や、ある種の貝毒のように、普段は無毒なのに環境が変化した時だけ有毒になることもあります。

守るべき鉄則とは

厚労省や日本中毒情報センターなどでは、「食用だと確実に判断できない植物は、絶対に採らない、食べない、売らない、人にあげない」というルールを守ってほしいと呼びかけています。
確実に食べられるものとは、生産農家から出荷され、きちんと流通して食品店で販売されているものや、食用とわかっている種や苗から栽培した野菜、正しい知識を持っている人が収穫したもの、などが該当します。「友人のお裾分け」や「植えた覚えがないけど自分の家庭菜園に生えていた」などといった状況で食中毒が発生した例は少なくありません。

季節の自然毒カレンダー

それでは季節ごとに、間違えて口にしやすい自然毒を紹介します。
サバ(2月頃)
魚のサバは、ヒスチジンというアミノ酸を豊富に含みますが、管理が悪いとヒスタミン産生菌により「ヒスタミン」という物質に変わります。冷凍庫に長期間保存されていた場合や、家庭用冷蔵庫で頻繁に開け閉めして温度変化が激しい場合にヒスタミンの量が増えるとされています。ヒスタミンの量が多いとショック症状を起こすことがあります。
スイセン(3~5月)
スイセンは葉がニラに似ているほか、球根がノビルやタマネギなどに似ているため、春頃、庭などに生えているものを調理して食べ、食中毒になる事例が毎年20~30件発生しています。症状は吐き気、嘔吐、頭痛、低体温などです。
バイケイソウ(5月
4月頃の新芽を出す時期にはギボウシ(ウルイとも呼ばれる)やギョウジャニンニクと似ているため、毎年数件の事故が発生します。有毒成分は植物全体にあり、吐き気、嘔吐、下痢、めまい、血圧低下などを起こします。
トリカブト(5月)
有名な有毒植物ですが、食用になるニリンソウやモミジガサと間違えやすいので注意が必要です。食べるとすぐに唇や舌、手足のしびれ、嘔吐、血圧低下、不整脈、呼吸麻痺などが起こります。
キノコ類(9~10月)
毒キノコの見分け方については誤った迷信が数多くあり、食中毒の原因になっています。例えば次のようなものです。

×縦に裂けるキノコは食べられる
×見かけが地味なキノコは食べられる。派手だと毒キノコ
×妙めたり煮ることで毒が抜ける
×木に生えているキノコは安全
×においがいいキノコはOK

 「道の駅」などでは流通ルートに乗らない持ち込み品が販売されることもあり、注意が必要です。
ギンナン(10~11月)
ギンナンは、多く食べ過ぎると、嘔吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどを起こすことがあります。子どもの中毒例は多く、7個程度で中毒を起こしたケースもあります。
ジャガイモ(春・秋)
ジャガイモの芽にはソラニンという有毒成分が含まれています。ソラニンは皮にも含まれ、また収穫後、光に当てると身の部分にもソラニンが作られます。ソラニンを含むジャガイモを食べると、吐き気、嘔吐、下痢、頭痛などを起こし、死亡例もあります。
フグ(12月)
フグには呼吸を麻痔させる猛毒が含まれることはよく知られています。フグの種類によって毒素を含む部位が異なるため、有資格者が調理したもの以外は絶対に食べないことが大切です。
貝(通年)
貝は、通常は食用になっている種類でも、プランクトンの状況などによって、有毒になることがあります。貝を採る場合は、地元の監視情報を入手してから出かけるようにしましょう。

自然毒を持つ動植物はここで取り上げたもの以外にも数多くあり、厚労省や農林水産省、消費者庁、各地域の衛生研究所がインターネットで詳しい情報を提供しています (下記一覧表)。
もし自然毒による食中毒が発生したら、速やかに医療機関を受診してください。症状が激しかったり、生命の危険があると感じたら、救急車を要請するか救急外来を受診しましょう。119番などで状況を説明して判断を仰ぐとよいでしょう。山中などすぐに医療機関を受診できない場合は、日本中毒情報センターの 「中毒110番」に連絡すると、電話で伝えられる範囲でアドバイスを受けることができます。

●自然毒に関する主な情報サイト
公益財団法人日本中毒情報センター
厚生労働省ホームページ:自然毒のリスクプロファイル
消費者庁:家庭菜園における有毒植物による食中毒にご注意ください(PDF)
農林水産省:知らない野草、山菜は採らない、食べない!(有毒植物に関するまとめサイト)

*情報は更新されることがあるので、常に最新の情報を参照してください。
*URLが変更されたり、情報提供が中断・休止されることがあります。

監修:公益法人 日本中毒情報センター
理事 メディカル・ディレクター 医師・医学博士 奥村 徹氏
つくば中毒110番 施設次長 医薬品安全性情報提供担当 薬剤師 高野 博徳氏
毒情報整備担当 係長・薬剤師 渡辺 晶子氏

日本中毒情報センターは、動植物の毒や、たばこ、家庭用品を含む化学物質、医薬品などにより、実際に事故が発生している場合に限り、電話で一般向けに無料で情報提供をしています。

※中毒110番の電話番号と対応時間は次の通り。
大阪中毒110番(24時間対応) 072-727-2499
つくば中毒110番(9-21時)  029-852-9999

そうだったんだ 体のしくみ 消化器(口から肛門まで)編

食べ物を消化する9mの道のり

消化器系の臓器口から入った食べ物は、そのまま栄養になるのではなく、体の中で細かく分解されて、吸収されやすい形になります。
食べ物は歯で噛み砕かれて小さくなり、20~30cmの長さの食道を通って胃に送られます(図)。食道の中を食べ物がスムーズに通るのは、食道の「蠕動運動」のおかげです。食道の壁にある筋肉が収縮と弛緩を繰り返すことで、食べ物を送り出しています。
胃にたどり着いた食べ物は胃の入り口の「噴門」を通り、1・5Lほどの胃袋の中に入っていきます。すると、噴門にある筋肉は収縮して、胃に入った食べ物が逆流しないようにしています。ところが噴門の働きが悪くなると、食べ物や、胃の中で食べ物を消化する胃液が逆流して食道に流れ込んでしまうことがあります。これが胸焼けの原因になっています。
胃の中では蠕動運動により、胃液と食べ物が混ざり合って、食べ物は粥状になります。2~4時間かけて食べ物が消化され、十二指腸に少しずつ送られます。
十二指腸の長さは約25cmで、指12本分の長さから、この名前が付けられています。十二指腸に食べ物が入ると、膵臓から膵液、胆嚢から胆汁が分泌されます。
吸収されやすい形になった食べ物は小腸に入り、小腸の内側にある絨毛というひだから吸収されます。大腸では水分や電解質が吸収され、残ったものは便として肛門から排出されます。小腸は6~7mもあり、ひだを広げた時の表面積はテニスコートくらいの大きさ。大腸の長さはし5mで、表面積は小腸の半分ほどです。小腸や大腸は表面積を大きくすることで効率よく吸収する仕組みです。

消化酵素の働きで栄養分を吸収

食べ物の栄養素は、さまざまな消化酵素によって吸収されやすい形に変わります。米やパンに含まれるでんぷんは、唾液や膵液に含まれる酵素(アミラーゼ) で麦芽糖という小さい分子に変化します。膵液や小腸から分泌される酵素(αグルコシダーゼ)では、麦芽糖はさらに小さいブドウ糖に変わります。
たんばく質は、胃液中の酵素(ペプシン)や膵液の酵素(トリブシンなど)で小さい分子に分解され、小腸の酵素(ペプチターゼ)でアミノ酸に変化します。
脂質は、胆汁により水と油が混ざるような状態(乳化)になり、さらに膵液中の酵素(リパーゼ)で分解され、小腸で吸収されます。
このように食べ物の栄養分を吸収するには、どの器官もとても大切な役割を果たしています。

ドクターらく朝の健康寄席 「ミイラから宇宙人まで」(胆石症)

 康診断などでよく聞く言葉に胆石というのがあります。胆石とは、胆嚢(右の脇腹の肝臓の裏側にくっついている小さな茄子ほどの袋)の中にできた石(結石)のことで、この胆石のために腹痛(右側腹部痛)や吐き気など、症状が出てくる場合を胆石症と呼びます。
肝臓では消化吸収を助けるために胆汁という消化液を作って、それを胆嚢に貯めて濃縮させ、胆管という管から十二指腸に送り出しています。この胆汁の成分であるコレステロールやビリルビンなどの物質が胆嚢の中で固まって、石のようになってしまった物が胆石です。最近では、約7割以上がコレステロールによる石 (コレステロール結石)なんですね。食生活の変化がこんなところにも現れています。
では、胆石はどんな悪さをするのでしょうか。胆嚢は、胆管を通して胆汁を十二指腸に送り出していますが、胆石は時として胆汁のスムーズな流れを邪魔してしまいます。胆石が胆嚢からの胆汁の流れをせき止めてしまうと、これは猛烈に痛い。強烈な腹痛で七転八倒、これがいわゆる胆石発作です。
また流れの悪いところにはバイ菌がはびこります。胆汁も同じで、流れが悪くなると胆嚢の中で細菌が繁殖し、急性の胆嚢炎を起こしてしまいます。胆嚢炎になると、腹痛や嘔吐、そして高熱が出て、そのうち黄垣が出たり、運が悪いと膵臓炎を併発したり、ひどい時には身体中に菌がまわって(敗血症)命取りになるような事態にもなりかねません。胆石があると胆嚢炎を起こす割合が多くなります。
もう1つ困ったことに、胆石がある人には胆嚢がんの合併が心配されます。胆嚢がんの人を調べてみると、何と7~8割ほどの人に胆石が見つかっているのです。ちょっと嫌なデータですよね。ちなみに、胆石がある人で胆嚢がんになる人の割合は3%程度といわれています。
こうしてみると、胆石なんかないほうがいいに決まってます。胆石はどんどん手術で取っちゃおうって、でもちょっと待ってください。胆石があっても、生涯にわたって何の症状も出ない人も多いのです。「症状もないのに手術は嫌だし」とまあ、これも人情ですよね。
やはり消化器の専門医に相談することをお勧めします。胆嚢がんの合併などを考えると、超音波検査による定期的な経過観察は必要でしょう。また、お腹の中に内視鏡(腹腔鏡)を入れて胆嚢を取ってしまうという腹腔鏡下胆嚢摘出術もあります。これなら開腹せずに済みますね。
胆石はミイラからも発見されたとうほどで、人類にとっては実に付き合いの長いもの(次世代の、理解不能な宇宙人みたいな若者達にもきっとできるはず。若者との付き合いは苦手でも、痛みで救急外来を受診しなくても済むよう、石とは上手に付き合っていきたいものですね。

医療機関で処方される薬を知ろう! 下痢止め/便秘薬編

お薬百科

 

下痢の薬

下痢になると水分やナトリウムなどの電解質を失うほか、栄養を十分に吸収することができなくなります。このため、腸内の細菌や毒素などを早く排出する必要がなければ、下痢止め薬による治療が行われます。

●腸運動抑制薬:腸の異常な動きを抑えて便が腸の中に留まる時間を延ばすことで下痢を改善する薬です。このタイプの薬としては、ロベラミドがよく処方されます。

●収斂薬:腸に到達するとたんばく質と結合して皮膜を作り、腸の粘膜を保護します。炎症を抑え、刺激を受けにくくして腸の動きを鎮めます。タンニン酸アルブミン、次硝酸ビスマスなどがあります。

●吸着薬:有害物質が吸収されるのを防ぎ、過剰な水分を減らすことで下痢を抑えます。下痢の時に処方される吸着薬としては、天然ケイ酸アルミニウムがあります。

●殺菌薬:殺菌薬は、腸の中で殺菌作用を発揮して下痢を抑える薬で、ベルベリンという成分を含む薬剤などが用いられます。ベルベリンは腸内を正常に保つ幅広い働きも持っています。

●生菌製剤:「整腸剤」などとして処方される薬の一種に生菌製剤があります。善玉菌を生きた状態で腸に届け、腸内環境を整える働きがあります。ビフィズス菌や乳酸菌、酪酸菌を含む薬や複数の菌種を配合した薬など数多くあり、症状や目的に合わせて用いられます。

便秘の薬

便秘症に対して処方される主な薬は次のようなものがあります。
●浸透圧性下剤:浸透圧の作用で腸の粘膜から腸内に水分を移動させることで、便を柔らかく容量を増やして排便を促進します。
●膨張性下剤:水分を含んで便の容積を増やし、腸を刺激して排便を促します。
●刺激性下剤:腸を刺激して嬬動を促すことで排便をもたらす薬で、主に弛緩性便秘に用います。痙攣性便秘に用いると症状が悪化する恐れがあるため、服用してはならないとされています。
●副交感神経刺激薬:活動が高まると、胃腸の動きが活発になります。副交感神経刺激薬の中には、弛緩性便秘を適応症とした薬があります。
腸液分泌促進薬:ルビプロストンは慢性便秘症を適応症とした新しいメカニズムの薬で、腸内への腸液分泌を促して便を柔軟にすることで排便を促進します。

過敏症腸症候群の薬

ストレスなどが原因で下痢や便秘、腹痛が繰り返し起きるのが「過敏性腸症候群」です。下痢型か便秘型かによって下痢止め薬または下剤が用いられるほか、次のような薬も用いられます。
●消化管運動調律薬:トリメブチンは、胃や腸の動きが悪い時には動きを促進し、下痢を引き起こすような過剰な運動は抑制します。
●5-HT3受容体拮抗薬:神経伝達物質のセロトニンによる過剰な伝達を抑えることで下痢型の過敏性腸症候群の症状を改善します。下痢型の過敏性腸症候群を適応症とした5-HT3受容体括抗薬としては、ラモセトロンがあります。
●合成高分子化合物:合成高分子化合物のポリカルポフィルカルシウムは、腸に到達すると水分を吸収してゼリー状になって適度に水分を保つため、便秘と下痢のどちらも改善することが可能です。
●抗コリン薬:メペンゾラートなどの抗コリン薬は、腸の運動を抑制し、攣縮(痙攣)を和らげる作用があります。

まとめ

下痢は感染症によるものである場合も多く、また、これまで経験しなかった便秘や下痢が続く場合、消化器のがんなどが隠れていることもあります。症状が激しい時やいつまでも治らない時は医療機関を受診してください。

一口病気解説 耳鳴

外から音が入ってこないのに音を感じるのが耳鳴です。病的な耳鳴には、中耳の貯留液の動く音や、口蓋の筋肉や耳小骨筋の収縮音など体内の音を感じる「他覚的耳鳴」(他者も聞くことができる耳鳴)と、その人だけが耳嶋を感じる「自覚的耳鳴」があり、多くの場合は後者のタイプです。
自覚的耳鳴は外耳や中耳、耳管の障害など耳の病気と一緒に起こります。これを「伝音性耳鳴」といい「ボー」といった低音性の耳鳴を感じます。これは、子どもに多く、虫などの異物が外耳に入っても同様の症状を訴えます。その他、中耳炎、耳硬化症、耳管炎などで起こる場合もあります。
一方、内耳、聴神経、聴覚中枢に障害があり耳鳴を感じる場合は、「感音性耳鳴」といわれます。老人性難聴、突発性難聴、騒音性難聴などから一般的には「キーン」という金属音や、「ジー」というセミの鳴き声のような耳鳴を感じるのが特徴です。耳鳴の大きさや高低、持続時間などは人によりさまざまです。
耳鳴 この他に耳鳴の原因となるものには、低血圧や高血圧など循環器系の疾患、動脈硬化や糖尿病、脳神経系の疾患、さらには薬の副作用、ストレスなど心理的要因、また、疲労などでも発生することがあります。なお外界の音が入らない部屋で耳鳴を感じることがありますが、これは「無響室性耳鳴」といい生理的な耳鳴ですので、心配することはありません。
耳鳴の治療は原因疾患がはっきりしていればその治療が原則となります。しかし、原因を除いても症状が治まらない、原因不明の耳鳴も少なくありません。その場合は対処療法として、薬物療法が一般的です。各種ビタミン薬、代謝改善薬、血管拡張薬、血流改善薬などの服用、麻酔薬の静脈注射や中耳腔への注入を行ったりすることもあります。また、耳嶋を意識し過ぎず「慣れる」ための取り組みを行ったりします。

 

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