広島市中区の耳、鼻、喉の専門医、耳鼻咽喉科、アレルギー科、呼吸器内科

杉本クリニック便り Vol.102

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ご挨拶

院長 医学博士 杉本 一郎

杉本 嘉朗

 あけましておめでとうございます。皆さん晴れやかに新春を迎えられたことと思います。本年もよろしくお願いいたします。
 さて、これからの季節に患者さんが増えてくるのが、花粉症です。くしゃみ、鼻水、目の痺みや充血、涙目、皮膚の痺み、湿疹、喘息様症状など、つらい症状が続きます。それだけでなく、特定の果物や野菜を食べた時に、唇や口の中、喉がイガイガする、痺みや腫れが起きることがあり、それが実は花粉症と関連していることもあります。これを、「花粉1食物アレルギー症候群(PFAS)」といいます。
 花粉-食物アレルギーは、シラカンパ花粉症の人に起きる頻度が高いのですが、イネ科花粉症やスギ科花粉症でも報告されています。花粉のたんばく質と似たたんばく質が含まれる果物や野菜を食べると、抗体反応が起こってアレルギー症状が起きるのです。
 花粉症の人がアレルギーを起こしやすい果物は、サクランボ、リンゴ、モモ、キウイ、メロン、オレンジ、スイカ、トマトなどがあり、野菜のセロリなども同様の反応が起こることがあります。
 たんばく質は熟に弱いので、症状の現れ方にもよりますが、多くの場合は加熱すれば症状が起きずに食べられます。また、口腔内の症状は軽くて済むことが多いですが、時には呼吸困難など重症な全身症状が起きることもありますので、要注意です。特定の果物や野菜でいつも違和感がある場合は、医師にご相談ください。また花粉症の子どもが、特定の果物を食べるのを嫌がり始めたような時には、アレルギーを疑ってみることも必要ですので、受診してください。


今号の内容

詳細は「杉本クリニック だより」をご覧下さい

  • 健康寿命を延ばすための
    検診・人間ドック活用法

  • そうだったんだ 体のしくみ
    感覚器編
  • 初めての介護サービス
    介護サービスを受けるには、どうすればいいの?
  • お薬百科 医療機関で処方される薬を知ろう
    抗血栓薬編
  • 自然とともに暮らす日本の暦
  • 一口病気解説
    「いびき」

杉本クリニックだよりは窓口で無料でお配りしています。


健康寿命を延ばすための

検診・人間ドック活用法

 体を定期的にチェックし、健康状態に問題がないかどうかを確認するのが健康診断(健診)の目的です。
定期健診と人間ドックの使い分けやオプション検査の選び方を知って、健康維持に役立てましよう。
監修:日本人間ドック学会理事長 東海大学名誉教授 国家公務員共済連合会 立川病院名誉院長 篠原幸人氏
 定期健診の日が近づくとお酒を控えたり、結果が届くと開くのが憂鬱ということはありませんか。今回は健診や人間ドックの上手な受診法・活用法を解説します。
 健診には「定期健診(法定健診)」と「任意型健診」があり、企業などに勤めている人は年1回の定期健診を受けることが法律で義務づけられています。自営業やリタイアした人も同様に定期健診を受けることができます。
 一方、任意型健診は、受診者が希望や必要に応じて受けるものです。人間ドックもその1つで、定期健診よりもずっと多い、数十項目から100項目もの検査を行い、全身を詳しくチェックします。
 企業などが行う法定の定期健診では、企業側が全額負担することになっていますが、任意型健診である人間ドックは、原則として自己負担です。ただし、所属する健康保険組合によっては、補助が出る場合もあります。
定期健診は生活習慣病の予防が主目的
 定期健診の検査項目は、40歳以上75歳未満の人が受診できる特定健診の項目が基本になっています。結核や心臓・腎臓などの重大な病気の発見とともに、生活習慣病の前段階であるメタポリック症候群の発見が主な健診の目的です。75歳以上の人が受診できる後期高齢者向け健診についても、引き続き生活習慣病の予防が大切なので、特定健診に準じた検査項目になっています。
 検査は11項目あり、既往歴や自覚症状を除く個々の検査は20項目となります。これらの検査によって、結核、心臓病、腎臓病、貧血、視力低下、難聴などと、メタポリック症候群に関連する肥満、高血圧、糖尿病、肝機能障害などの状態を知ることができます。
人間ドックの検査項目は施設によって違う
 多くの人間ドックでは、全員に実施する基本検査項目と、受診者が追加で選べるオプション検査項目を用意しています。
 日本人間ドック学会と全国の健康保険組合の連合組織である健康保険組合連合会(健保連)は、人間ドックの検査項目を決めています(表1)。項目の中で★印だけが法定の企業健診で行う項目ですから、人間ドックの検査項目がいかに多いかがわかります。
 人間ドック学会が決めた基本項目やオプション項目とは異なる独自の検査メニューを採用している施設も少なくありません。
オプションの選び方
 人間ドックのパンフレットやWebサイトを見ると、何十項目ものオプション検査を示しているところも多く、「この際、受けておいたほうがよいのでは」と目移りしてしまうことも珍しくありません。
 もちろん、自分が気になる項目を選ぶという方法もありますが、日本人間ドック学会理事長の篠原華人氏は「年齢や家族歴(家族が罹った病気)、既往歴(過去に自分が罹った病気)、職歴、社会(生活)歴などの違いにより、受診したほうがよい項目は異なります」と指摘しています。
 とはいっても、自分にどんなリスクがあるのか、どんな検査を受けるべきかを判断するのは難しいので、オプションを選ぶ際には、受診しようと思う施設に事前に相談するとよいでしょう。受付で申し出れば相談窓口を紹介してもらうことができます。
健診やドックは結果を活用することが大切
 ところで、せっかく健診や人間ドックを受診したのに、受けたままで済ませてはいませんか。
 検査で異常が指摘された項目があっても、「まあ大丈夫だろう」「来年もC判定だったら考えよう」などと先延ばしにしないで、速やかに医療機関を受診することが大切です。
 また、何らかの症状(いつもむかむかする、便に血が混じるなど)がある場合には、健診や人間ドックではなく、はじめから医療機関を受診するのが適切です。
人間ドックの目的は早期発見だけじゃない?
 さて、「人間ドックを受診する目的は病気を早期発見することではない」と言われたら驚きませんか。篠原氏は「人間ドックの最終目的は早期発見だけではありません。早期発兄ということはもう病気になっているわけですから。病気にならないようにすることこそが大切です」と述べています。
 もちろん、病気があれば早期発見することは重要ですが、しっかり健康を維持するきっかけにすることが人間ドックの本来の活用法です。ですから、異常があった時はもちろん、異常値がなくても、年齢や職歴などに応じた生活指導を受けることが大切です。
 人間ドックは治療ではないので、原則として健康保険の適用にはならず、全て自費扱いです。脳ドックなど高額な検査項目もあり、オプションの選び方によっては10万円を超えることもあります。しかし、冒頭でも述べたように、所属する健康保険組合や企業によっては、5歳おきの節目受診などの場合に補助が出ることもありますので、よく確認して受診することをお勧めします。


そうだったんだ 体のしくみ
感覚器(見る・聞く・嗅ぐ)編

目はカメラのように形や色を脳に伝える

 目は物の形や色の情報を、光の屈折や反射でできた映像として脳に伝える感覚器です。外から入った光は目の表面の「角膜」を通ります(図1)。カメラの絞りのような役割をする「虹彩」で光の量を調節し、レンズの働きをする「水晶体」はその厚みを変えてピント合わせをします。水晶体の周りの筋肉(毛様体筋)が縮んだり、緩んだりして、近くを見る時は水晶体を厚く、遠くを見る時は水晶体を薄くします。
 老眼は、水晶体の弾力性がなくなり、ピントの合う範囲が狭くなった状態です。また水晶体が濁って光が通らなくなるのが白内障です。
 水晶体を通った光は、眼球の内側でフィルムの役割をする「網膜」上に焦点を結んで像が映し出されます。それが視神経を通って脳に伝達されると、〝見える″ と認識されます。ところが近視では網膜より前で、遠視では網膜の後ろで焦点を結ぶため、像がぼやけて見えるのです。

耳は音からの振動と体の傾きを感知する

 耳は苦の情報を脳に伝える感覚器です。耳に入ってきた吉は、「外耳」「中耳」「内耳」という3つの部屋を通り、「聴神経」を介して脳に伝達され、音として認識されます(図2)。
 外から見える「耳介」は音を集める働きをします。「鼓膜」は外耳と中耳の境にあり、音の波で振動し、中耳にある「耳小骨」という3つの小さい骨に伝えます。細菌やウイルスの感染で中耳炎になると、中耳に液体が溜まって、音が聞こえにくくなることがあります。
 耳小骨では振動の大きさが調整され、内耳にあるカタツムリのような形の「蝸牛」に伝えられます。蝸牛の中にある有毛細胞は音の高さを調べる働きがあります。年をとると、高い音を担当している有毛細胞の働きが悪くなり、高い音が聞きづらくなるのです。 また、内耳には体の平衡バランスを感じる「三半規管」があります。三半規管は半円形の3つの部分に分かれ、中のリンパ液の動きで、それぞれ前後、左右、上下の位置を感知します。めまいが特徴のメニエール病は、このリンパ液が過剰に増えてしまうことが一因です。

 鼻粘膜のセンサーで匂いをキャッチ

 鼻は空気を取り入れる呼吸器の一部ですが、匂いを感知する感覚器でもあります。空気中の匂いの分子を取り込んで、鼻の奥にある粘膜で匂いを感じとり、嗅神経を介して匂い信号として脳に伝わります。鼻粘膜には匂いをキャッチする嘆覚受容体が約350種類あり、1万種類以上の匂いを感じ分けることができるといわれています。 鼻は、目や耳ともつながっています。泣いて涙が出ると鼻水も出
てくるのは、目と鼻がつながっている証拠です。また高いところで耳がツーンとするのは、外耳と中耳の中の空気圧に差が生じること
が原因ですが、この時鼻をつまんだり、つばを飲み込むと、鼻と喉につながっている中耳の 「耳管」が開いて、中耳の空気圧を調整します。


家族が急に入院!どうする!?

初めての介護サービス

お金、手続き、情報の集め方・・・

高齢化ずくが倒れたら、どうしますか?
ある日突然やってくる「介護」の不安に備えておきましょう。

監修
早稲田大学人間科学学術院
健康福祉科学科 教授 植村尚史氏
京都大学法学部卒業後、厚生省(当時)入省。内閣法制局参事官、厚生省保健社会統計課長、社会保険庁企画・年金管理課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長を経て、2003年4月から現職。著書に『〔図説〕これからはじめる社会保障』『若者が求める年金改革』など。

介護サービスを受けるにはどうすればいいの

サービスの利用にはまずは、申請が必要
 介護サービスを利用するには、市区町村に事前に申請し、要介護度を判断する「認定調査」を受ける必要があります(図1)。認定調査の際に、「主治医意見書」と呼ばれる体の状態を申告する書類が必要になるので、かかりつけ医に知らせておきましょう。特にかかりつけ医がいない人は、地域包括支援センターに相談しておくとよいでしょう。
 入院中で、退院後に初めて介護サービスを受ける場合は、担当の看護師に早めに話しておきましょう。入院先に退院支援室や地域医療連携室などがあり医療ソーシャルワーカー(注) がいれば、訪ねてみてもよいでしょう。入院から退院まで2週間から1カ月と短いケースも多く、あっという間です。入院したらすぐに相談しておきたいものです。
要介護度を決めるための認定調査
 介護保険の申請をすると、1週間ぐらいで認定調査員から連絡が入りますので、調査の訪問日を相談してください。
 認定調査では、生活環境をはじめ、生活機能や認知機能、精神・行動障害、社会生活への適応など74項目の聞き取り(基本調査)と、実際に手足の上げ下げやつかまり立ちなどをして体の状態の確認(動作確認)をします。当日は、普段の様子を知っている家族が同席し、ありのままを見せましょう。
 調査結果はコンピューターに入力され、主治医意見書を元に専門家が集まり審査を行います。原則30日以内に、郵便で通知が届きます。要介護度の認定は、心身の状態によって要支援1・2、要介護度1~5に分かれます。
ケアマネジャーを決めてケアプランを作成
 要介護度の認定が出たら、ケアマネジャー(介護支援専門員)を決めます。認定調査の結果に、ケアマネジャーが所属する居宅介護支援事業所の一覧が入っていますので、ここから選びます。インターネットで検索もできます。
 気になる事業所へ電話をかけて空きがあるかどうかを確認したら、実際に介護を受ける人が住む家に来てもらいます。困っていることなどを率直に伝え、〝親身になってくれそうかどうか?″を確認しましょう。話をして納得できたら、事業所と契約を結びます。
 ケアマネジャーが決まったら、「ケアプラン」を作成してもらいます。ケアプランは、介護を受ける人の現状を把握した上で、「生活全般での解決すべき課題」「長期目標」「短期目標」をまとめてもらいます。
 ケアプランができたら、利用する事業所と契約を結び、実際にサービスが始まります。プランは体の状態の変化に合わせて、その都度、見直しを行います。また、要介護認定前でも、サービスの利用は可能です。急を要する場合などは、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してください。


お薬百科 医療機関で処方される薬を知ろう!

抗血栓薬

 健康な状態では、血管を流れる血液は固まることはありません。何らかの原因で血管の中に固まりができてしまうのが「血栓症」、できた血栓が流れて別の場所で血管を塞ぐ状態が「塞栓症」です。
 よく知られている「エコノミークラス症候群」は、長時間動かない状態で血流が悪くなり、足の血管にできた血栓が、急に動かした時にちぎれて流れ、肺の血管などに詰まって起こる塞栓症の一種です。
 血液の流れが悪くなると大きな障害を起こしたり、時には命に関わるので、血栓ができにくい状態にする「抗血栓薬」を使って予防と治療を行います。
 血管が傷ついて血液が漏れるのを防ぐ必要があるとき、出血を止める仕組みは何段階もあって複雑ですが、大きく分けると「血小板」と「凝固因子」 の2つが関わっています。
 このため、抗血栓薬には、凝固因子の働きを抑える抗凝固薬、血小板が集まる仕組みを抑える抗血小板薬、体の中にできてしまった血栓や塞栓を溶かす血栓溶解薬などがあります。ここでは予防的にも用いられる抗凝固薬と抗血小板薬のうち、飲み薬(経口薬)を紹介します。

ワルフアリン(抗凝固薬)

 血液凝固に関わるビタミンKという物質の働きを阻害することで、複数の凝固因子の働きを抑えます。ビタミンKの働きを抑えることで効力を発揮するため、ビタミンKを多く含む納豆や青汁、モロヘイヤ、クロレラ食品などは食べるのを控える必要があります。

トロンビン直接阻害薬

 トロンビン直接阻害薬は、凝固因子の1つであるトロンビンの働きのうち、血液を凝固させる触媒作用を抑える働きがあります。

直接Xa阻害薬玩凝固薬

 直接Xa阻害薬は、トロンビンが作り出されるのを抑制し、血液凝固を防ぐ薬です。

アスピリン(抗血小板薬)

 解熱・鎮痛薬であるアスピリンには血小板凝集を抑制する作用があり、鎮痛薬よりも少ない用量で抗血小板薬として広く用いられています。

ADP受容体阻害薬(抗血小板薬)

 血小板の凝集を引き起こすスイッチの1つである「ADP受容体」の働きを阻害する薬です。アスピリンとは別のプロセスに関与する薬であるため、より強力な抗血小板作用が必要なときはアスピリンと併用される場合もあります。

その他の抗血小板薬

 このほか、シロスタゾール、イコサベント酸エチル(EPA)、ベラプロストなどが抗血小板作用を持つ薬として用いられています。抗血小板作用に加えて、シロスタゾールは血流量増加作用など、EPAには血清脂質低下作用など、ベラプロストには血管拡張作用などがあり、他の疾患や症状にも用いられています。
 抗血栓薬は「飲めば安心」という薬ではありません。血液が固まらないようにする薬ですから、逆に出血しやすくなることがあります。また、いったん出血すると血が止まりにくくなってしまいます。
 このため、抗血栓薬による治療では、血栓・塞栓が作られず、出血も起きないように、慎重にバランスをとって投与されます。もし抗血栓薬による治療を受けることになったら、決められた量や回数、うっかり飲み忘れた時の対応や、手術や抜歯など出血の可能性のある治療予定時の対応、一緒に飲んではいけない薬や食べ物、控えたほうがいい生活習慣などについて、医師や薬剤師の指示を正しく守ることが大切です。


一口病気解説 いびき

 いびきがひどいと、家族から嫌がられたり、旅行先などでも身の縮むような思いをすることもあります。そのような精神的苦痛だけならば、我慢すればよいのですが、時にはいびきの陰に病気が隠れていることもあるので、注意が必要です。
 とりわけ注意が必要なのは睡眠時無呼吸症候群 (SAS)です。一晩の睡眠中に10秒以上の呼吸停止が30回以上起きる、または睡眠時間1時間当たり無呼吸が5回以上ある場合に診断されます。睡眠時無呼吸症候群の患者さんは、眠っていても体が休まらないので、日中に眠くなることが多かったり、朝、頭痛や肩凝りが激しくなったりします。また、高血圧や心臓・脳の血管障害も伴うこともあるので、早期に医師に相談しましょう。
 このほか、往復いびきと呼ばれるタイプや聞きづらいいびきにも何らかの病気が隠されていることもあります。この場合も医師に相談してみてください。ほかに心配される疾患では、副鼻腔炎、鼻炎、一局桃肥大などがあります。
 いびきは、太り過ぎで起こることも多いのです。顎や首の周囲の賛肉によって、気道を圧迫して狭くするため、いびきが起きている可能性もあります。太り過ぎをなくすことは、単にいびきのためばかりではなく、全ての面での健康に結びつきますので、肥満傾向の人には減量をしましょう。また、就寝前のアルコールの飲み過ぎにも注意してください。
 このようにいびきの原因が、本人の生活習慣にかかわることも少なくないため、不健康と思われる生活習慣を取り除いてみるのも、いびきを治すことに限らず大切なことでしょう。
 なお、いびき専用のマウスピースや鼻マスク、手術など治療法はいろいろありますので、医師と十分に相談してください。

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