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見逃さないで「うつ病」のサイン

不眠になったら精神科・診療内科・かかりつけ医へ

今や15人に1人は「うつ病」を経験するといわれる時代。日常でも「うつ」という言葉をよく耳にするようになりました。ストレス社会のなかでますます増え続ける「うつ病」について、精神科医の山中祐介先生(広島市医師会副会長)にお話をうかがいました。

◆どのような症状を「うつ病」というのですか?

cupple「感情障害」、「思考障害」、「意欲障害」の3つが、「うつ病」の主な精神症状となり、さらにこれに全身倦怠感などの身体症状が加わることもあります。精神症状を感じずに身体症状だけが表に現れる「うつ病」を「仮面うつ病」と呼びます。肩こりや頭痛が長引いて、種々の治療をおこなっても治らないときには、実は「うつ病」が隠れていたということもあるのです。

◆憂うつな気分と「うつ病」はどのような違いがあるのですか?

「うつ病」にも様々な病態があるため、判断は難しいのですが、落ち込んだ気分が数週間から数ヶ月間続く場合は「うつ病」と考えられます。また、「うつ病」には日内変動という生活リズムの障害があります。通常の生活リズムは夜間の睡眠によってエネルギーを貯めるため、午前中は調子が良く、徐々にエネルギーがなくなるというリズムですが、「うつ病」になると朝は調子が悪く、午後から調子が出始め、夜には好調となり、かえって不眠になってしまうという悪循環に陥ってしまいます。

◆どのようなことが原因となるのですか?

「うつ病」の原因は、脳内のセロトニンが分泌異常を起こす脳の機能障害であり、心の病気というよりも脳の病気といえます。セロトニンの分泌異常が起きるのは、リストラや離婚など色々なストレスが引き金となることがあります。ショックなことだけでなく、プレッシャーや環境の変化にも大きく影響されるため、「昇進うつ病」「引っ越しうつ病」「荷おろしうつ病」と呼ばれるものもあります。

◆どのような人が「うつ病」になりやすいのですか?

年齢的には中高年(50~60代)と青年前期(20代)が多く、性格は、「メランコリー親和型」と呼ばれる、きまじめでスケジュール通りに行動しなければ気のすまないタイプの人がなりやすいといわれています。周囲への気配りにとてもエネルギーを使う人、他人の意見が気になる人なども当てはまります。そのタイプの人は、仕事が順調に運んでいると能力を発揮しますが、スケジュール通りに進まなかったり、途中で別の仕事を頼まれたりすると、自分に負荷がかかりすぎて対処ができなくなることがあるのです。

<「うつ病」になりやすいタイプ>

  • 責任感が強い
  • 凡帳面
  • 仕事熱心
  • 正義感が強い
  • 約束を守る
  • 周りの人に気配りができる
  • 中高年(50~60代)、青年前期(20代)

◆「うつ病」かな?と思ったらどうしたらいいのですか?

気分が落ち込んでしまって、いつまでも回復しなかったリ、不眠の症状があれば、ひとりで悩まず早めに精神科.心療内科・「かかりつけ医」を受診しましょう。近年、リストラなどの社会的要因がますます増えているために、「うつ病」にかかる人の数も飛躍的に増えています。精神科.心療内科の数も増加していますし、「かかりつけ医」の精神科診療技術も向上してきています。

◆「不眠」だけでも受診したほうがよいのですか?

fumin「うつ病」の人はほとんどの場合、不眠の症状を伴っています。「入眠障害」「中途覚酉引「早朝覚醒」という不眠の症状(下参照)があると、日中に眠気が残る、朝ふとんから出られないなどの症状が続いて、心身ともに疲労困焦してしまいます。不眠の症状だけでも、「かかりつけ医」または精神科・心療内科などを受診して、つらい症状を早めに解消するようにしましょう。

<不眠の症状>

入眠障害……寝付きが悪い
中途覚醒……途中で日が覚める
早朝覚醒……早朝に目が覚める

以上のような症状があれば、医療機関を受診しましょう。

◆どのような治療をするのですか?

「うつ病」の治療は、しっかり休養をとることと、薬物療法の2つが柱となります。初回受診時にカウンセリングを希望される方もありますが、カウンセリングは患者さん本人が大変エネルギーを使うため、病気がある程度安定したときに、再発予防という意味でおこなう方が効果的なのです。薬を使うことに抵抗がある人もいますし、きまじめな性格の人は休養をとることが悪いことのように思う傾向がありますが、まずはゆっくり休み、薬を正しく飲むということを実行するのが回復への近道です。

◆家族や周りの人はどのような対応をしたらよいのですか?

まずは「うつ病」という病気を理解することが大切です。正しく理解していないと、怠けていると非難をしたり、逆に励まし過ぎてしまったりして、患者さんをますます苦しめてしまいます。しっかり休める環境をつくってあげて、きちんと薬を飲むように見守ってあげるようにしましょう。

最も注意が必要なのは、「自殺をさせない」ということです。「うつ病」の場合、最も落ち込んだときには死ぬ気力もなくなるのですが、少し回復してきたときに、それまでの悪い状態を思い出したり、先行きに不安を感じたりして、自殺こ至ってしまうこともあります。また、本人が自覚していなくても、家族や周りの人が異変に気づくこともあります。本人は「頑張ろう」という意識が強いので、無理に出勤しようとして吐き気などの拒否反応が起こることもあります。そんなときには周りの人が気づいて、「ちょっと病院に行ってみようよ」と声をかけてあげることも大切です。

<「うつ病」自己チェックリスト>

寝付きが悪い、途中で目が覚める
これまで楽しんでできていたことが、楽しめなくなった
以前は楽にできていたことが、今ではおっくうに感じられる
毎日の生活に充実感がない
自分が役に立つ人間だと思えない
わけもなく疲れたような感じがする

複数の症状が2週間以上、毎日続いていて、毎日の生活に支障が出ている場合は、「うつ病」の可能性があります。

◆うつ病と疾患

Q.うつ病と他の病気に関係はあるのですか?

A・大いに関係があります。まず病気の症状としてうつ病がみられるものがあります。うつ病が直接の原因になる病気は少なくても、うつ病と関係の深いストレスが原因になる病気は数多くあります。

Q・症状としてうつ病がみられるのはどのような病気ですか?

A.甲状腺や副腎のホルモンの異常を起こす病気(橋本病、クッシング症候群など)、膠原病(関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど)、脳神経系の病気(脳卒中リマ-キンソン病、アルツハイマー病など)などでうつ病を合併することがあります。この場合、陰に隠れたもとの病気を見逃さないことが大切です。

Q.ストレスが原因になる病気はどのようなものですか?

A.代表的なものだけでも、糖尿病、バセドウ病、高血圧症、胃・十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群などがあります。薬物療法の進歩により、最近は生活指導が軽視されがちですが、病気に影響するストレスを見極め、適切な対処法を見つける努力は決して無駄ではありません。

Q.糖尿病とストレスに関係があるとは意外ですが。

A.ストレスは身体のホルモンのバランスに影響を与え、血糖値が上がりやすくなります。またストレス解消の手段として、つい食べすぎてしまうのはよくあることです。糖尿病の患者さんの2-3割はうつ病を併発しているといわれます。糖尿病にうつ病を合併しているときは、むしろうつ病の治療を優先することで、血糖値も自然に良くなることが期待できます。

社団法人広島市医師会発行情報誌キラリより

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