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手軽な大衆薬思わぬ副作用

処方薬と同一成分も/張り薬に注意

秋の深まりとともに肌寒い日も増え、風邪をひいた時など、医師の処方なしに薬局・薬店で手軽に購入できる一般医薬品(大衆薬)の世話になる機会も増えることだろう。大衆薬はそれほど強力ではなく副作用も小さいと考えがちだが、医療用医薬品(処方薬)と同じ成分が入っているものもあり使用にあたっては注意が欠かせない。

三十代女性のKさんは頭痛のときには決まって同じ大衆薬をドラッグストアで買って飲んでいる。ただ、服用するといつも唇のあたりが赤くなるのが気になっていた。病気の症状だと思っていたが、医師に話すと大衆薬の副作用による薬疹(やくしん)であることがわかった。

“説明書必ず読んで”

大衆薬は「OTC薬」とも呼ばれ、通常、病気のかかりはじめに利用する。風邪の初期、軽い頭痛、食べ過ぎ、下痢など急性だが比較的軽い病気で使うのに向くとされる。テレビCMなどで目にする風邪薬や胃腸薬の多くは大衆薬だ。購入者の判断で使うことになるため、安全性を重視して成分や分量が明記してある。誤った使い方をすれば副作用につながる。

購入時には薬剤師に相談するのが前提だ。持病や使用中の薬がある場合、医師と薬剤師にきちんと話す。大衆薬に医師の処方した薬と同じ成分が入っていれば、服用量が多すぎて副作用のリスクが高まる恐れがあるからだ。まれなケースとして、健康食品の中に薬の効果に影響するものもあるため、普段、食べている健康食品も薬剤師などに伝えた方がよい。

薬の説明書である添付文書にも必ず目を通そう。「使用上の注意」や「相談すること」「してはいけないこと」などが業界の統一マークで目立つように書いてある。用法・用量を守り、症状が良くなったり飲んでも変化がなかつたりしたら使用をやめる。 製薬会社の業界団体、日本OTC医薬品協会の西沢元仁常務理事は「漫然と長期利用しないのが重要」と指摘する。あまり気づかないが、風邪薬の添付文書には「5ー6回服用しても症状が良くならない場合」は医師・薬剤師に相談するように書かれているものもある。

中高年が利用する大衆薬の代表例は湿布薬など外用消炎・鎮痛剤。一兆一千億円といわれる大衆薬市場の売れ筋だ。内服薬の副作用ばかりに目がいくが、湿布薬でも、お年寄りがまれに胃痛を起こす例などが知られている。

“相談相手の薬剤師を” かぶれ・薬疹多く

「皮膚科を受診する患者の六%は大衆薬のトラブル」-し浅井皮膚科クリニック(横浜市保土ヶ谷区)の浅井俊弥院長はこう説明する。塗り薬や張り薬など外用剤ではかぶれ、飲み薬では薬疹などの報告が多いという。

皮膚の副作用でよく知られているのは「アリルイソプロピルアセチル尿素」。頭痛薬や生理痛薬などに含まれ、薬疹を引き型しすことがある。冒頭のKさんのように、こうした薬を飲むと決まったところが赤くなる女性などもこれに該当する。張り薬では湿布薬に含まれるかゆみ止め成分「クロタミトン」が、かぶれを引き起こすことがある。浅井院長は「大衆薬には思わぬ成分が入っていることがあるので注意を」と呼びかける。

日本臨床皮膚科医会が会員を対象に調べたところ、大衆薬による副作用三千二百三十二例のうち、内服によるものが百二十五例。外用剤が三千百七例。接触皮膚炎や手湿疹の症状が多かった。利用者が治療薬の選択を間違って皮膚障害が起きたケースも二百三十例あった。四人中三人は薬剤師と面談せずに買っていた。

「薬剤師などに相談しながら、正しく使わなければ重篤な副作用が出たときに公的な補助を受けられない」と慶応大学薬学部の望月眞弓教授は警告する。大衆薬で重い副作用が表れ、入院したり障害が起きたりした場合には「医薬品副作用被害救済制度」で給付を受けられる。だが不適正な使用や入院が不要な軽度の場合は対象外。万一に備えて、申請時の証明のために薬のパッケージや購入時のレシートを保管した方がよい。

大衆薬では、水虫の薬などで処方薬と同じ成分の入った「スイッチOTC薬」も増えている。政府は医療費を削減するために三割自己負担の処方薬から全額自己負担の大衆薬に切り替えを促そうと、大衆薬の対象を広げている。

製薬会社にとっても一世代前の処方薬成分を大衆薬に転用できれば、ビジネス上の利点が大きい。大衆薬の増加にはますます弾みがつきそうだ。自らの判断による健康管理を推進する非営利法人、セルフメディケーション推進協議会の村田正弘専務理事はFかかりつけの信頼できる薬剤師を作るとよい」とアドバイスしている。

大衆薬使用上のポイント

  • 添付文書やパッケージに目を通す。 マークのある部分は特に注意
  • 購入時に薬剤師に説明を求める。使用中の薬や持病を伝える
  • 何でも相談でき信頼のおける薬剤師を持つ
  • ほかの薬と飲みあわせしない
  • 用法用量を守る
  • 漫然と使い続けない
  • 薬疹など副作用は自分で判断できない。異常があれば服用をやめて相談・受診する
  • 薬の購入年月日を記録する
  • 万一のために薬のパッケージやレシートを保管

日本経済新聞 2008/09/21健康欄より

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