広島市中区の耳、鼻、喉の専門医、耳鼻咽喉科、内科、呼吸器科、アレルギー科

STD(性感染症)

女性が知っておきたい性感染症の豆知識

広島市医師会理事  正岡 亨先生 (産婦人科)

自分には関係ないと思いがちなSTD(性感染症)ですが、最近は若い女性の間でひそかに増えてきています。不妊症などの原因ともなり、女性にとっては将来にまでつながる問題であるSTDについて、広島市医師会理事正岡先生(産婦人科)にお話をうかがいました。

◆STDとはどのような病気ですか?

STDとはSexuaL Transmitted Diseaseの略で、いわゆる性感染症のことです。性体験の低年齢化によって、若年者への感染が急速に増えています。また、最近はビデオなどの影響で性行為のスタイルが多様化したため、性器だけでなく、目、口、肛門などへの感染も珍しくなくなってきました。

◆どのような性感染症があるのですか?

coupleエイズ(Dr.QA参照)をはじめ、STDにはいくつかの種類があります。その中でも近年は男女ともにクラミジアが最も多く、淋病、性器ヘルペス、尖圭コンジロームも増加しています。梅毒も決して過去の病気ではありません。また、STDと言っても必ずしもすぐに自覚症状が出るとは限りません。感染に気づかないまま性行為でうつしてしまったり、知らないうちにうつされていることもあるかもしれません。

STDと言えば、特別な性行為でうつるイメージがあるかもしれません。しかし、通常の性生活を送っていても、感染の可能性が充分にあることを知っておきましょう。女性の場合、治療をしないでおくと不妊や腹膜炎の原因になることもあります。まずは正しい知識をもつことが大切です。

◆どのようなことに気をつければよいですか?STD

STDの予防は基本的にコンドームを使用することですが、性行為のスタイルによってはそれだけでは防げないこともあります。ただし、感染してもきちんと治療をすればほとんどが治りますので、気になることがあれは恥ずかしがらず、婦人科、泌尿器科、皮膚科などの専門医を受診し、検査で陽性が出た場合にはきちんと治療を受けましょう。また、パートナーに検査や治療を受けてもらうことも忘れないようにしてください。

自分自身とパートナー、そして、未来の赤ちゃんのためにも、予防、検診、早めの治療を心がけまレょう。

主なSTDについて

クラミジア 症状 おりものの増加、下腹痛、性交痛、内診時の痛みなど。感染しても90%以上は症状が出ない。
感染経路 1回の性行為で約70%、2回で100%近く感染する。
治療 飲み薬でほとんど治る。
特徴 症状があまり出ないため、感染に気づかないまま進行したり、人にうつしてしまうことが多い。子宮から卵管を通って腹腔内まで広がると、激しい下腹痛を起こしたり、不妊症や流・早産の原因にもなる。出産時こ赤ちゃんに感染すると、約30%が結膜炎、約10%が肺炎にかかるため、広島市をはじめ多くの自治体では本年度から妊婦健診の検査項目(無料)として追加された。
淋病 症状 おりものの増加、外陰部のかゆみ、尿道まで感染が広がると排尿痛が起きる。男性に比べて女性は症状が出にくい。
感染経路 性行為によって感染する。
治療 飲み薬、点滴、注射による治療。現代では耐性菌が増えたために抗生剤で治りにくいケースが増えている。
特徴 治療をしないでおくと、不妊症につながる。出産時に赤ちゃんに感染すると結膜炎や肺炎にかかる。
性器
ヘルペス
症状 性器、唇、のどなどにかゆみが出て赤くなり、小さな水ぶくれができて、つぶれてただれると痛みが出る。
感染経路 主に性行為による感染と接触感染。症状がないときは人にうつることはない。
治療 塗り薬、飲み薬で症状は治るが、一度感染すると再発を繰り返す。
特徴 単純ヘルペスウイルスにより、性器などに水ぶくれができる。治療で症状は治っても、ウイルス が体内の神経節に住みついて、体調が崩れたときなどに再発する。出産時に赤ちゃんに感染すると重症の脳炎になることがある。
尖圭
コンジローム
症状 鶏のトサカのようなザラザラのイボが外陰部や月I門周囲にできる。
感染経路 性行為によって感染する。
治療 メス、レーザー、電気メスで切り取る。最近は塗り薬で治ることもある。
特徴 HPV(ヒトパピローマウイルス)によって外陰部に小さなブツブツができる。子宮頸がんの原因
となるHPVとは別の種類だが、両方のウイルスを持っていることもあるので、尖圭コンジローム
と診断されたら子宮頸がんの検査も積極的に受けたほうがよい。
その他 以上の他にもSTDには、梅毒、トリコモナス、B型肺炎、C型肝炎、エイズなどがある。

Dr.A&A エイズ

Q.エイズとはどのような病気ですか?

A・エイズウイルスに感染することによって免疫(細菌やウイルスなどから体を守る仕組み)の力が落ちて、様々な感染症や腫瘍を引き起こす病気です。ただし、エイズウイルスに感染してから腫瘍などの症状が出るまでに、数年以上かかります。

Q・どのような症状が出るのですか?

A・エイズウイルスに感染すると2-3週間以内に、発熱、関節痛、頭痛、リンパ節の腫れなど、インフルエンザによく似た症状が出ます。この時期に診断される場合もありますが、多くは診断されず、また症状も自然に治まります。その後数年間は無症状ですが、少しずつ免疫力が落ちていき、帯状疱疹(たいじょうほうしん)などを起こすようになります。特殊なタイプの肺炎や、カンジダといってカビが食道などに生えるようになるどエイズ発病と言われ、免疫力がかなり低下した状態に陥ります。

Q.エイズウイルスはどうやって感染するのですか?

A・主な感染緯路は、性行為や血液によるものです。また妊婦が感染者の場合、出産時に産道や母乳で感染することもあります。睡液や汗から感染することはないので、食器や風呂、トイレなどの日常生活で感染することはありません。

Q・治療すれば治りますか?

A.エイズウイルスを直接やっつける薬(抗ウイルス薬)による治療と、他に感染症などの症状があれば、それらに対する治療が必要になります。感染症などの症状の多くは治療により治すことができます。しかし、抗ウイルス薬を使ってもエイズウイルスを完全になくすことはできないので、エイズは治りません。ただ、抗ウイルス薬の治療を続ければ免疫力が回復しますので、就労も含め普段の生活ができるようになります。また、”エイズ発病”前に治療を開始することで無症状の状態をずっと保つことができます。

(広島大学病院輸血部 藤井輝久)

ヒブワクチン

hibvaccineヒブワクチンのヒブとは、「へモフィルス.インフルエンザb型菌(Hib:Haemoph∥usinfluenzae Type b)」のことです。「インフルエンザ」という言葉を含んでいますが、冬に大きな流行を起こすインフルエンザウイルスとは関係ありません。

ヒブに感染すると様々な感染症を引き起こしますが、特に脳と脊髄を覆う髄膜に感染して起こる髄膜炎は、診断が非常に難しく治療も困難で、脳などに後遺症を残してしまうことも少なくありません。ヒブ感染症の約85%は0-4歳の乳幼児で、特に2か月~2歳までの子どもに多く見られます。

この病気を予防する唯一の方法であるワクチンが、今年から公費(無料)で接種できることになりました。2か月から5歳未満の子どもが対象となりますので、できるだけ早期に受けることをお勧めします。

ヘルペスウイルス

ヘルペスウイルスには、単純ヘルペスウイルス1型、単純ヘルペスウイルス2型、水痘・帯状痛疹ウイルス、サイトメガロウイルス、突発性発疹を引き起こすウイルスなどがあり、大きく分けて単純ヘルペスと帯状痛疹の2つのタイプがあります。

1.単純ヘルペス

(1.単純ヘルペスウイルス1型:主に口唇ヘルペスを生じヘルペス口内炎、ヘルペス角膜炎、単純ヘルペス脳炎の原因となりうるとともに知覚神経節に潜伏感染します。
(2.単純ヘルペスウイルス2型:主に性器ヘルペス、新生児ヘルペス、ヘルペス髄膜炎、ヘルペス脊髄炎の原因となりうるとともに知覚神経節に潜伏感染します。

単純ヘルペスウイルスは、古くからヒトに広まっているウイルスで、感染様式は大きく2分されます。1)幼少期に周囲の感染者から睡液等を通じて感染し、口内や口唇その他、上半身に水癌・潰瘍を生じるもの。2)思春期以降、性行為によって性器に感染し、病変を形成するもの。一般的に1型は性器ヘルペスを起こさないと思われていますが、実際には2型同様その原因となるケースがあります。最近では性習慣の変化とともに必ずしも1型が口、2型が性器といった完全な区別は成り立たなくなってきています。

2.帯状疱疹

知覚神経の走行に一致して帯状に赤い発疹と小水癌が出現し、いろいろなタイプの痛みを伴うことが多いようです。前兆として約1週間前から違和感やピリピリした痛みを感じることもあります。これは幼児の頃にかかる病気の水ぼうそうと同じウイルスが原因となっています。帯状疱疹のウイルスは、後根神経節の中でじっと潜み、加齢や病気で体力の低下したときなどに、帯状疱疹として出てきます。
水ぽうそう(帯状痛疹)のウイルスと単純ヘルペスのウイルスとは一生つきあっていくことになります。

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