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放射性物質と危険性

もっとも脅威は放射性セシウム

「プルトニウムは最悪の放射性物賓」「ストロンチウムは骨にたまりやすく、がんの要因に」。東京電力福島第一原発の事故後、様 々な放射性物質を並べて毒性を比べる記事を雑誌などでよく見かけます。事故当初に話題になったヨウ素やセシウムのあとで見つかった放射性物質について、危険性を強調する内容が目立ちます。 しかし、毒性を取り上げても単に不安をあおるだけでは意味がありません。放射性物質の健康への影響を考えるには、それぞれ同じ量だけあった場合、体にどれだけダメージを与えるかを知った上で、実際にはどれほどの量が出ているのかをみる必要があります。

放射線が体に与える影響を考えた線量は「シーベルト」で表されます。図では、放射性物質をそれぞれ1億分の1㌘吸い込んだ場合の内部被曝の線量を示しました。
5年前、英国で亡命ロシア人の暗殺に使われたとされるポロニウムはこれだけの量で、浴びた半分の人が死ぬのに相当する3700㍉シーベルトにもなります。史上最強の毒物とも呼ばれますが、原子炉内の量はごくわずかで、今回の事故では問題にはなりません。
プルトニウム238は、放射線を出す能力(放射能)が約7000倍も強いヨウ素131と同じ690㍉シーベルトです。放射能が約5倍高いセシウム137と比べても、吸い込んだときの影響は約600倍もあります。どうしてこんなことになるのでしょうか。
山崎秀夫・近畿大学教授(環境解析学)は「放射能の強さが同じでも、それぞれの物質が出す放射線の種類やエネルギーの高さ、体にどれぐらいとどまりやすいかなどによって、体へのダメージは違う」と説明します。プルトニウム238は吸い込んだときに肺にとどまりやすく、被曝する期間が長くなるため、シーベルトの値が高くなるのです。
ストロンチウム90は胸部Ⅹ線CTの1回分を超える8㍉シーベルトで、放射能はセシウム137の約1.6倍ですが、体への影響は約7倍高くなります。

では、今回の事故で実際にどれくらいの物質が環境中にばらまかれたのでしょうか。事故から4日間に大気中に出た推定量は、セシウム137が約4700㌘、セシウム134が約380グラム、ヨウ素131が約35㌘です。
あわせても5㌔グラムとちょっと。しかしこれだけで、全国の広範囲に重大な汚染を起こしていることに驚かされます。
プルトニウム238の放出量はO・03㌘で、セシウム137の15万分の1以下。この量を勘案すると、体への影響はセシウム137の約300分の1ということになります。
プルトニウムは原発の直近にとどまり、土壌から検出される量もほんの少し。福島第一原発1、2号機の排気簡から500㍍離れた土壌での検出重量は、セシウム137の80万分の1でした。これは、過去の大気圏内の核実験によるものと同じぐらい微量です。
ストロンチウム90の放出量はセシウム137の100分の1以下の約28㌘、土壌からの検出量は1000分の1程度でした。
京都大の石川裕彦教授らが福島県民の内部被曝量を調査したら、現時点では外から放射線を浴びる外部被曝の方がずつと量が大きいとわかりまし寵。外部被曝では、放射性ヨウ素やセシウムが賓、量ともに他を圧倒ています。ですが、放射性ヨウ素はわずか8日で半減するので、事故から260日経った今では、その総量は当時の数十億分の1に減っています。
毒性が強いと聞けばつい怖くなってしまいますが、いま、健康被害や汚染除去をめぐる問題でもつとも脅威なのは、放射性セシウムなのです。

放射性物質1億分の1グラムを吸入した時の被曝線量と体への影響

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