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寒い季節は「脳卒中」に気をつけよう!

かつては日本人の死亡原因の第1位を占め、不治の病とも言われた脳卒中。現在でも寝たきり生活の大きな原因となっています。最近は適切な治療とリハビリによって回復する人も増えつつあるようです。そこで、元気な人に突然襲いかかる脳卒中とはどのような病気なのか、日本脳卒中学会専門医の木矢先生にお話をうかがいました。

◆「脳卒中」とはどのような病気ですか?

001“卒中”とは突発的という意味で、基本的には突然症状が現れる脳の血管の病気を脳卒中と言います。大きく分けると3つあり、小さな脳の血管が破れた状態を脳出血、脳動脈瘡という大きな血管のこぶが破れた場合をくも膜下出血、脳の血管が詰まった場合を脳梗塞と言い、それらを総称して脳卒中と呼んでいます。

◆どのような症状が出るのですか?

002頭痛が起きると脳卒中を疑う人が多いようですが、朝から少しずつ痛いというような症状は緊張型頭痛か片頭痛がほとんどです。突然、非常に激しい痛みと吐き気が襲った場合が問題で、くも膜下出血の可能性があり、意識障害などを伴うこともあります。

脳出血、脳梗塞では、片方の手足の麻痔が見られます。さらに、話すことがうまくできなかったり、理解していてもうまく話せないなどの言語障害、視野が半分見えなくなったり、めまいや物が二重に見えるなどや、意識障害を起こすこともあります。いずれも障害を受けた脳の場所によって様々な症状が出てきます。

◆寒くなると増えると言うのは本当?

003脳卒中の発症時間に関するデータを見ると、朝の出勤前や夕方に多い傾向があり、血圧の変化が影響していることが分かります。寒い季節に、暖房が効いた室内から急に戸外へ出ると血圧が急に上がりやすく、特に血圧が大きく関係する脳出血は冬に多くなるようです。これから寒くなりますので、エアコンや服装などにも気をつけて、血圧の急激な変化を起こさないようにしましょう。

◆脳卒中は遺伝するのでしょうか?

脳梗塞に関して遺伝的な要素はさほどないと思われます。しかし、脳出血は血圧が影響するため、血圧という部分での遺伝が少しあり、くも膜下出血は動脈瘡になりやすい人、そうでない人という遺伝が少しあります。脳卒中の背景となる生活習慣病の要因、つまり高血圧、肥満、糖尿病、高月旨血症などに遺伝の要素が一部あるということも言えるでしょう。

◆家族に突然、症状が出た時はどうすればいいの?

昔は「倒れたら動かすな」という説もありましたが、今は全く反対で、rt-PA(最新医療WordBox参照)が導入されてから、症状が出て3時間以内に治療すべきであると言われています。従って、すぐ「119番」に連絡してください。

脳卒中の症状を見極めるのが難しい時は、まずかかりつけ医に相談する、あるいは広島市救急医療機関案内(082-246-2000)、専門的病院に相談するなどしてください。そして早めに受診しましょう。

◆リハビリをすれば良くなるの?

004手足に麻痺が残っても、リパピーリすることによって徐々に動くようになります。特に年齢が若いと効果が大きいようです。かつては麻痺した側はあきらめて、動く方の手足を使って生活するというリハビリの考えでしたが、今は麻痺した方を動かすことも研究されています。早期にリハビリを開始することが重要で、3~6カ月程度でかなり効果を示します。さらに長期的に続けることでゆっくりと効果が出ます。

脳卒中は突然、不便な生活を強いられてしまうため、精神的なショックも大きくなり、身体的なリハビリはもちろん、心のケアも重要になりますね。

◆脳卒中にならないための予防法を教えてください。

まずは生活習慣病にかからないための食生活、運動、ストレスに気をっけることが第一です。喫煙を控え、食事は腹八分目、軽い運動を続ける、ストレスをためないなど、具体的な取組は、メタポリツク症候群の予防とほぼ同じです。予防にも、日常生活でできる予防法、健康診断や検査の結果を受けて薬などを使って行う予防法、さらに手術的に予防する方法まで様々です。一番大切なのは、何でも相談できる「かかりつけ医」を持っておくこと。病気になってから気をつけるのではなく、日頃から身近なかかりつけ医に自分の身体について知っておいてもらえば、症状が出た際に判断もしやすく、対処もしやすくなります。

血栓溶解療法 ◆脳卒中のrt-PA療法

脳卒中になり手足の麻痺や言語障害が生じても、薬を注射すると症状がたちまち改善するという、夢のような話をご存じですか。でも、これには但し書きがあります。まず脳卒中といつても脳出血ではなく、脳の血管が流れなくなった脳梗塞の場合です。次に症状が出たら3時間以内にという時間制限があります。病院でも検査に時間を要すため、1~2時間以内に急いで受診する必要があります。対応が早ければ、脳の血管の血が流れなくなった部分(血栓)をrt-PAという薬の点滴で溶かすことができるようになったのです。この治療で症状が消失し、元の生活ができるようになつた人は30~40%みられます。しかし5%は脳出血を合併し、症状が悪くなることもあります。従ってこの治療を受ける前には慎重な検査が必要です。現在のところ、この治療法は脳梗塞の5~10%程度にしか行われていません。その理由のひとつは、治療を急ぐ必要性があまり知られていないことがあります。急に手足が動かなくなったら、まずその時間を確認し、急いで病院へ行ってください。症状が改善した場合は、リハビリテーションの訓練も軽くてすみます。この治療法が可能な病院が広島県ホームページ(脳卒中急性期で検索)に掲載されています。しかし、その前に、まずは脳卒中にかからないよう日頃の節制も忘れないようにしましょう。

広島市医師会発行 「キラリ」 Vol15 2008Autumn
(広島市医師会理事(脳神経外科) 木矢克造先生)より

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