広島市中区の耳、鼻、喉の専門医、耳鼻咽喉科、内科、呼吸器科、アレルギー科

認知症を知ろう

~認知症も早期発見、早期治療が大切です~

解説:県立広島病院 高畑紳ー先生(精神神経科) キラリ Vol23より

本では今、65歳以上で6-7%、80歳以上では約20%が発症しているといわれる認知症。家族、そして自分自身にも、いつふりかかるか分からない身近な問題となっています。高齢化が進むとともに、今後さらに増えることが予想される認知症について、一緒に考えてみましよう。

◆認知症とはどのような病気なのですか?

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日にちや場所が分からなくなるなどの物忘れから始まり、同じことを何度も言う、お金の計算ができなくなる、料理が作れなくなるなど徐々に複雑な行為ができなくなる状態を認知症といいます。病気の進行とは別に、排個や被害妄想、攻撃的行動、不潔行動などの症状が出てくると、日常生活や介護が非常に困難になってしまいます。

◆認知症と老化による物忘れの違いは何ですか?

高齢になると誰でも記憶力の衰えがみられるようになりますが、忘れたことを後で思い出すことができる場合は単なる物忘れで、認知症の場合は、あった事実が記憶に残っていないために、後で思い出すことができません。

初期の頃は、家族や周りの人から物忘れを指摘されて不快な気持ちになるものの、何となく自分でも以前と違うことを感じるようです。しかし、具体的に何を忘れたかが記憶にないというのが認知症の特徴です。

老化による物忘れ

  • 体験したことの一部を忘れる
  • 何かきっかけがあれば後から思い出せる
  • 日時、自宅、家族の顔などを忘れることはない
  • 何を忘れたか具体的に説明できる
  • 忘れっぽくなったという自覚がある

認知症による物忘れ

  • 体験したことのすべてを忘れる
  • 記憶に残っていないので思い出せない
  • 日時、自宅、家族の顔などを忘れることがある
  • 何を忘れたか具体的に説明できない
  • 忘れっぽくなったという自覚があまりない

◆徘徊はなぜ起こるのですか?

今いる場所が分からなくなる、自分の家が分からなくなる、決まった時間になったら買い物や子どもの迎えに行こうとするなど、徘徊にも理由があることがほとんどです。また、お風呂を嫌がったり、夏でもたくさん服を着込んだりする変化がみられることがありますが、これは服の着脱やお風呂の手順が分からなかったり、脱ぐとなくなる(盗られる)いう被害妄想からくることもあります。

行動に理由がある場合には、それをフォローしてあげることで症状が落ち着くこともあります。

◆認知症になる原因は何ですか?

以前、日本で多かったタイプは、脳梗塞や脳出血による脳血管障害が原因となって出る認知症です。最近はアルツハイマータイプといわれるものを代表とする脳細胞の変性によって進行していく認知症が多いといわれており、その両方が同時に起きる場合もあります。

◆治療することはできるのですか?

通常の認知症については根本的な治療はできませんが、アルツハイマータイプの場合には進行を遅らせる可能性があるとされる薬があります。

治療可能なのは、慢性硬膜下血腫を原因とする認知症で、原因となっている頭の中にできた血の塊を治療すれば認知症の症状も良くなる場合があります。転んで頭を打った1-2ケ月後に認知症の症状が出たときには、慢性硬膜下血腫が原因の可能性もありますので、早めにCTなど脳の検査を受けましよう。

◆予防することはできるのですか?

脳血管障害から起こる認知症は、高血圧、糖尿病など動脈硬化の原因となる生活習慣病にならないようにすることが予防になります。禁酒、禁煙など良い生活習慣を心掛けることは、認知症に限らず病気にならないための基本です。

一般的には、家に閉じこもらず、活動的な生活を送ること、頭を使ったり、軽い運動をすることで、脳に刺激を与えるのが良いといわれています。

◆家族か認知症になったらどうすればいいのですか?

親や夫婦の場合、変化を感じても認知症と認めたくないという感情が働いてしまいますので、診察が遅れたり、「何で分からないんだ!」と怒ってしまい、家族関係が悪化したり、本人の妄想に繋がることもあります。少し冷静になって、早めにかかりつけ医など第三者に相談しましょう。

徘徊などの症状もほとんどの場合、進んだり落ち着いたりを繰り返しますので、対応に因ったときには一時的に施設を利用するなど介護する人に負担がかかり過ぎないようにすることも大切です。

Dr.QA 認知症サポート医

Q・認知症サポート医とはどのようなものですか?

A・2005年に認知症地域医療支援事業がスタートし、各地区ごとに神経内科、精神科の医師を中心にサポート医が養成されました。サポート医は地域の認知症医療のなかで中核的な役割を担うことが期待されています。

Q.実際にはどんな仕事をしているのですか?

A・3つの大きな役割があります。ひとつは、みなさんが日常的に利用する診療所などの主治医(かかりつけ医)の認知症診療についての相談役となることです。認知症診断の知識や技術だけでなく、家族から話や悩みを聞きその不安を和らげる対応についても指導することが望まれています。次に、かかりつけ医を対象とした認知症についての研修会を行い、診断や治療、認知症医療のネットワークなどについて幅広く学んでいただいています。広島市でもこれまでに多くのかかりつけ医の先生方が研修を終えられました。3つめの役割は、医師会と地域での認知症の相談窓口である地域包括支援センターの連携が円滑になるように協力することです。

Q.直接認知症サポート医の診察を受けることもできるのですか?

A・もちろんです。現在広島市には12名のサポート医がおり、広島市のホ一ムページで名簿を見ることができます。受診の前に各医療機関に電話で相談されることをおすすめします。

Q・認知症の検査のことや治療についても相談できますか?

A・はい。認知症でみられる様々な精神症状(幻覚や妄想など)や行動障害(俳個や攻撃など)について専門的な医療が受けられるように助言したり、認知症の原因について詳しく調べるための医療機関を紹介することも大事な仕事です。

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