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肝炎ウイルス検査を受けましょう

忘年会に新年会と、お酒を飲む機会が多いこの季節。肝臓の調子はいかがでしようか。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるように、自覚症状が出にくく、肝炎などになっていても、気づいたときには重症化していることも多いものです。今回は「肝炎」について、日本肝臓学会肝臓専門医の大谷博正先生(広島市医師会理事)にうかがいました。

◆肝炎とはどのような病気なのですか?

肝炎は肝臓に炎症が起こる病気です。お酒の飲み過ぎが原因となるアルコール性肝炎、メタポリックシンドロームが発症の要因といわれる非アルコール性脂肪性肝炎などありますが、日本ではウイルス性のB型肝炎、C型肝炎がほとんどを占めています。

主な肝炎の種類

A型肝炎

ウイルスを含む生水、魚介類、野菜などを食べることで感染。発展途上国に多い。慢性化することが少なく、急性期にきちんと治療をすれば治る。

ウイルス性 B型肝炎

体液、性的接触によって感染。急性肝炎は黄垣などの症状が出るが、多くの場合1~3ケ月で完治する。慢性肝炎になるのは、ほとんどが母子感染といわれていた。最近は、性交渉などで感染し慢性化するケースが増えている。

C型肝炎

B型肝炎より感染力が謁く、初期症状が軽い。感染すると慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんになりやすいので注意が必要。

アルコール性肝炎

大量飲酒をきっかけに急性肝炎を発症する。自覚症状は腹痛、黄垣、発熱などあるが、症状が出ないことも多い。禁酒をすると急激に炎症が治まる。

非アルコール性肝炎・脂肪性肝炎

飲酒をしない人がアルコール性肝炎と同じような病態になること。メタポリックシンドロームが進むことで発症し、きちんと治療しないと慢性肝炎、肝硬変、肝臓がんへ移行するので注意が必要。

◆肝炎になると肝硬変や肝臓がんになりやすいのですか?

肝臓がんの8割はC型肝炎が原因といわれています。B型肝炎、C型肝炎ともに、慢性肝炎から肝硬変、さらに肝臓がんへ進行しますが、B型肝炎では慢性肝炎から急に肝臓がんになる人もいます。非アルコール性脂肪性肝炎も、症状が出ないまま肝硬変、肝臓がんと進行することもあるため注意が必要です。

ウイルス性肝炎の肝硬変、肝臓がんへの進行
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◆肝炎の種類によって治療は違うのですか?

肝炎はそれぞれの原因や状態で治療が変わります。

アルコール性肝炎は、お酒をやめることで症状は治まります。しかし、アルコール性肝炎になっている人はアルコール依存症に陥っている場合が多く、その治療も必要となってきます。非アルコール性脂肪性肝炎は、コレステロールや血圧など内科的な治療と合わせて運動を行うなどメタポリツクシンドロームとほぼ同じ治療となります。

日本人に多いC型肝炎の治療法となるのはインターフェロンですが、以前は毎日の注射や高熱の副作用などで患者さんを悩ませてきました。そこで週1回で治療できるペグインターフェロンができたことによって、治療や副作用の負担も軽くなり、現在では約6割の方がウイルスを完全に除去できるようになっています。

B型肝炎はC型肝炎のように完全にウイルスを除去することはできません。そこで肝硬変への進行を抑えるため、ラミブジン等の抗ウイルス剤で治療をします。抗ウイルス剤は続けて服用すると効かなくなることがあり、その場合はさらに違う薬を合わせて服用したり、現在ではさらに新しい抗ウイルス剤が開発されたり、B型肝炎の治療も日々進化しています。

◆肝炎を予防するにはどうしたらよいのですか?

肝炎だけでなく様々な病気を予防するために、お酒の量を控えたり、メタボlリック予防を心掛けましょう。ウイルス性肝炎は、より早く発見・治療することが大切です。

B型肝炎、C型肝炎に多かった輸血による感染や出産時の母子感染は、輸血用血液の検査技術や周産期医療の進歩により、ほとんどなくなりました。しかし肝炎は症状が出ないケースが多く、人間ドックや健診で正常といわれた人でも、肝炎ウイルス検査で感染が判ることも少なくありません。一定の年齢になったら、一度「かかりつけ医」で肝炎ウイルスの検査を受けるようにし、陽性の結果が出た場合は、肝臓を専門とする医療機関で適切な治療を受けるようにしてください。

◆肝炎のインターフェロン治療について

Q.肝炎のインターフェロン治療は誰でも受けられるのですか?

A.肝炎のインターフェロン治療の副作用で治療が継続しにくい人もいらっしゃいます。

  1. うつ病やうつ傾向の方は症状の増悪の恐れがありますので、精神科の医師とご相談ください。
  2. 糖尿病の網膜症や眼底出血の恐れのある方は、血小板の低下などで眼底出血をして失明の恐れがあります。眼科の医師とご相談ください。
  3. 貧血の方はインターフェロンや併用薬で貧血がひどくなり、治療が続けられなくなる場合もあります。

Q・肝炎のインターフェロン治療は何ヶ月で効果があるのですか?

A・C型慢性肝炎の治りにくいタイプの場合は、ウイルス除去のために1年半以上かかります。インターフェロンの効きやすいタイプでは3ケ月~半年で除去できる場合もあります。B型慢性肝炎の場合は、半年程度使用されますが、完全にはウイルス除去はできません。また日本人にはインターフェロンは効きにくいようです。若い方以外は経口抗ウイルス剤による治療がされるようになっています。

Q.肝炎のインターフェロン治療はいつ行つても効果は同じですか?

A・肝炎のインターフェロン治療の効果は、若い人ほど良いようです。合併症が少ないこともありますが、高齢者のリスクは高いようです。また特に女性は、高齢になるとインターフェロン治療の効果が悪くなります。治療は早めに受けましよう。

インターフェロン治療 治療費助成

C型慢性肝炎のインターフェロン治療は有効ですが、負担が高額になります。

そのため、広島県でもインターフェロン治療の治療費助成が行われており、2008年4月から、C型肝炎の根治を目的とするインターフェロン治療を受けるすべての方に対して、医療費の公的な助成制度が新しく始まりました。

ペグインターフェロンとリバビリンの併用療法もこの助成の対象です。2009年4月には一部改定が行われ、さらに利用しやすくなりました。

今が治療のチャンスです。早めにかかりつけの医師か肝臓専門医にご相談ください。

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社団法人広島市医師会発行情報誌キラリより

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