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知って安心! 食中毒予防 &治療のポイント

知って安心! 食中毒予防 &治療のポイント

広島市医師会理事  古川善也先生 (消化器科

問診時にとても重要になります。朝起きた時に突然起こった、急に立ち上がった時、などの状況や、どのようなめまいなのか、ぐるぐる回るめまい、フワフワ浮くようなめまいかなど医師に詳しく話します。また、めまいの前後に耳鳴り、吐き気、嘔吐、頭痛、難聴、動悸、息切れ、舌のもつれ、手足のしびれなどの症状がなかったかなども重要です。

◆食中毒と食あたりはどう違うのですか?

食中毒は医学用語、食あたりは一般的に使われている言葉で、内容には違いはありません。医学的には、腸炎(胃腸炎)のうち飲食物を介して発症する疾患を食中毒と呼びます。細菌やウイルスが原因となる感染症や、フグ毒や毒キノコの自然毒によるもの、ヒ素などの化学物質によるものがあります。

◆症状はどのようなものがありますか?

腹痛、下痢、嘔吐が主な症状で、その他に発熱、血便などがあります。これらの症状は腸のどの部分の炎症が強いかで変わってきます。一般的に胃腸を中心とした上部消化管の炎症が強いと嘔吐が起きやすく、小腸が中心になると下痢、大腸が中心となると発熱や血液・膿が便の中に見られるのが特徴です。

◆どのような場合に病院に行けばよいですか?

症状が強い時には病院に行くべきでしょう。特に嘔吐で水分をとることができない場合は点滴が必要です。水のようなひどい下痢で脱水症状となることが予想される場合、腹痛や嘔吐が強く口から物が食べられない場合、血便がある場合、高熱の場合などは、入院治療が必要となります。

◆年間どのくらいの人が食中毒にかかるのですか?

厚生労働省の食中毒統計では、1996年に46,327人(うち細菌性41,025人)、2000年に43,307人(うち細菌性32,417人)、2005年に27,019人(うち細菌性16,678人)、2010年に25,972人(うち細菌性8,719人)と少しずつ減少しています。特に細菌性食中毒は最近では減少が目立っています。

◆食中毒が起こりやすい時期はありますか?

以前は食中毒と言えば夏に多いとされていました。これは細菌性の食中毒が多かったためですが、最近は、細菌性よりウイルス性の食中毒が多いため、むしろ冬に食中毒が多く発生するようになっています。

◆夏に多い食中毒の原因と予防法はどんなものがありますか?

夏に多い食中毒は細菌性食中毒です。細菌性食中毒はロから入った細菌が体の中で繁殖し、細胞の中に入ったり(細胞内侵入型)、体内で毒素を産生すること(生体内毒素産生型)で症状が出ます。これらの食中毒はよく加熱することで予防できます。
その中で、黄色ブドウ球菌による食中毒は加熱しても予防することはできません。これは食品内で繁殖して、耐熱性の毒素を作り、この毒素が食中毒の原因となるからです(生体外毒素産生型)。この菌は健康な人の皮膚などにも存在しますが、特に調理する人の手に傷や湿疹があり、傷口が化膿している場合は、食品を汚染する確率が高くなりますので気をつけましょう。(下の表をご参照ください。)

分  類 食前加熱による予防
予防できる 予防できない
細 菌 生体外毒素産生方 ボツリヌス菌 ブドウ球菌
生体外毒素産生方 ウェルシュ菌
細胞内侵入型 腸炎ビブリオ

サルモネラ

大腸菌

自 然 毒 フグ毒、毒キノコ

◆原因となる食物を食べたらすぐに発症するのですか?

食べたらすぐに発症するわけではありません。ブドウ球菌では潜伏期間が3時間位ですが、カンピロバクタ-や腸管出血性大腸菌(0157など)では食後1週間たって発症することもあります。

◆どのような治療をするのですか?

脱水症状を防ぐため、水分と電解質の補給を基本として、点滴治療が中心となります。吐き気がある時は、ロから食事がとれるように吐き気止めの注射を行います。強い下痢止めは腸内に原因を閉じ込めてしまい、悪化させることもあるため、ひどい場合以外は腸管運動を抑える下痢止めは使用しません。また、下痢止めを使用する場合は抗生剤も併用します。
細菌性の食中毒と考えられる場合で、症状がひどい場合(腹痛や脱水がひどい時、発熱がある時、粘血便がある時など)や、免疫不全などの基礎疾患がある場合には抗生剤を使用します。
家庭でも脱水症状にならないように水分の管理が重要となります。吐き気があまり強くなく、ロから食事ができる時は、絶食にする必要はまったくありません。十分な水分と力lリウムなどの電解質の補給が大切ですので、スポーツ飲料を飲んで、さらに電解質の補給としてバナナを一緒に食べるのもよいでしょう。

子どもの食中毒~乳児ボツリヌス症を起こす蜂蜜の話~

出生後1歳未満の乳児に蜂蜜を与えると、ボツリヌス菌という細菌の食中毒を起こすことがあるため、国からは与えないように指導が出ています。これは、蜂蜜がボツリヌスという食中毒を起こす菌に汚染されていることがあるためです。ふつう幼児以上では摂取しても細菌が増殖しないのですが、乳児では、腸の働きが未熟なため腸内で発芽・増殖し、菌毒素を産生し、そのために食中毒を起こしてしまいます。この毒素は神経毒であるため、赤ちゃんでは突然の便秘で症状が始まります。その後次第に全身の筋力が低下し、ミルクの飲みが弱くなり、泣き声も弱くなり、ぐったりした様子になり、突然呼吸が止まることもあります。
1987年に厚生省(現厚生労働省)は”1歳未満の乳児には蜂蜜を与えるべきではない”という内容の指導を通達しています。

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