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乳がん検診

乳がん検診

広島大学大学院 医歯薬保険学学研究院 片岡 健先生
(成人健康学教授、広島大学病院乳腺内分泌外科医師、広島県乳がん専門委員会委員長)

乳がんは女性に最も多いがんで、16人のうち1人が生涯に発症すると言われています。近年は患者の若年化も進み、決して軽視することはできません。今回のキラリでは、女性なら誰もが気になる乳がんの検診と治療について、片岡健先生にお話をうかがいました。

◆乳がんとはどのような病気ですか?

乳がんとは、乳房組織に発生するがんです。症状として圧倒的に多いものは「しこり」ですが、乳首からの出血、乳頭のかぶれなどが特徴のがんもあります。腫瘍が大きくなると、陥没乳頭、皮膚のえくぼ症状、皮膚発赤などが生じます。

年間で5万人以上が乳がんになり、年間1万人以上の患者が乳がんのために亡くなっています。乳がんの羅患率は40代~50代でピークを迎えますが、近年では30代の若い女性患者が急増しています。原因としては、肉類や乳製品の摂取が多くなり、食生活が変化してきたことが考えられます。また乳がんは他のがんと比べて、「家族発生」するのが特徴とされ、身内に乳がん患者がおられた場合、その発症は8倍以上のリスクがあると言われています。稀なケースとして男性にも乳がんが発症することがあります。

ただし乳がんは早期に発見すれば、進行が緩やかなため治療効果が高く、予後も良好で、積極的に自己検診と乳がん検診を受けることが望まれます。

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◆どの様な人が乳がん検診を受けるべきですか?

乳がんは若いうちに発症する可能性も高まっているだけに、まず家族や身内に乳がん患者がおられた場合、30代から自己検診、数年に一度の乳がん検診をおすすめしています。乳がんになりやすい人としては、右に示すような危険因子が知られています。

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◆自己検診はどのようにすればいいのですか?

自己検診には大きく分けて、乳房の形・しこり・リンパ節と乳頭、3つのチェック方法があります。乳がんに気をつける年代になれば、生理後の7日ぐらいを目安に、定期的な自己検診を習慣づけましょう。

●鏡の前で乳房の形を調べましょう。

鏡の前に立ち、両腕の力をぬき、自然に下げた姿勢を取ります。
1.左右の乳房の形や大きさに変化はないか。
2.乳房に皮膚のへこみやひきつれがないか。
3.乳首がへこんだりただれてはいないか。
次に両腕を上げた状態でも同じように確認します。

●あおむけになってしこりを調べましょう。

あおむけになり、あまり高くない枕かタオルを折り、背中の下へ入れます。左手は上に上げ、頭の下へ入れます。
1.右手の指をそろえて伸ばし、左側乳房の乳首よりも内側にのせ、指の腹を胸の中心へ向かい滑らせるようにしてしこりを調べる。
2.同じ姿勢で左腕を自然な位置に下げ、次は乳房外側の部分を外から内へ向け、指を滑らせて調べる。
3.右側乳房も同じ方法で確かめる。

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●わきの下のリンパ節と乳頭を調べましょう。

起き上がり、右手の指をそろえて伸ばし、左脇の下へ入れます。
1.しこりがあるかどうか調べる。
2.右脇の下も同じ方法で確かめる。
3.左右の乳首を軽くつまみ、乳をしぼるようにし、出血がないかなどを確かめる。

◆乳がん検診はどのように受ければいいですか?

職場で乳がん検診を受ける機会がある場合はその検診で充分です。職場での検診がない人や専業主婦などでも、40歳以上の方は2年に1回、各区の保健センターから送付される「検診のお知らせ通知」を持参すれば受診できます。受診を希望される方は、各区の保健センターに電話で申請すれば案内が届くようになります。40歳未満の方は乳がん検診対応の医療機関へお問い合わせください。その場合の受診料金は自己負担となります。

乳がん検診

対象者
広島市在住の40歳以上の方で職場などで乳がん検診を受ける機会のない方

費用
自己負担金 1.600円(広島市発行の無料クーポン持参の場合は無料) ※年齢や所得により免除があります。

受診場所
乳がん検診を実施している医療機関、各区で実施される広島市の集団検診、広島市健康づくりセンター

◆どの様な検診をするのですか?

広島市の乳がん検診では、問診、視診および触診、乳房エックス線検査(マンモグラフイ)を行います。

◆陽性の結果が出たらどうすればいいですか?

乳がん検診で陽性と判断された場合、まだ「がん」ではなく疑いがある段階ですから、落ち着いて検診施設から指定された医療機関で詳しい検査を受けてください。乳がんと診断された場合は、地域の医療機関で精密な検査を受け、進行状態に応じた治療を実施することになります。

◆乳がんの治療はどういうものですか?

乳がんの治療は飛躍的に進歩して、完治率は約83%と他のがんに比べてもかなり良い成績です。現在はがんの進行状態や性格などに合わせた「個別化治療」が一般的になりました。乳がんは薬による治療の効果も高く、近年ではがん細胞に特有・特定の分子を狙い撃ち、機能を抑える「分子標的治療薬」も成果が認められつつあります。

手術も再発防止の放射線治療と合わせ、乳房の温存手術が主流になってきました。がんの性質や進行状態にもよりますが、約6割から7割の方が温存手術となっています。摘出手術の場合も、術後の胸部変化による負担を軽減できるよう、リハビリテーションの訓練を行う施設が増えています。

何よりも日常生活で暴飲暴食を避け、肥満にならないよう心がけ、自己検診や乳がん検診を習慣づけてください。

Dr.A&A マンモグラフィーの基礎知識

Q.マンモグラフィーとはどういう検査ですか?

A.乳房エックス線検査のことで、両側の乳房を40代の対象者には2方向撮影、50歳以上の対象者には1方向撮影を行います。腫瘍の有無、形や大きさ、触診では見つからない5mm程度の石灰化を診断できます。

Q.どれくらいの時間で終わりますか?

A.すべての検査は10分程度で完了します。エックス線の照射時間は1枚撮影につき2~3秒で人体への影響はありません。

Q.検査に痛みなどはありますか?

A.上半身を裸にして撮影装置の検査台に乳房をのせて圧迫します。人によって痛みを感じる場合もありますが圧迫は数秒間だけとなります。乳房が張りやすい生理前の1週間は避けるようお伝えすることもあります。

Q.授乳中や妊娠中でも検査できますか?

A.授乳中でも検査可能です。妊娠中は腰をプロテクターで保護しながら撮影します。

Q.撮影や診断はどのような人が担当するのですか?

A.日本放射線学会の基準を満たす装置により、専門医師、マンモグラフイ検診精度管理中央委員会(精中委)の認定を受けた診療放射線技師、精中委の認定を受けた医師の指導による診療放射線技師が、広島市の乳がん検診では対応します。
揺影された写真の読影も、適切な読影環境で二重読影(そのうち1人は精中委の認定医師)が行います。最近は女性の医師や技師も増えています。気になる方は事前に確認しておくのもいいでしょう。

キラリVol35 Summerより(編集・発行 社団法人広島市医師会)

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