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アトピー性皮膚炎に新療法

症状消えても一定間隔でステロイド薬

アトピー性皮膚炎の治療で、ステロイド薬で皮膚をきれいにした後も、一定の間隔で薬を使う手法が注目されている。これまでは、症状が再び出た時にだけ薬を使う手法が一般的だった。新たな手法では症状の悪化を防げ、薬の総使用量も減らせると期待されている。

著しい悪化防ぐ効果

浜松市に住む男児(7)は生後4カ月から、顔やひじ、ひざにアトピー性皮膚炎が出た。ステロイド薬を処方されたが、自らもアトピー性皮膚炎の母親(41)は「どうせ治らない」とほとんど使わなかった。だが食物アレルギーも発症し、2010年6月、浜松医科大病院を受診した。
小児科の福家辰樹講師は、病気の正しい知識について説明した後、毎日ステロイド薬を塗るよう伝えた。男児の肌は、2週間ほどでつるつるになった。
治療はこれで終わりではなかった。その後は薬を週3回の間隔で塗り、数カ月おきに2回、1回と減らしていった。治療開始から1年4カ月後には薬をやめ、保湿剤のみになった。

母親は「最初は半信半疑だったが、治療を受けて本当によかった」と話す。
アトピー性皮膚炎は、かゆみのある湿疹がよくなったり悪くなったりを繰り返す慢性の病気だ。従来、湿疹が出た時に薬を使う治療法が一般的だった。
最近、注目されているのは、症状が出ていない時も先手を打って薬を使う治療法だ。「プロアクティブ療法」という。日本アレルギー学会は昨年11月の指針で初めて解説した。薬を一定の間隔で塗ることで「著しい悪化を防げる」とした。

福家さんによると、中程度以上のアトピー性皮膚炎ではまずステロイド薬を十分に使い、皮膚をつるつるにする。その後、保湿剤を塗りながら、ステロイド薬や免疫抑制剤のタクロリムス軟膏(2歳以上)を使い、少しずつ間隔をあける。湿疹が再び出れば、その部分は早めに薬を使う。
福家さんは「重いアトピー性皮膚炎の場合、皮膚がつるつるになったように見えても内部では炎症が残っている。薬を一定の間隔で使うことで、症状が出ない寛解状態を長く保つことが期待できる」と話す。

正しい量・頻度守って

近年、プロアクティブ寮法の効果について、国内外で報告が相次いでいる。
英国などで295人の患者を対象に、ステロイド薬で症状が治まった後に保湿剤と薬を週2日塗り続ける人と、保湿剤のみを続ける人に分けて4カ月間状態をみた。この結果、保湿剤だけの人は7割が症状がぶり返す再燃となったが、薬を塗った人は2割だった。研究中に皮膚が薄くなるなどの副作用も出なかった。
国立成育医療研究センターの大矢幸弘アレルギー科医長によると、プロアクティブ療法は従来法に比べ、再燃までの期間が長い▽再燃しても早く治る▽薬の総使用量が少なくてすむーなどの報告があるという。
ただ、ステロイド薬への不信感から、薬を十分に使わない患者は多い。東京逓信病院の江藤隆史皮膚科部長は「治療がうまくいかない患者の7~8割は薬の量が不十分だ」と話す。
使う量の目安として、指に薬をのせた量を目安にする「フィンガーティップユニット」という単位が提唱されている。
ステロイド薬には、皮表が薄くなったり、血管が拡張したりする副作用があるが、皮膚が黒ずんだり厚くなったりする心配はない。治療中に副作用が出た場合は連日塗るのをやめ、タクロリムス軟膏への切り替えや塗る間隔をあける。正しい量と頻度で使えば、長期間使用しても全身に重い副作用は出ないという。
大矢さんは「プロアクティブ療法がうまくいけば、半年~1年ほどで薬を使わない状態になる人もいる。ただし重症度は個人差が大きいので自己判断で薬をやめず、医師と相談して、副作用をコントロールしながら治療を続けて欲しい」と話す。

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-2013年7月2日 朝日新聞より

かゆみ元凶物質汗も止める アトピー性皮膚炎治療に光明

かゆみのもとととなる化学物質に、汗をかけなくする作用があることを、大阪大の研究チームがマウスで見つけた。この物質の働きを抑えて汗をかけるようにすれば、アトピー性皮膚炎の治療法につながる可能性がある。
阪大の室田浩之講師(皮膚科学)らは、特殊な装置でマウスを観察。かゆみを引き起こす化学物質「ヒスタミン」を注射すると、肌表面に汗を送る管の中に汗がなくなった。管の奥にある汗腺で汗が作られなくなっていることも確かめた。
アトピー性皮膚炎の患者は、正常な人に比べて汗の量が半分しかないため、皮膚が乾燥して症状が悪化するという。ヒスタミンが汗をかけなくする働きはマウスも人間も共通と考えられるといい、室田さんは「ヒスタミンの働きをおさえる既存の薬をのみながら、運動や入浴で発汗を促せば、アトピー性皮膚炎の治療につながるかもしれない」と話している。

(朝日新聞 2013-8-1付けより)

アトピー 犯人は「IL33」たんぱく質10倍マウス、皮膚炎に

激しいかゆみや発疹ができるアトピー性皮膚炎の発症メカニズムの一つを、兵庫医科大学など研究チームがマウスの実験で突き止めた。皮膚で作られえるたんぱく質が過剰になると、炎症を引き起こす細胞が活性化し、発症するという。
同医大の山西清文主任教授(皮膚科)によると、アトピー性皮膚炎は乳幼児から成人まで、日本人の薬20%が患者になっているとされる。
チームは、患者の皮膚に多くみられるが、作用がわかっていなかった「IL33」というたんぱく質に着目。遺伝子を操作し、IL33を通常より10倍多く出すマウスを作り、アトピー性皮膚炎を再現させて調べた。
遺伝子操作マウスでは、正常マウスでほとんど見られないIL33の受容体をもつ免疫細胞が増加・活性化しており、皮膚炎を起こしていることが分かった。

(朝日新聞 2013-8-7付けより)
-朝日新聞より-

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