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疲れ果てる勤務医

疲れ果てる勤務医

残業月100時間、危うくミスも

病院で働く医師が過重労働に疲れ果て辞めていく。残る医師が更に忙しくなって辞める。これが、医療崩壊を招く要因とされる。では、どれほど忙しいのか。大阪市内の拠点病院で働く医師に日々の仕事ぶりを記録してもらった。

29歳の男性外科医の場合、ほぼ毎日手術があり、入院者の診療や患者面談、書類作成と働き続けた。過のうち丸4日半は病院にいる。

月3~4回の当直中は救急対応でほぼ眠れず。未明に呼び出され、土日も病院に来て受け持ち患者を診る。「家庭の危機」を感じ、終電後は自費でタクシー帰り。疲れて処置室に泊まることもある。「もっと忙しい同僚医師もいる。医師は全く足りない」

昨春、大阪府内の病院を辞めた40代の男性外科医は、「死ねば楽になるかも」と思い詰めるほどだった。通常の手術や外来、救急の手術で休めても過半日。残業は月100時間を超えた。

05年末に麻酔科医が一斉退職、外科医が麻酔を担当する手術が増えた。翌年には、同僚外科医が1人やめて5人に。受け持ち患者が増えた。

疲れているのに夜、眠れない。ある日、点滴に使う薬の指示を間違えた。すぐに気ついたが、「これでは事故を起こす。質を保てない」と覚悟を決め、退職した。病院はその後、救急の受け入れを減らしたという。

なぜ、こうも忙しいのか。

医療費抑制策のため、入院日数が長いと病院収入が下がる仕組みになった。経営のため早く退院させ次の患者を受けるよう促される。患者が増えれば手術が増え、治療に追われる。介護保険の意見書など書類を書く仕事も増えた。患者への丁寧な説明も要る。

3月にまとまった大阪府医師会の勤務医会員調査では「今の病院をやめようと思った」は49%に達した。理由(複数回答)は「給料が低い」が40%。「所属科の医師不足」と「雑務が多い」がともに39%。 医療崩壊の理由として70%が「過重労働」を挙げた。

当直、労働時間には含まれず

厚生労働省のまとめでは、病院常勤医の勤務時間は平均過70,6時間。労働基準法による法定労働時間(週40時間)を大幅に上回り、月換算の時間外労働は100時間超。平均的な勤務医でさえ、労災基準で「過労死ライン」とされる時間外労働月80時間をゆうに超える異常事態だ。

「医師の世界では労働基準法が壊れている」と指摘するのは、過労死問題を手がける須田洋平弁護士。労基法は労働時間が週40時間を超える場合、労使間で協定を結び、時間外の労働時間の上限を設ける決まりだ。だが協定がない病院が多く、あっても有名無実化していることが珍しくない。「医師のただ働きの上に、日本の医療は成り立っている」と須田さん。

当直の扱いもおかしい。労基法などにもとづくと、医師の当直は労働時間に含まれていない。だがこれは、当直時に院内の巡回や電話応対程度の軽作業しか行わないという建前。日勤-当直-日勤という36時間連続勤務が見逃される理由もここにある。 実態は、多くの病院では当直の医師が夜間の救急診療を支えている。厚労省労働基準局は02年、当直扱いの医師に救急対応をさせないよう求める通達を出したが、効果は上がっていない。

一方、欧米の医師の労働時間は日本に比べて短い。経済協力開発機構(OECD)によると、英仏独で00年の医師の平均労働時間は週40~50時間ほど。欧州連合(EU)司法裁判所が03年、日本の当直にあたる医師の院内待機の時間を労働時間とみなす判決を出したことで、時短の流れが強まっているという。

東京の病院の小児科医だった夫が過労自殺したのをきっかけに医師の労働環境改善を訴える中原のり子さんは「月8回の当直が死の引き金になった。当直が勤務時間でないなんておかしい。当直はせいぜい月4回。何らかの取り決めが必要です」と訴える。

看護師や開業医がサポート

勤務医の負担はどうすれば軽くなるのか。

済生会宇都宮病院は看護師の力を使った。特別な研修と訓級を積んだ看護師に05年春から、CTやMRIの検査前にする造影剤の静脈注射を任せた。それまで放射線科医5人のうち3人が静脈注射にかかり、残り2人が画像診断を主に担当。帰宅時間がしばしば午後11時を過ぎた。導入後、ほぼ定時に帰宅できる。

厚労省は04年、看護師も医師の指示下で静脈注射ができるとの解釈を通知した。それまでは身体への影響が大きいからと「医師がする」としていた。昨年末にも、医師不足対策として、静脈注射や救急の優先順位決定などで看護師の活用を求める文書を出した。

大分県立看護科学大学は今月、薬の処方や風邪などの軽症患者の診察をする高度な看護肺「ナースプラクティショナー」(NP)を養成する大学院の講座を始めた。NPは約40年前、医師不足を背景に米国でできた資格。14万人いる。

日本では制度化されていないが、草間朋子学長は「米国でも制度化の前に人材養成が始まった。看護師の業務の幅を広げれば、医師不足が深刻な地域の医療に貢献できる」。

開業医が多忙な救急を支える取り組みも始まっている。

兵庫県の姫路市医師会は、65歳以下の内科・小児科の開業医が輪番で初期救急を担う。午後9時から翌午前7時まで2人、休日日中は5人がセンターに詰める。朝まで開業医がカバーするのは全国でも珍しい。支える開業医は約100人で月1回ずつ。ただ、開業医も高齢化が進み、担い手は減る一方という。

医師の働き方も見直すべきだ。看護師のような交代勤務制が普及すれば、子育て世代の女性医師らも働ける。書類作成などが代行できる事務職「医療クラーク」の育成も求められる。

朝日新聞より

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