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助っ人は開業医

助っ人は開業医

人手不足の夜間救急外来広がる支援

病院の夜間救急外来に開業医が〝助っ人〟に入る取り組みが広がっている。軽症の患者は開業医がそのまま診察し、重症者なら病院の当直医に任せるというスタイルが多い。時間外でも気軽に救急医療を利用する「コンビニ受診」が問題になる中、当直医の負担軽減につながっているほか、「病院と診療所の連携が進んだ」という効果を指摘する声もある。

九月上旬、秋田県湯沢市にある雄勝中央病院の救急外来。夜になっても、吐き気を訴える高齢者や三九度を超える高熱の子どもらが次々と訪れる。こうした患者を最初に診察するのは同病院の医師ではなく、地元の開業医だ。 同病院には今年六月から、平日午後六-八時の二時間、地元の湯沢市雄勝郡医師会所属の開業医十二人が交代で応援に入っている。重症なら当直医や病院の専門医に引き継ぐことになっているが、症状が軽い患者が大半で、ほとんどは開業医が診て帰す。

「当面は続けたい」

同病院は県南東部の湯沢・雄勝地域で救急から脳卒中やがんなどの高度専門医療まで一手に担う中核病院だ。だが内科、小児科などで医師不足が深刻化。足りない医師を研修医で補っていることもあり、当直する医師の負担は大きい。開業医の応援を得たことで、同病院の男性医師は「一番忙しい時間に安心して食事したり、残務を処理したりできる。負担はずいぶん軽くなった」と話す。

開業医が応援の日に合わせて、自分の紹介した入院患者を見舞うこともある。中村正明院長(57)は「開業医とのつながりが密になり、連携が進むという副産物もあった」と指摘。医師会の小野崎幾之助会長(70)も「当初は医師不足が解消するまでの臨時の対応のつもりだったが、『勉強になる』と話す開業医もおり、当面は支援を続けたい」と話している。

同様の取り組みは各地で広がっている。長野県中部から南部にかけての八市町村にまたがる上伊那地区。昭和伊南総合病院(長野県駒ヶ根市)は八月から平日の週三回、上伊那医師会の開業医に夜間の応援に入ってもらっている。同じ地区内で約二十㌔北にある伊那中央病院(伊那市)が昨年七月以降、同医師会から夜間の応援を受けていたことがきっかけだった。両病院が開業医に支援を求めた事情は少し異なる。伊那中央病院は症状の軽重を問わず救急専従の医師が診る「ER方式」を取っているが、その専従医師が昨年、七人から三人に減った。他科の医師の手を借りてER方式を維持しているが、軽症の患者を開業医と分担することで、勤務医の負担軽減を狙った。

昭和伊南総合病院の場合は深刻な医師不足だ。三年前に三十五人いた医師が歯科も含め二十三人に。その結果、「医師の呼び出しで対応していた二十四時間の救急が維持できなくなった」 (渋谷勝清事務長)。子どもの夜間救急は原則断っており、重症者は伊那中央病院へ搬送するよう消防に求めているが、毎晩十人以上の患者が駆け込む。渋谷事務長は「できれば平日は毎日応援に来てほしい」と本音を漏らす。

伊那中央病院の小川秋葉院長(曇は「医師会で夜間診寮所を作ってもらえれば重症患者に集中できる」と訴える。だが、医師会の神山公秀会長(69)は「この地区は開業医が少なく、昭和伊南の応援も今が精いっぱい。夜間診療所も検討しているが、人や医療機器の整備に経費がかかる」と台所事情を打ち明ける。

「紹介先なくなる」

医師不足が深刻な小児科に特化するところもある。埼玉県の志木市立市民病院は夜間の小児救急のみ、平日と土曜の夜間に二時間、周辺四市をカバーする朝霞地区医師会の医師が応援に入る。

この地域では同病院を含む五つの病院が小児救急の「輪番制」を組んでいたが、小児科医不足を理由に二病院が脱退。患者の七割が志木に集中するようになった。「この病院がだめになったら患者の紹介先がなくなる。何とかしなければという意識が皆強かった」と医師会の橋本啓一会長(71)は話す。

病気の兆候がわかりにくい子どもを小児科以外の開業医も扱うため、医師会で「三カ月未満の乳児は当直医に回す」などとしたマニュアルを作った。来院した人には問診票に記入してもらい、診断に差が出ない工夫もしている。

同病院の小児救急にかかる大半は軽症だ。問診票と一緒に「夜間の小児救急の本当の役割は、重症患者の判断と診療です」 「市民病院の小児科医は皆、眠らず診療しても翌日も朝から仕事です」など市民病院の現状に理解を求めるチラシも渡している。

「開業医の診察時間を避けて受診する患者が出てくるのではないか」。病院側も開業医側もこうした不安があったが、今のところそんな傾向は見られないという。実際、ぜんそくの女児(8)を連れて来院した富士見市の男性会社員(43)は「開業医かどうかは意識しなかった。丁寧に優しく診てくれて助かった」と安心した表情で帰った。

清水久志院長(61)は「肉体的にも助かるが、私たちの理解者がいることで精神的に助かっている」と話す。

「コンビニ受診」現場が疲弊-開業医の支援「高齢」が課題に

救急医療を疲弊させている大きな要因となっているのが「コンビニ受診」の増加だ。主に地域の中核病院が指定される「二次救急」は入院や手術が必要な人を受け入れることを想定しているが、2007年の厚生労働省の調査によると、八割以上が外来で済む軽症の患者だった。

救急車で運ばれた患者に関するデータからも、同様の傾向がうかがえる。2006年の搬送者数は十年前の1,5倍に当たる約四百九十万人。重傷者は約二百五十六万人で、56%増えている。

病院に開業医が足を運び、夜間救急外来の一端を担うことは、こうした現状に対応した取り組みといえるが、高齢の開業医が多い点がネックになるという指摘もある。

厚労省の医師・歯科医師・薬剤師調査によると、06年末時点で病院勤務医の平均年齢が四十四・二歳だったのに対し、診療所の医師は平均五十八・○歳。七十歳以上が約二万千七百人おり、全体の二十二・八%に達する。病院に応援に入る開業医からも「翌日の自分の診療への影響を考えると、長時間の支援は難しい」との声が上がっている。

日本経済新聞 2008.9.21 医療欄より

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