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新ペースメーカー MRI検査可能に

新ペースメーカー MRI検査可能に

心臓の筋肉にごく弱い電気刺激を与え、脈拍リズムを調整して平常の拍動に戻す心臓ペースメーカー。全国で約40万人が使っているが、植え込んだ不整脈の患者はこれまで磁気共鳴画像装置(MRI)の検査ができなかった。MRI検査が可能なペースメーカーが日本で初めて発売され、状況は変わり始めた。

ペースメーカーはチタン製ケースに電池と電気刺激の発振器を入れた小型の本体に、心臓との間を結ぶ細いワイヤからなる。上胸部の鎖骨の下に植え込む。いったん手術すれば、電池寿命の10年近く鼓動を支え続ける精巧な電子機器である。

ただ、磁場から発生する誘導電流の影響で、誤作動しかねない。ワイヤも発熱して心臓を傷つける恐れがある。このため、ペースメーカーを植え込んだ患者は、強い磁場を使うMRI検査が厳しく禁止されている。

関連学会が施設基準

MRI検査を可能にした新ペースメーカーは磁場の影響を受けないよう回路を変更、ワイヤも発熱を抑えるよう開発された。2008年に欧州で発売されてから世界で約10万台が使われている。
医療機器会社の日本メドトロニック(東京)が新しいペースメーカーの承認を受け、10月に発売した。

それによると、ペースメーカーでMRI検査ができるのは①循環器科と放射線科がある②標準的な1.5テスラ円筒型MRI装置を使う③所定の研修受講Iなどが基準。検査実施施設は登録制で、徐々に増えている。

条件付きMRI対応ペースメーカーと、植込み患者が所持するカード

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平均74歳高いニーズ

pacemaker1植え込み手術を受ける患者は平均年齢74歳で、高齢者が多い。高齢者ほど脳卒中やがん、骨折などになりやすく、MRI検査がより必要になる。同社が9月に全国の医師300人にインターネットで調査。9割以上の医師は「ペースメーカー患者がMRI検査を受けられないことは患者に不利益」と答えた。

自治医大の三橋武司准教授(循環器内科)が不整脈患者「不安」解消へ日本不整脈学会会頭の奥村謙・弘前大医学部教授(内科)は「このペースメーカーはMRI検査が必要な患者に大きな利益となる」と期待する。

MRI検査をする場合は条件が付く。検査の前後にペースメーカーのモード設定変更が必要だ。検査時にリストでチェックする細心の注意や、循環器科や放射線科などの連携も欠かせない。
日本医学放射線学会と日本磁気共鳴医学会、日本不整脈学会の関連学会はこのペースメーカー発売に備え「MRI対応デバイス患者のMRI検査の施設基準」を作った。
4月に、患者1466人に意識調査したところ、半数以上の患者はMRI検査を受けられないことに不安を感じていた。
日本は人口当たりのMRI装置が世界で最も多く、検査の恩恵が受けやすい。MRI対応には、本体とワイヤをセットで植え込む必要がある。
患者は条件付きMRI対応カードを常時所持し、MRI検査の指示を受ける際には提示が求められる。同社は専用ダイヤルを設けて、電話で24時間相談に応じている。

奥村教授は「患者も医療者もこのペースメーカーを熟知してほしい。それが安全で円滑な普及の鍵となる」と指摘する。

-中国新聞(夕刊)2012年12月7日より-

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