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医師不足地域は限界

医師不足 地域は限界

朝日新聞 医療再生より

病院閉鎖、急患ドミノ倒し

長野県千曲市で3月末、医師不足のために病院が閉鎖された。
地域住民約4万人の医療を支えてきた長野赤十字上山田病院。19人いた常勤医師が最後は2人に。医師不足が患者減を招き、収入減、赤字増の悪循環に陥った。

当面、診療所として常勤医2人で外来診療を続ける。10あった診療科は内科と整形外科だけ。1日300人近かった外来患者はまばらだ。250床の入院ベッドもなくなった。

もともと経営は順調だった。減価償却費を除いた収支は黒字。病床利用率96%と、常にベッドは埋まっていた。 崩壊の始まりは06年4月。19人のうち内科、外科、整形外科で1人ずつ減った。07年4月には8人に。外科と眼科で医師がいなくなった。

大学病院からの医師引き揚げが相次ぎ、定年退職や独立開業、突然の死亡も重なった。

「地域に必要な病院なのに」。当時の院長らが翻意を求めて大学を回ったが、「大学も医師は足りない」と逆に説得された。ほかの大学にも足を運んだが、状況は同じ。母体の長野赤十字病院も医師を派遣する余裕はすでになかった。
住民の不安は大きい。

長野市の公務員男性(52)の父は、肺気腫で上山田病院に入院していたが、長野市内へ転院させられた。これまでは病院まで実家から車で5分だったが、今は30分以上。男性は休日に1日がかりで、長野市と独居の母が暮らす実家を回る。

一つの病院の崩壊が、ドミノ倒しでほかの病院の負担を増やす。上山田病院の救急外来は昨春休止され、年約3500人の急患は周辺の病院に向かうようになった。この結果、JA長野厚生連篠ノ井総合病院(長野市)では救急搬送の患者が急増。「満床」で受け入れを停止する頻度が増えた。「限界に近い。うちが倒れたら地域医療が崩壊する」と救急担当医は危機感を抱く。

研修制度・養成数削減のつけ

地域を医師不足の大波が襲ったのは04年。免許をとった直後の医師の臨床研修制度が、新たに始まった年だ。

それまで新卒医師は主に大学病院で研修した。新制度では、自分が選んだ病院で2年間、基礎的な診療能力を身につける。研修医は地方の大学病院を敬遠、大都市の民間病院などに人気が集まった。

医師派遣の役割も果たしていた大学病院が人手不足に陥った。派遣先の地域の病院から医師を引き揚げた。

2年の研修後も、研修医は期待ほど大学病院に戻らなかった。大学院で博士号を取るより、民間病院で腕を磨きたいという若手も増えた。06年以降も引き揚げは続いた。

だが研修制度だけが原因ではない。以前から、産科や小児科などで不足感は強かった。

そもそも医師数が少ないのだ。人口千人当たりの診療医師数(04年)は2.0人。経済協力開発機構(OECD)加盟30カ国中27位。90年代は日本とほぼ並んでいた英国にも引き離されつつある。政府は80年代半ばから一貫して、医師養成数を削減してきた。「将来は医師が過剰になる」と分析したためだ。医学部の入学定員は07年度に7625人と、ピークの84年度より8%少ない。 厚生労働省も、全体的な医師不足は認める。06年7月にまとめた報告書ではじいた必要医師数は、04年時点で26.6万人。だが実際に診療する医師は25.7万人と、9千人足りない。10年には1万4千人不足に広がる計算だ。

ただこれは、病院にいる時間から研究、休憩などを除いて週48時間労働で換算した数字。小山田恵・全国自治体病院協議会長は「病院にいる時間を勤務時間と考えれば、不足は約6万人分に広がる」と反論。「いまの危機は、医療費を抑制し、医師数を削ってきた政策のつけだ」と憤る。

「10年で一人前」即効薬なし

厚労省の推計では、医師不足が解消するのは2022年。以降は過剰になるという。推計通りでも、40年時点の勤務医数は今より7%増だが、入院治療は1.4倍。医師も高齢化し、病院を離れて開業する率が高くなるとみる。開業医の働き方も検討がいる。

診療科の偏りもある。産婦人科や小児科以外にも、外科などで若手が減り、関係者は危機感を募らせる。

政府は北海道.東北などで医学部定員を増やした。今春168人。だが、暫定的な措置だ。一人前になるまで約10年かかり、即効薬ではない。

長谷川敏彦・日本医科大教授(医療管理学)は「医師が受け持つ農務を見直し、効率よく働けるようにする必要がある」という。医師数以外にも、看護師らとの連携など考えるべき点は多い。

編集局から 現境の課題と将来の選択肢を考えます。

うまい、早い、安い。

ファストフード店の宣伝文句ではありません。患者が医療に求める理想です。診てもらうなら腕のいい医師、病気になったらすぐ行ける病院、自己負担の少ない治療費。

こんな願いがかなうどころか、「定員を増やして、税金をもつと医療に」という声が強まっています。しかし、人やカネには限りがあります。医師にとって医療訴訟への不安も大きなストレスです。在宅療養を促す政策は患者家族の負担を強いています。

シリーズはまず、危機の根幹にある医師不足に焦点をあてました。今後、現場が直面する課題と再生への選択肢を考えていきます。

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