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期待高まる HIVワクチン エイズ「防ぐ」時代へ

期待高まる HIVワクチン エイズ「防ぐ」時代へ

エイズウイルス(HIV)が発見されて30年以上。感染者はアジア、アフリカを中心に3670万人いるとされ、新たな感染者も毎年200万人近くに上る。根治治療が見つからない中、日本ではエイズの発症を防ぐワクチンの開発や新薬の研究が進んでいる。

HIV 免疫システム壊す

HIVが体内で増える仕組みは巧みだ。いったん体内に取り込むと1日で約10億~100億個近く仲間を増やし、同時にウイルスなどから人の体を守っている免疫システムも壊す。
体内に入ったHIVはまず、免疫細胞にくっつき、自身の遺伝情報が詰まったリボ核酸(RNA)を細胞内に送り込む。RNAは、逆転写酵素でDNAに変身。細胞のDNAに潜り込む。潜り込んだDNAは細胞の増殖システムを利用し、ウイルスの部品となるたんぱく質などを細胞に作らせる。それを材料にウイルスが増え、免疫細胞は壊れる。
免疫システムを担う免疫細胞が壊れるため、ウイルスがますます増え、やがてエイズを発症する。熊本大エイズ学研究センターの松下修三教授(62)は「しかも、HIVは増殖の際に変化しやすく、すべてのウイルスを排除するような薬を作るのが難しい」という。このため
、ワクチンによる感染予防やウイルス排除による根治が難しく、現在はウイルスがそれ以上増えるのを抑える治療が行われている。

疑似ウイルス 発症を抑制

こうしたなか、ウイルスが増えない仕組みを体内に作り、エイズの発症を防ぐワクチンの開発が進められている。国立感染症研究所や遺伝子治療・再生医療研究を手掛ける民間企業「IDファーマ」(東京大都)などの研究チームが試みているのは、HIVの疑似ウイルスを使う方法だ。
チームは人に無害な「センダイウイルス」のRNAに、HIVの遺伝子の一部を組み込み、疑似ウイルスを作製。これを鼻から人の細胞に感染させると、細胞内にRNAが送り込まれ、疑似ウイルスに組み込んだHIVの特徴を持ったたんぱく質が作られる。
これを粘膜などにある免疫細胞の一種の樹状細胞が認識し、HIVを「異物」と判断。その特徴を免疫システムに伝え、HIVを見分けて攻撃する免疫細胞「T細胞」が作られてHIVに備える。そしてHIVが大量に増える前に、T細胞が攻撃し、エイズ発症を抑える仕組みだ。
同チームは2013年、非営利組織「国際エイズワクチン推進構想」とともに英国やケニア、ルワンダで、計65人にワクチンの臨床試験を実施。その結果、重い副作用はなく、ワクチンによって免疫細胞がうまく活性化できたことが確認できたという。感染研の俣野哲朗・エイズ研究センター長(57)は「開発は6合目。あと10年ほどで実用化できるようにしたい」と語る。
薬も進化している。従来のエイズの治療では、薬の量が多いうえ、毎日飲み続けないと薬が効かなくなる問題があった。だが、国立国際医療研究センターの岡慎一エイズ治療・研究開発センター長(60)は「かつては1日20錠必要な時代もあったが、効き目の強い成分の発見などで1日1錠で済む薬もでてきた」と話す。現在は、週や月に1回飲めばウイルスの増殖を抑えられる新薬の研究も進む。
ただ、医療は進化しても、国内でHIVに新たに感染する人は後を絶たない。松下教授は「ワクチンや薬の開発とともに、感染予防や早期発見できる体制の充実も必要だ」と話している。

※ エイズ

後天性免疫不全症候群(Acquired immunodeficiency syndrome)と呼ばれる病名の略語。エイズと診断されるのは、HIVへの感染が確認され、体内でウイルスが増えて免疫力が低下し、さらに厚生労働省が指定したカンジタ症や悪性リンパ腫などの病気を発症した場合となる。母子感染のほか、血液、性交渉で感染するが、感染力は弱く、握手やせき、くしゃみ、お風呂やかるいキスなどでは感染しない。

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